2024.06.12 18:00
サークルに全然顔を出さないバンドだった
──MVは監督を橋本さんがされてますよね。大学で映像を学んでいたとか?
橋本拓己(Dr.) 僕は独学で、バンドでMVを作るとなったからですね。
──元々映像系が好きだったんですか?
橋本 いや、好きというよりはなんとなくできるんじゃないかなって。お金もなかったので、誰かに頼むのも無理だし。それなら自分たちでやっちゃおうと。アルバムのレコーディングもエンジニアの人にお願いしたんじゃなくて、全部黒羽がやっていて。アルバムは全部自分らだけで完結してて。
──黒羽さんがベースからキーボードになったのは?
黒羽 キーボーディストを探すか、僕がキーボードも弾けるのでベースを呼ぶかの2択で。いいベーシストは身近にいるけど、逆に僕がベースを継続して、うまく当てはまりそうなキーボーディストが見当たらないなって。スイッチすることになりました。
橋本 ちょうど『頭痛』っていうEPを作るときに、今まで4人でやってきたけどキーボード欲しくない?ってなって。それで今の話に。
──下河辺さんは同じサークルの先輩だったんですか?
下河辺太一(Ba.) 一応同じサークルですけど、そんなに被ってはないというか。黒羽とは同期といえば同期で。
黒羽 年齢は違うけど。
下河辺 サークルは同期で。一緒にいろいろやったりしてたけど。ほかのみんなは関わりがなくて、バンド組んでから初めて喋りました。
黒羽 というのも、Khakiが僕らのサークルに全然顔を出さないバンドだったんですよ。サークルの集まり、ライブの後の飲み会とかに、Khakiは参加しなくて。時々サークル内のライブにいる。
橋本 普段の集まりには行かないのに、ライブだけは行くみたいな。
黒羽 下河辺と僕に関しては、サークルにコミットしてたんで。普通のサークルの人たちからすると彼らはほぼいない人たちみたいな感じでした。
──オリジナルを作るサークルだと伺ったんですけど、顔を出さなかったのは、周りのメンツと合わなかったとか?
平川 むしろ怖いぐらいで(笑)。代によって特色があるみたいで、下河辺たちが運営していた代の趣味にあんまりハマらなくって。
黒羽 割とクセ強かった。
平川 最初の顔合わせぐらいで、ここ(橋本)と仲良くなって、バンドをすぐ組めちゃったからあんまりサークルに行く必要がなくなっちゃって。コミットしてなかったんですね。
下河辺 そもそもメンバーを見つけたらあんまサークルに行かなくなる、メンバーを見つけるための場みたいな。
橋本 僕も積極的には行ってなかった。
中塩 鎧を着込んでるみたいなのがいいというか、いっぱい音楽を知っているということがその場では強いというか。俺とか全然知らなくて。最初の自己紹介とか、俺は何も知らないしなってオドオドして終わっちゃって。詳しい人が結構多くて、今となってはすごいことだと思うんですけど、18とかの多感な時期とかに、排外的な空気を出されるとちょっと怯えちゃうというか。
──でもインタビューで必ず、さも音楽をすごく知っているバンドなんだなって思われません?
平川 全然知らない……(笑)。
──それを率先して言ってるのが、作曲者の2人っていう(笑)。
平川 下河辺くんがヒップホップとか好きなんですけど、それで僕はすぐ影響されるし結構ミーハーで。中塩くんも今はジャズが好きだし、影響されやすい。
──まさに「Undercurrent #2」はスウィングビートみたいなのは、ジャズの素養がないとなかなかドラムは叩けないと思う。
橋本 僕は高校で吹奏楽部やってたんですけど、ジャズみたいなのは叩けないんで、先輩にお任せして、逃げてたんです。DEEP PURPLEメドレーとかはやってたんですけど、ジャズ系、「My Favorite Things」とかは先輩にお任せして。(「Undercurrent #2」は)ジャズ系のアレンジになったんで、必死こいて練習してって感じですね。
──それじゃあ下河辺さんの加入から音楽性が広がっていった? 下河辺さんがメンバーの最年長でもあるから、メンバーの特性を見て、多分こういうの好きなんだろうなというのを処方箋みたいにおすすめするというか。
下河辺 勧めてることはないですね。
平川 遠征とか行ったときに車で流しているやつが気になったり。下河辺くんが入ってすぐぐらいのとき車でカニエ・ウェスト(Ye)を流して、特に僕がハマって、「BOUND2」を入場SEにすぐしちゃって。
下河辺 あれでSEだとは思わなかった(笑)。
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