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ヒップホップの語源でラップから離れた理由を説明

アウトキャストのアンドレ3000がついにラップアルバムを作る意欲が湧いてきたと語る

2024.02.29 22:07

By Sven Mandel - Own work, CC BY-SA 3.0

2024.02.29 22:07

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1993年にデビューして以来、『Aquemini』『Stankonia』『Speakerboxxx/The Love Below』などのアルバムで大ヒットを記録し、メインストリームで大きな成功を収めた初のサウス出身のヒップホップアーティストとなったアウトキャスト。2006年以来アルバムのリリースがない伝説的な2人組だが、昨年11月にメンバーのアンドレ3000がラップではなく“縦笛/フルート”のアルバム『New Blue Sun』をリリースしたことが話題になっていた。

世界で最も評価されているラッパーの1人であるアンドレ3000は、以前から「歳を取るとラップができなくなる」という旨を公言していた。そんな彼が17年ぶりにリリースしたアルバムは全くラップが入っていない作品だったが、最近やっとラップの世界に復活したいという気持ちが芽生えてきたようだ。

先日公開されたHighsnobietyのインタビューで「ラップを恋しく思うときはあるか?」と訊かれた際、彼はついにラップアルバムを作る意欲が湧いてきたと語った。

「ラップを恋しく思うときはあるよ。ラップアルバムを作りたいと思うようになった。48歳にして、熱くてイケてるラップアルバムを作る挑戦ができたら最高だと思う。多分かなり難しいだろうけど、やってみたいね。それがこのジェットコースターのような人生の面白いところだよ。本当にアップダウンする乗り物のようだ」

『New Blue Sun』はアウトキャスト時代からのファンからは一部落胆の声もあったが、リリースしてから複数の大規模フェスへの出演も決定し、音楽メディアからも高く評価されている。そんなアンドレは以前、ヒップホップというジャンルの語源から、自身がラップをしなくなった理由を説明していた。

「“ヒップホップ”という言葉の語源から考えると、何よりもヒップ(流行の最先端)である必要がある。歳を取るほど、“ヒップ”じゃなくなるんだ。もちろん、若者がやっていることを理解することは出来るだろう。でもヒップには常に新しいスラングやリズムが生まれるし、この歳でそれを真似しようとしたとき、無理している感じがみんなに伝わるんだ。見ていて恥ずかしく感じるようになってしまう。もちろんこれは俺の個人的な意見だよ。俺が今のヒップホップに与えられる価値はそんなに多くないだろう。ある意味、もう箱の中に閉まってあるんだ」

また、ラッパーとしての活動を停止してからフルート奏者として活動しているアンドレだが、先月人気テレビ番組「The Late Show with Stephen Colbert」に出演した際、フルートにハマった理由も明かしていた。

「ある日フルートの存在を知って、何年も繰り返す吹くようになったんだ。自然な形で俺の人生に入ってきたし、みんなにシェアできたらいいなって思ったんだ。このような縦笛やフルートは、歌に最も近い楽器だと思っている。ビブラートが人間と同じだし、フルートを吹くとき、みんなは実際に人間の息を聴いているんだ。他の楽器では演奏者の息は聞こえない」

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アウトキャスト

アーティスト情報

アンドレ(アンドレ・ベンジャミン)とビッグ・ボーイ(アントワン・パットン)の2人は1993年、ヒップホップとサザン・ソウルを融合させ、サンプリングと生楽器演奏をミックスしたスロウ・ライドな「Player’s Ball」で第一歩を飾った。もともとは『A LaFace Family Christmas』からのシングルとしてカットされたこの曲だったが、そのインパクトはまずヒップホップ・シーンで爆発、一気にアウトキャストの名を知らしめ、彼らのクルーであるダンジョン・ファミリーにも名声をもたらした。LaFace Recordsはこのシングルのヒットによりアウトキャストのアルバム・リリースを決定、そうして完成したファースト・アルバム『Southernplayalisticadillacmuzik』(1994年)からは「Ain’t No Thang」「Git Up, Git Out」などがヒットし、アトランタのヒップホップ・シーンは一気に熱くなっていった。

 そんなファースト・アルバムの大成功に続いて彼らはセカンド・アルバム『ATLiens』(1996年)をリリース。アトランタ(ATL)とエイリアンをあわせた造語をタイトルとしたこのアルバムで彼らは音楽を作るということにおいて非凡なものを持っていることを証明した。前作の成功にとらわれず、次に彼らはジョージ・クリントンがつくりだした『Mothership Connection』や『Dr. Funkenstein』と並ぶヒップホップ・ジェネレーションによるファンク・オデッセイを作り上げ、「Elevators」といったシングルをヒットさせ、ヒップホップにおいてアウトキャスト、そしてアトランタという名前を完全に定着させたのだ。

 サード・アルバム『Aquemini』(1998年)は2人の星座である水瓶座(Aquarius)と双子座(Gemini)を掛け合わせた13番目の星座という造語タイトル。米Source誌において最高の栄誉である「マイク5本」を獲得したこのアルバムは双子座(詩人/教師など)のアンドレと水瓶座(勝負師/詐欺師など)のビッグ・ボーイという2人のバランスがそのままに反映され、「Rosa Parks」「SpottieOttieDopaliscious」などがヒットした。

 彼らの人気・知名度が本格的にジャンル・国境を越えたのが4枚目のアルバムの『Stankonia』(2000年)だ。米軍のイラク侵攻を予見したような衝撃的な「B.O.B.(Bombs Over Baghdad)」に続いてカットされた「Ms. Jackson」は彼らにとって初の全米シングル・チャートNo.1を記録。MobyやEminemらとともに全米・ヨーロッパでスタジアム級ツアーを敢行した彼らはヒップホップ・ファンだけにとどまらず、ロックやビッグ・ビートのファンからも愛される類まれなグループとなり、2001年には初のベスト・アルバム『Big Boi And Dre Present…Outkast』をリリース。新曲として収録された「The Whole World」はグラミー賞でもパフォーマンスされ大絶賛。

 5枚目のアルバム『Speakerboxxx/The Love Below』(2003年)はこれまで以上の成功をもたらす。アンドレとビッグ・ボーイというそれぞれ強烈な個性を尊重し、アルバムはビッグ・ボーイによる『Speakerboxxx』とアンドレによる『The Love Below』の2枚組という過去に例をみない試みがなされた。先行カット「Ghettomuzik」はそのユーロビートともとれる想像をはるかに超えたサウンドでファンの度肝を抜き、続くアンドレのシングル「Hey Ya!」は見事全米シングル・チャートNo.1を獲得、ビッグ・ボーイの「The Way You Move」と並んで8週連続シングル・チャート1,2位独占というビートルズを上回る記録を樹立、「The Way You Move」もNo.1となりまさに社会現象となった。2004年のグラミー賞ではアンドレが「Hey Ya!」を、ビッグ・ボーイが「The Way You Move」をそれぞれパフォーマンスする、という異例の扱いで登場、見事「Album Of The Year」他3部門を受賞。

 その後アンドレは俳優業にも本格的に乗り出し、「Be Cool」「Four Brothers」「Revolver」といった話題作に出演。ビッグ・ボーイもレーベル、パープル・リボンを設立するなどそれぞれの活動を続けてきたが、2006年いよいよ新作『Idlewild』が完成する。同時に2人で主演した同名映画もユニバーサル・ピクチャーズの配給で全米公開が決定。1930年代の南部の街、アイドルワイルドを舞台にピアノプレーヤーとクラブのオーナーのストーリーを描いた作品で監督は「Hey Ya!」などのビデオを監督したブライアン・バーバー。

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