2023.08.22 12:00
2023.08.22 12:00
どんな経験でも活かせるのがこの仕事の良さ
──ドラマ、舞台、映画とさまざまなジャンルで活躍されている麻生さんですが、映画というのはどういう位置づけですか?
なんだろう……「帰るべき場所」的なことを、今回の作品では思いました。久しぶりに映画の現場をやらせていただいて、やっぱりこの空気が好きなんだな、と。
──やはりそれは、キャリアのスタートの際に数多く映画作品に出られていたり、注目されるきっかけになったのが映画作品だったりとか、そういうことも関係しているのでしょうか?
特に数えてないんですけど、私結構やってるんですよ、映画(笑)。かなりの本数に多分出ていて、若いときは出演のほとんど映画だった時期もあり……それもあるんですけど、やっぱり落ち着くんですよね、映画の現場は。
──今作の「春」のように明るく芯の強いキャラクターも演じられれば、舞台、特に岩松了さんの作品では精神的に不安定だったりするような役柄も多いですよね。観客側からすると難しい役柄にも見えますが、どうアプローチされているのでしょうか?
そうですね……岩松さんの作品、私も本当に大好きで。参加させていただくと本当に日々いろいろな発見があるといいますか、どんなに稽古をしても、自分の中で「完結しない」んですよ。大変ではありますけど、そこがもう楽しくてしょうがないんですよね。
──お話を伺っていると、どんな役柄や現場でも楽しまれているように思えます。近年で大変だった現場などは?
何だろう……何かあったような気がします、でも大抵そういうふうに思うのって、セリフが多い役ですね(笑)。そんなに簡単にセリフが入っていかないし、覚える時間もなかなかなくて苦しい、ということはあるはあるかな。でも、それ以外は役柄でもなんでも、そんなに苦しくて大変とか、やりたくないということはまずないんですよ。今は子育て中ということもあり参加できる条件は限られることが多いんですけど、「全力投球したい」と思える作品との出会いはいつでも待ってますし、そうなったら頑張ります(笑)。
──お子さんお2人を育てながらの俳優業ということで、一時期はやはりお仕事をセーブされていたのでしょうか? 昨年は舞台『ドライブイン・カリフォルニア』に出演されたり、今作も地方ロケのある映画作品ですし、活動の幅を再び広げつつある時期なのかな? と思いました。
確かに、子育てをしながらだといろいろ大変ですね。ただ下の子が小学生になったので、これからちょっと仕事がしやすくなってきたかな? という感じです。舞台は毎日ありますけど、終演時間も決まってますし、大体同じ時間に必ず帰れるので、意外と楽だったりするんですよ(笑)。午前中も使えるので、子育てとの相性は意外と悪くなかったり。逆に、映像作品は大変ですね! 地方ロケもそうですし、ドラマで3ヵ月朝夜びっしりとかなるとなかなか……。なので「主演作品をたくさんやる」とかは無理になりますし、どうしても参加する形を考えないと難しいというのはあります。ただ、そういう現状に焦りを感じたりということはなく、「今できることをやればいいかな」という感じなんですよ。
──年齢を重ねてきて、求められる役柄等の変化などは感じられますか?
母親役を演じることがもう自然になったというか、抵抗感がなくなってきましたね。少し前までは母親役なんて早いかも……という気持ちがどこかにあった気がするんですけど、でも今は全くそんなこと思わないですし。子育ての実体験が活かせますしね(笑)。そうやって歳を重ねていって、そのうちおばあちゃん役とかいろいろやるんだろうな……と考えたり。何歳になってもできるのがこの仕事のいいところだと思っているので、その年齢なりのそのときの自分を活かせれば、そう思っています。
──ちなみに今、「やりたいこと」はありますか?
なんだろう!? でもやっぱり、今回の作品がとても楽しかったので、また少しずつ映画のお仕事も増えたらなと。あとは……久しぶりに歌とか歌いたいですね、今思いついたんですけど(笑)。しばらく歌うお仕事はしていないので、やりたいなとふと思いました。オファーお待ちしてます(笑)。