本間昭光のMUSIC HOSPITAL 第12回 吉澤嘉代子
吉澤嘉代子が迎える10周年、詩で紡ぐ縁と物語
2023.07.31 17:30
2023.07.31 17:30
縁を大切に、楽しいのが一番(吉澤)
吉澤 いつも思ってるんですけど、編曲をする際に「できました」って渡しても「ちょっと全然違います」って言われることはあるんですか?
本間 あります、あります。
吉澤 そういうときって怒ったりしますか?(笑)
本間 ないですよ、それはこっちの責任なので(笑)。一応、なぜこうなったかという理由は伝えます。もちろん一番いいと思ってるものを最初に出すから。そういうときはイチから全部やり直します。どっか一部を直すより、新鮮な形にできあがるかな。
吉澤 すごい。何回まで直したことありますか?
本間 一番多かったのが7回……(笑)。
吉澤 3回ぐらいでもわからなくなるのに。
本間 デモを聴きすぎてるから、どんどんデモテープに近づいていっちゃうんです。7回はもうわからなくなる(笑)。最終的には喜んでくれたけど、変に謝られたりして。今となっては懐かしいですけどね。
吉澤 そうですよ、7回も直してもらったら土下座しちゃいそうです。
本間 だから7回までは大丈夫です!(笑)
吉澤 お願いする身としては安心感はありますよね。一緒にずっと付き添ってくれるんだって。すごい話が聞けました。人によっては、ちょっとコードを戻したいって伝えたら、「そこは違うよ」って言う方もいらっしゃるじゃないですか。
本間 一応最初に提案はするんですよ。やっぱり作った人のイメージがあるので、最初に一か八かで提案してみて「あそこなんですけど……」って言われると「やっぱりね、ちょっとあそこ試してみただけ」って(笑)。今作の制作ではそういうのありました?
吉澤 1ヵ所だけ、レコーディング中にこのコードじゃないってなったところがあって。今回は野村陽一郎さんに演奏と打ち込みをお任せしていたので、その場でコードをいろいろ探してくださって。生バンドでレコーディング終わってたらできなかった。「よかった〜!」って、あれはシビれました。
本間 シビれるのが思い出になるんですよね。昔、後藤次利さんのレコーディングを見にいったんだけど、そのときに現場でバンバン変えてたんですよ。それを見て「あ、変えていいんだ」って思いました。プロデューサーであり作曲家であれば、そこは権限でできちゃうんだなって。来年10周年ですよね? どういう1年にされたいですか?
吉澤 そうですね……本間さんは何年やられてますか?
本間 もうすぐ35年になります(笑)。でもアーティストの10年はすごいんですよ。10年目というのはとっても大切な1年になると思います。ライブが見たいですね。すごいのを期待してます!
吉澤 おしゃべりが下手なので、セリフがないと不安で。
本間 ありのままの姿でいいと思いますよ。ゆっくりでいいので、ちゃんと言葉が伝わりますから。そういう感じで10年を迎えて幸せな1年にしてもらいたいですね。
吉澤 楽しいのが一番だと思うので、ご縁を大切に。
本間 本当にいろんな方との繋がりがすごいですよね。「吉澤さんは10年目に何をやるんだろう」ってみなさん思ってるし、お手伝いしたいと思っている方も多いと思いますよ。
吉澤 嬉しいです。とっても優しく聞いていただいて……。