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INTERVIEW

映画『ハピネス』で余命1週間の高校生を演じた実力派の素顔

蒔田彩珠の演技力を支える出会いと学び「“いまを生きる”ように日々を過ごせたら」

2024.05.17 17:30

2024.05.17 17:30

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今はとにかくいろんなことに挑戦する時期

──蒔田さんといえば、連続テレビ小説『おかえりモネ』のみーちゃん役が印象的でした。

私にとっても仕事に対する意識が変わった作品の一つでした。1年間、同じ役を演じ続けることが今までなかったので、すごく貴重な経験でしたし。何より(ヒロイン役の)清原(果耶)さんが本当に大変な中、まっすぐ役と向き合う姿をすぐ横で見られたのが大きかったです。自分もこんなふうに役を大切にできる女優さんになりたいなと考えるようになりました。

──朝ドラはやはり反響が大きかったですか。

いろんな人が観てくださるんだなというのは感じました。友達とか普段あんまり私の出ているものを観てくれないんですよ(笑)。でも、朝ドラは観たという声が多かったので、やっぱり特別なんだなと思いました。

──みーちゃんは特に繊細な女の子でしたが、周りから心配されませんでしたか。

つらいシーンが多かったので、そういうときは母が一番心配してましたね。でも、うちの母は私のお芝居に対して「よかった」しか言わないので、私自身はわりと平気でした。

──どちらかと言うと陰のある役を任されることが多いですが、蒔田さんご本人は結構明るいですよね。

そうだと思います(笑)。

──イメージとのギャップに悩んだりしませんでしたか。

意外と悩まないですね。ちょっと陰のある役を演じているときの自分も、こんなふうに話している自分も、どちらもいいねと言っていただけることが多いので。それに今回の由茉がそうですけど、今までのイメージとは違う役をいただける機会も増えてきたので、今はあまりどう見られているかは気にせず、とにかくいろんなことに挑戦する時期だと思っています。

──今回の役に対して、お母様は何と言ってくれそうでしょうか。

兄が二人いて、小さい頃はお下がりを着ることが多かったので、あんまり女の子らしい恰好をしたことがなかったんですね。だから、レースのヒラヒラを着ている私を見て、「これが見たかった!」と喜んでいました(笑)。

『ハピネス』より由茉の両親を演じた吉田羊、山崎まさよしとのシーン

──由茉は残り少ない人生を悔いなくまっとうするために、好きなものに囲まれて生きようと決意します。それにちなんで、最後に蒔田さんの好きなものを聞いていきますね。まず好きなファッション。

悩むなあ。でも、古着が好きですね。普段はわりとカジュアルな恰好をしていることが多いです。

──好きな食べ物は?

最近はカニクリームコロッケです。あんまりお店で見たことがない気がして。だからメニュ―にあったときには絶対頼みます。

──好きな作家さんは?

『おいしいごはんが食べられますように』の高瀬隼子さんです。高瀬さんの作品はほとんど読んでいるのですが、読みやすいのはもちろん、登場人物がちょっとくせのあるところが読んでいて気持ちいいんですよね。人のザラッとした悪意を描くのが読みやすくて、そこが共感できます。

──好きな言葉は?

「Carpe Diem」。ラテン語で、訳すと「いまを生きる」という意味なんですけど、『いまを生きる』という映画でこの言葉を知って、そこからずっと私もそんなふうに生きられたらと思いながら日々を過ごしています。

──では最後に、好きなものが自分に与えてくれるものって何だと思いますか。

ハピネスです。

──完璧な答えです(笑)。

ありがとうございました(笑)。

映画『ハピネス』場面写真 ©︎嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会

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作品情報

ハピネス

©︎嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会

©︎嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会

ハピネス

2024年5月17日(金)全国公開
配給:バンダイナムコフィルムワークス

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

出演:窪塚愛流、蒔田彩珠
橋本 愛 山崎まさよし 吉田羊
原作:嶽本野ばら「ハピネス」(小学館文庫刊)
監督:篠原哲雄
脚本:川﨑いづみ
主題歌:三月のパンタシア「僕らの幸福論」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作プロダクション:光和インターナショナル

2002年8月7日生まれ。2012年、10歳で出演したドラマ『ゴーイング マイ ホーム』で監督の是枝裕和から評価され、その後も『海よりもまだ深く』(16)、『三度目の殺人』(17)、『万引き家族』(18)、Netflix『舞妓さんちのまかないさん』(23)といった是枝作品に出演。2018年、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で映画初主演。主な出演作は『星の子』(20/大森立嗣監督)、『朝が来る』(20/河瀨直美監督)、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(21)、NHK夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」(23)、Netflix『忍びの家』(24/デイヴ・ボイル監督)など。窪塚愛流とのW主演映画『ハピネス』(篠原哲雄監督)が2024年5月公開。

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