2023.12.06 18:30
「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION]」東京・代々木第一体育館公演より(撮影:田中聖太郎)
2023.12.06 18:30
皆さんがいてくれたら、ずっとそばにいる
「1 of 1」から続く後半戦は、デビュー曲「Replay」、音楽番組で初1位を獲得した「Love Like Oxygen」から始まる15周年を振り返るセクション。日本オリジナル曲「Diamond Sky」では再びトロッコでフロアを回ったが、サビでSHINeeとファンが手を高く掲げてダイヤモンドを形作るポーズを、ここ代々木で見るのは格別。まさに「Diamond Sky」は、日本のファンとの思い出の曲といえるだろう。
しかし思い出に浸った後には、「代々木での初めてのコンサートで“トロッコ”という単語を知った」とトークを切り出すキーの話をテミンもミンホも聞いておらず、あきれたキーが「それなら、みんなバラバラに好きな話をすれば!」と言って3方に分かれて勝手な話をしだしてファンを笑わせる場面も。こういうギャップもSHINeeのライブの楽しさだ。
本編の最後は盛り上げる曲ではなく、バラードでしっとりとまとめた。「Everybody」や「Dream Girl」などSHINeeには他のグループにはできない奇抜なパフォーマンスのヒット曲が多いが、バラードも上手いグループだ。特に壮大なバラード曲「An Encore」は、ラストにふさわしい選曲。タイトル通り“アンコールを求める”という意味もあるが、韓国で行われたSHINeeデビュー10周年ファンミーティングの本編最後に、大切な人を失ったばかりのSHINeeとSHINee World(ファン)が、この曲を歌って心を通わせた特別な曲だから(ぜひ歌詞を確認してほしい)……。「1 of 1」からここまでに、15年の彼らの歴史がしっかりと刻まれている気がした。
普段のツアーのアンコールにはTシャツで登場するが、この「SHINee WORLD VI」ではアンコールで8thフルアルバム『HARD』のリード曲「HARD」を披露するという趣向になっていたため、いつもとは違い「HARD」のド派手な衣装で登場。アンコール1曲目でヒップホップのスワッグをバチバチに決めて、すぐさま会場をまた熱くした。
トークパートでは「HARD」の一節をミンホがアカペラで歌いだすと、客席もそれに続き大合唱。それを見てテミンが、「(2月の)ドーム公演の時は、アンコールで僕たちを呼ぶときに、“SHINee、ふぅふぅ”じゃなくて、皆さんのキレイな歌で呼んでくれますか?」とおねだり。どうやらテミンは、「君がいる世界」を歌ってほしいよう。そのテミンは、「ツアーの最後の公演。皆さんの前でステージに立つこともできたし、皆さんがSHINeeのそばにいてくれたし、意味があるツアーでしたし、こうしてまた代々木という意味のある場所で最後の公演できてうれしいです」と感想を述べると、キーが「アリーナツアーは終わりますが、来年2024年2月24日、25日、東京ドームが残っています。アリーナツアーとは違う歌やパフォーマンスを追加できると思います。セットリストは半分くらい決まりましたが、ずっと歌っていなかった曲も歌いたい」と言って会場を沸かせる。それを見たミンホが、「1曲だけスポお願いします」と懇願すると3人で再びこそこそ相談し、キーが「『LUCIFER』やります」と笑いながら答えた。そしてミンホの先導によるコールアンドレスポンスから「Hitchhiking」へなだれ込み、トロッコに乗って「Runaway」までを観客のそばで盛り上げた。
最後に「こうしてまた皆さんの前に立てて嬉しかった。これからもSHINeeが歩んでいく姿を応援してください。皆さんがいてくれたら、SHINeeはずっと皆さんのそばにいるつもりです。他に行かないで! ずっとSHINeeのそばにいて、SHINeeと一緒に大切な思い出を作っていきましょう。これから新しい音楽やステージで皆さんにお返しできるように頑張ります」と言うテミン。ミンホは「特別な思い出を作ってくれて、本当に感動しました。皆さんのおかげで一番幸せな男です。いつも皆さんが僕の希望です。ありがとうございました」と感謝を伝える。
キーは、「会えなかった時、映像サイン会で日本のファンの皆さんに“またツアーで会いたい”と言われましたが、気付いたらもうここに立っていて、今日がツアーの最後に。また昔に戻った気がします。ドームまでに、日本の活動があると思います。昔と違わない姿をお見せしたいと思いますので、皆さんもツアーが終わって寂しいと思わずに“あと何が残ってるの?”と楽しみにしてほしいです。すぐまた会いましょう!」とファンを元気付け、最後に3人でサムズアップ。そして元気に「ドームで会いましょう!」と言ってステージを降りて行った。
韓国公演との違いは、「Dream Girl」と「Don’t Call Me」が日本語バージョンになったこと、そして、「Sherlock」「Identity」「Aside」がなくなった代わりに、日本オリジナル曲「Downtown Baby」「Diamond Sky」が挿入されたこと、「1 of 1」のVCRが加えられたこと。また、アルバム『HARD』リリース前の韓国公演と違い、『HARD』への解像度が上がった状態での日本でのコンサートはまた違った感覚だった。何よりも今回は、メインボーカルを2人欠いた状態にもかかわらず、素晴らしいツアーを完走した3人の成長がまぶしかった。ミンホがいつも「皆さんが僕の希望です」と言ってくれるが、SHINeeが私たちにとっての希望だと感じさせてくれる、まさに「PERFECT ILLUMINATION」なツアーだった。
12月2日に韓国で行われた大規模音楽授賞式「MMA2023」で、このワールドツアー「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION]」が「STAGE OF THE YEAR」を受賞した。現在のK-POPを担う第4世代アーティストたちが、SHINeeのスペシャルステージを興奮しながら見ていたが、SHINeeに憧れてK-POPアイドルになったというボーイズグループメンバーも多い。授賞式でミンホが「15年間、頑張ってきました。今回の受賞はその頑張りを認めてくれ、もっと頑張りなさいという意味だと思います。SHINeeは本当にこれからがスタートです」と語ったが、15年間、常に最高を更新し続けてくれてるSHINee。次の東京ドームでは、いったいどんな姿を見せてくれるのだろう?
セットリスト
SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION]
11月29日(水) 東京・代々木第一体育館公演
Chemistry
Dream Girl (Japanese Ver.)
Heart Attack
Like It
Atlantis
Sweet Misery
CØDE
Good Evening
Don’t Call Me (Japanese Ver.)
Body Rhythm
JUICE
Everybody
View
Downtown Baby
The Feeling
Replay
Love Like Oxygen
Diamond Sky
Kind
Selene 6.23
An Ode To You
An Encore
-ENCORE-
HARD
Hitchhiking
Runaway