2024.04.04 21:00
2024.04.04 21:00
既存曲は積み重ねたものが顕著に出る
──今回のアルバム、もちろんアレンジも演奏もいいんだけど、歌がすごく強く聞こえてきます。
なち いつも歌詞に対して、1行ずつどういう思いを込めて歌うかっていうのを、表情だったり、こういう場面を想像して歌うとかをメモしてからレコーディングに臨んでるんです。今回は本当に曲が多かったから、1つ1つの曲に対して向き合っていくのは結構大変だったんですけど、自分でも歌に関しては結構、勉強してきたこと、やってきたことがやっと身になってきたなって感じてるので。表現したいことを技術でコントロールできるようになってきたというか、風邪をひいて録り直したりした曲もあったんですけど、マインドとか、その日の自分の調子を技術でコントロールできるようになってきたなっていう感じです。
あと、社長の(横山)健さんもレコーディングについては結構アドバイスをくれて。“覚悟を決めろ!”とかは「この曲はかっこいい曲だけどそこに振り切らないで歌った方がいいと思う」とか。自分ではこういう歌詞だからこう歌いたいっていう、やろうとしてたことはあったけど、自分もそれは納得したので、そういうふうに意識して歌ってみて。そういうことにチャレンジできたのもすごくよかったなって思います。
──健さんはかっこいいだけじゃなくて、別の表現の仕方もあるんじゃないかっていうのを提示してくれたんですね。
なち そう。私が思うに、健さんが言ってたのは、サバシスターのイメージだったりとか、アルバムのイメージを結構強い言葉で言ってたりする、曲の核の部分はあるんだけど、「それの見せ方はいろいろあるよね」っていうことだと思うんです。自分ではわからない「なち」の魅力を、「こう見せたら、もっといいんじゃない?」って教えてくれたんじゃないかなと思います。
──まさにそこですよね、このアルバムのすごいところは。今まで以上に感情の触れ幅も大きいし、これまであまり表に出してなかった感情も言葉にしている気がするんですよ。でもそれを歌うときにそこに溺れていかないっていうか。それはそれでちゃんと提示するんだけど、でもちゃんと伝わるものにしていくっていうバランスがすごく取れてるような感じがするんです。“ジャージ”とか“ナイスなガール”とか、違う歌みたいに聞こえてくるからね。それは他の曲と並んでいるというのも大きいんだと思うけど。
なち ああ、確かに。
──既存曲への愛が深まったりはしました?
なち 安心感があります。ライブでもそうだし、聴いていても安心感がある。今までずっとやり込んできた曲は、自分たちにここまで寄り添ってきてくれたんだなって改めて感じます。
るみなす やっぱりバージョンアップしてはいるんですけど、初ライブからやってる「ジャージ」だったり「しげちゃん」だったりは本当に初心をいつでも思い出せる曲というか。演奏してても慣れもあるし、他の新曲よりは少しは気持ち的に楽に弾けるかもしれないけど、その分自分たちの今まで積み重ねたものがすごい顕著に出る曲だと思うので、安心と同時に自分たちが一番出せる曲だなって思います。
GK 今までの曲は、自分たちのライブと一緒に成長していった曲なので。ライブやる中で「こうしていったほうがいいんじゃないか」とかみんなで喋ったりして、それでアレンジが変わっていったりとかが結構あったりしたから、毎回洗練されていくような感じになってるんじゃないのかなって。
──ちなみにふたりから見て最近のなちさんの歌はどんなふうに見えていますか?
GK なんか、普通にすごいうまくなった(笑)。もともと下手とは思ってないけど、なんか強くなった、太くなったなって。なちがやってきたことがちゃんと出てて、表情がすごい歌に見えてて、すごくいいなって。
るみなす 歌や歌詞の説得力が増えたっていうのはすごく思ってるし、もちろん人だから波はあるんですけど、その、具合が悪くなってしまうターンも前よりはすごく短くなった気がする。コンディションがちょっと悪いって言ってたすぐ後には結構万全の状態が続いてる、みたいな。昨日のライブ迎えるにあたっても、結構調子がいい日が続いてたのかな。
なち うん。なんかずっと結構ずっと体調崩してたんです。本当に治らない、謎の風邪みたいな。たぶん環境も変わったし、私は結構夜もダメだから体が追いつかなくて、ずっとなんか体調悪いし、声も出ない期間が続いたんですけど、その、超絶長い、2、3ヵ月の風邪が──。
──長っ!
なち 風邪じゃないのかもしれないけど(笑)。でもそこから抜け出して。昨日とかは本当にずっと何ヵ月も前から3月8日にライブあるって思ってたから、そこに照準を合わせて自分のコンディションも持っていけるようになったなって。
──プロフェッショナルですね。
なち プロフェッショナルですね。
──そういうのって、フィジカルもそうだし、きっとメンタルもあるんだと思うんです。そういう部分もある程度自分でコントロールできるようになってきた。
なち それもそうだし、やっぱり全員で音楽に関して話せる機会が増えたので、それだけで曲作りに関してのストレスは減るなっていう感じです。
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