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タクシー乗車中も笛を吹いていると明かす

アウトキャストのアンドレ3000が日本の尺八から受けたインスピレーションを語る

2023.12.19 20:00

By Sven Mandel - Own work, CC BY-SA 3.0

2023.12.19 20:00

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1993年にデビューして以来『Aquemini』『Stankonia』『Speakerboxxx/The Love Below』などのアルバムで大ヒットを記録し、メインストリームで大きな成功を収めた初のサウス出身のヒップホップアーティストとして数多くの功績を残してきたアウトキャスト。2006年以来アルバムのリリースはなかったが、先月メンバーのアンドレ3000がアルバム『New Blue Sun』をリリースしたことが話題になっていた。

世界で最も評価されているラッパーの1人であるアンドレ3000が17年ぶりにリリースしたのは、ラップではなく、なんと縦笛/フルートのアルバム。彼は多くのファンから落胆の声があがったことについて、先日出演したCBS Morningにて「ジャケットにも“ラップは入っていない”って書いてあったし、それで腹立っているとしたら、どうすればいいかわからない。でももし私が17年間も何かを待っていたとして、全く違うものがリリースされたとしたら怒るかもしれない。もう若い頃のようにラップはしていないし、人生は変わって前に進まないといけないんだ」と発言していた。

また、先日ザ・ルーツのクエストラヴのポッドキャスト「Questlove Supreme」に出演した彼は、30個ほど縦笛/フルートを所持しており、マヤ/アステカ文明で使用されていたスタイルのフルートが最も気に入っていると語った。彼はなんとウーバーやタクシーに乗っているときもフルートを吹いているらしく、様々な国籍のタクシー運転手から各々の文化における縦笛について教えてもらったと明かした。

「私はウーバーとかに乗っているときもフルートを吹いてるから、運転手が自身の国の縦笛について教えてくれるんだ。“その笛は私の国の笛に似てるよ”ってね。だから全ての文化でフルートのような楽器があることも知ることができた。フィラデルフィアの路上でフルートを吹いていたときは、日本の尺八の文化について教えてもらったんだ。バスケットを頭に乗せて、エゴを捨てて人々のために尺八を吹いている人たちの話を聞いて、自分も同じようなことをやっていると親近感があった。そこから尺八について調べ始めたんだ」

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アウトキャスト

アーティスト情報

アンドレ(アンドレ・ベンジャミン)とビッグ・ボーイ(アントワン・パットン)の2人は1993年、ヒップホップとサザン・ソウルを融合させ、サンプリングと生楽器演奏をミックスしたスロウ・ライドな「Player’s Ball」で第一歩を飾った。もともとは『A LaFace Family Christmas』からのシングルとしてカットされたこの曲だったが、そのインパクトはまずヒップホップ・シーンで爆発、一気にアウトキャストの名を知らしめ、彼らのクルーであるダンジョン・ファミリーにも名声をもたらした。LaFace Recordsはこのシングルのヒットによりアウトキャストのアルバム・リリースを決定、そうして完成したファースト・アルバム『Southernplayalisticadillacmuzik』(1994年)からは「Ain’t No Thang」「Git Up, Git Out」などがヒットし、アトランタのヒップホップ・シーンは一気に熱くなっていった。

 そんなファースト・アルバムの大成功に続いて彼らはセカンド・アルバム『ATLiens』(1996年)をリリース。アトランタ(ATL)とエイリアンをあわせた造語をタイトルとしたこのアルバムで彼らは音楽を作るということにおいて非凡なものを持っていることを証明した。前作の成功にとらわれず、次に彼らはジョージ・クリントンがつくりだした『Mothership Connection』や『Dr. Funkenstein』と並ぶヒップホップ・ジェネレーションによるファンク・オデッセイを作り上げ、「Elevators」といったシングルをヒットさせ、ヒップホップにおいてアウトキャスト、そしてアトランタという名前を完全に定着させたのだ。

 サード・アルバム『Aquemini』(1998年)は2人の星座である水瓶座(Aquarius)と双子座(Gemini)を掛け合わせた13番目の星座という造語タイトル。米Source誌において最高の栄誉である「マイク5本」を獲得したこのアルバムは双子座(詩人/教師など)のアンドレと水瓶座(勝負師/詐欺師など)のビッグ・ボーイという2人のバランスがそのままに反映され、「Rosa Parks」「SpottieOttieDopaliscious」などがヒットした。

 彼らの人気・知名度が本格的にジャンル・国境を越えたのが4枚目のアルバムの『Stankonia』(2000年)だ。米軍のイラク侵攻を予見したような衝撃的な「B.O.B.(Bombs Over Baghdad)」に続いてカットされた「Ms. Jackson」は彼らにとって初の全米シングル・チャートNo.1を記録。MobyやEminemらとともに全米・ヨーロッパでスタジアム級ツアーを敢行した彼らはヒップホップ・ファンだけにとどまらず、ロックやビッグ・ビートのファンからも愛される類まれなグループとなり、2001年には初のベスト・アルバム『Big Boi And Dre Present…Outkast』をリリース。新曲として収録された「The Whole World」はグラミー賞でもパフォーマンスされ大絶賛。

 5枚目のアルバム『Speakerboxxx/The Love Below』(2003年)はこれまで以上の成功をもたらす。アンドレとビッグ・ボーイというそれぞれ強烈な個性を尊重し、アルバムはビッグ・ボーイによる『Speakerboxxx』とアンドレによる『The Love Below』の2枚組という過去に例をみない試みがなされた。先行カット「Ghettomuzik」はそのユーロビートともとれる想像をはるかに超えたサウンドでファンの度肝を抜き、続くアンドレのシングル「Hey Ya!」は見事全米シングル・チャートNo.1を獲得、ビッグ・ボーイの「The Way You Move」と並んで8週連続シングル・チャート1,2位独占というビートルズを上回る記録を樹立、「The Way You Move」もNo.1となりまさに社会現象となった。2004年のグラミー賞ではアンドレが「Hey Ya!」を、ビッグ・ボーイが「The Way You Move」をそれぞれパフォーマンスする、という異例の扱いで登場、見事「Album Of The Year」他3部門を受賞。

 その後アンドレは俳優業にも本格的に乗り出し、「Be Cool」「Four Brothers」「Revolver」といった話題作に出演。ビッグ・ボーイもレーベル、パープル・リボンを設立するなどそれぞれの活動を続けてきたが、2006年いよいよ新作『Idlewild』が完成する。同時に2人で主演した同名映画もユニバーサル・ピクチャーズの配給で全米公開が決定。1930年代の南部の街、アイドルワイルドを舞台にピアノプレーヤーとクラブのオーナーのストーリーを描いた作品で監督は「Hey Ya!」などのビデオを監督したブライアン・バーバー。

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