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バースデーケーキで自らを祝い正式に音楽活動再開

葉菜子、ネガティヴを“愛”に転化し歌った1年3ヵ月ぶりの復活ライブ

2022.10.02 17:00

2022.10.02 17:00

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葉菜子が2022年9月11日(日)、ワンマンライブ「葉菜子バースデーワンマン またお愛しましたね。」を東京・下北沢SHELTERにて開催した。

2期BiSのメンバーとしてデビューし、グループ解散後は音楽プロジェクト・Her knuckleとして活動を始めた彼女。2021年6月3日に「Her knuckleを“発展的な意味”で卒業します」と宣言し、葉菜子名義でアーティスト活動をスタートさせたが、6月19日のソロ初のワンマンライブ「A REALITY OF REALITY」をもって突然の活動休止することを宣言した。

同年9月から3ヵ月連続で作詞とアートワークを自身で手掛けた配信シングルをリリースするなど、活動休止という言葉に縛られない活動をしつつ、2022年7月からはBezzyでの連載「華々しき憂鬱」を始めるなど表現活動を再開、約1年3ヵ月ぶりとなる今回のワンマンライブをもって、葉菜子は正式に音楽活動を再開させることとなった。

「葉菜子バースデーワンマン またお愛しましたね。」が開催された
東京・下北沢SHELTER

会場の下北沢SHELTERに足を踏み入れると、ステージ上にはラグジュアリーなチェアと宝箱などが設置されており、レトロな洋風の雰囲気が漂っていた。開演時間になると、ポストパンク調のイントロが流れ、葉菜子が登場。飛び跳ねながら観客にクラップを促すと、「1.2.3.4」というカウントともに、昨年11月に配信リリースした「きみに届け」でライブをスタートさせた。時折、ステージ上の椅子に腰掛けつつ自由に動き回るも、久しぶりのライブとあってか表情は少し硬いように見える。

瓶に入った飲み物を飲み、再びクラップで観客を煽りながら同曲を歌い終えると、「どうもありがとう! こんばんは! 存分に愛しあいましょう、よろしく!」と伝え、昨年10月に配信リリースした異国情緒漂う「ファッキンクソノスタルジーと言いたい」へ。ビートの強いトラックの上で、芯のある声、かわいらしい歌声、ラップと、いくつもの表情を見せていった。

「本日はやっと1年と3ヵ月ぶりに、みんなの前に現れましたがいかがですかね?」と、観客に尋ねると大きな拍手が彼女を包む。

「ちょうど1年前の明日(2021年9月12日)にリリースしたのが、次にやる「嫌になってきた」って曲で。活動休止中に歌詞を書いたんですけど、リリースしたときのコメントには「特になにも考えず適当に書きました」って書いていて。本当は、全然そんなことなくて、すごくネガティヴな気持ちで書いていたんですよね。「嫌になってきた」ってことで自分の念を押したつもりではあるんですけど、嫌だなと思って書いたんです。でも最近はそういう気持ちじゃなくなってきて。この1年と3ヵ月活動休止して、みなさまの温かいご声援やあたたかい言葉たちをいただき、もっともっと未来に対してがんばろうと思って、そんな曲になりました。みんながきっと育ててきてくれたなと思った曲です。歌います」

葉菜子

1年3ヵ月ぶりのライブ会場に足を運んでくれたファンに向け真っ直ぐで素直な気持ちを語ると、テクノポップ調の「嫌になってきた」を披露。落ちサビのアコギサウンドとともに歌われる「本当のお話 私昨日死んだ」という歌詞を、当時の想いとは違う気持ちで歌っているのだろう。最初の固かった表情はもうなく、純粋に楽曲を歌うピュアさが満ちていた。

昨年配信した3曲を歌い終えると、エレキギターを持ったサポートメンバーが登場、カバータイムへ。れをる「1LDK」、JUDY AND MARY「そばかす」、テレビアニメ『おジャ魔女どれみ』のオープニングテーマ「おジャ魔女カーニバル!!」と、葉菜子が影響を受けたであろう楽曲をエレキギターの演奏に乗せて歌っていった。テーブルの上にあった瓶に入っている飲み物を持ちながら「アルコールじゃなくてお水なので安心してくだい」とはにかむ様子を見せるなど、ファンの前でライブができることが嬉しいのだろう。

葉菜子にとってのオリジナルソングが現状3曲しかないこともあり、カバー3曲を歌い終えると、「次で最後になっちゃうんですけど、新曲を用意してきたので聴いてくれますか?」新曲をパフォーマンス。ハイパーポップ調の楽曲で、明るくノリのいいサウンドに観客たちも手をあげて盛り上がり、約30分のライブ本編は終了した。

鳴り止まない拍手に応えアンコールで登場した葉菜子はグッズの紹介へ。一通りグッズを説明し終えると、突如「ハッピーバースデー」の楽曲が流れ始め、葉菜子は「あれ?」といいながらステージから下がり、自分でバースデーケーキを持って登場。自ら火をつけて、一瞬で吹き消した。観客から拍手と笑いが起こると、「やってみたかったのでやりました(笑)」と語り、このタイミングで曲を流すなど全部自分で指示していたことを明らかにした。そして、葉菜子ワールド溢れた世界観の中、誕生日が今日ではなく明日であることも伝えた。

自分でバースデーケーキを用意し火をつける

「今日人が来ないかなと思っていたけど、来てくれて本当によかったです。うれしいです。しかも私のこと大好きな人でしょ? 私もあなたのことが大好きです。自己肯定感の低い人どうですか? 私はあなたのこと大好きですよ。今日はありがとうございました。またお会いしましょう」とファン1人1人に愛情と感謝の気持ちを伝え、再び新曲を披露。

同楽曲を歌い終えると、「お知らせがあります!」と、10月2日にO-EASTで開催されるカミヤサキ主催の音楽イベント「ミヤ・ファンタスティック・カーニバル」のオープニングアクトを務めること(※本記事公開時には終了)、12月5日にワンマンライブを開催すること、それに合わせて全部新曲のEPを発売することを発表した。

そして最後は、ギター、ベース、ドラムとバンドメンバーが登場し、バンドスタイルでオールディーズナンバー「テキーラ」を披露。どうしてこの曲が選ばれたのかはまったく不明だが、葉菜子はピアニカで主旋律を演奏し「テキーラ」と明るく叫び、ハッピーなムードの中、「本日はありがとうございました!またお会いしましょう!」という言葉を残し、約1年3ヵ月ぶりとなる今回のワンマンライブは幕を閉じた。

ピアニカで「テキーラ」をバンドメンバーとともに演奏

わずか1時間足らずのワンマンではあったが、自らのピュアな部分をストレートに届けていたのが強く印象に残ったライブだった。活動休止中に作った楽曲3曲の歌詞を聴いていると、彼女の中での閉塞感や行き場のない想いのようなものがあったと推察してしまうが、そうした気持ちもこの日のMCで語っていたように、別の意味として捉えてステージに臨めるようになったのだろう。楽曲を歌う、ステージ上の演出を行うなど、表現することへの喜びをストレートに見せていた葉菜子。この先も、音楽とともにさまざまな表現を存分に描いていってほしいと思うワンマンライブだった。


All Photo by KRYwithコモレ

セットリスト

1. 好きなことで食って生きたいのに才能とか親とかで葛藤して結局可もなく不可もない人生を選ぼうとしてる ~きみに届け~
2. ファッキンクソノスタルジーと言いたい
3. 嫌になってきた
4. 1LDK(カバー)
5. そばかす(カバー)
6. おじゃ魔女ドレミ(カバー)
7. 新曲

アンコール
1. 新曲
2. テキーラ(カバー)

葉菜子のコミュニティはこちら

葉菜子の窒素

葉菜子の窒素

入会してくれるファンへ葉菜子からのメッセージ:
ラーメンは美味い。美味しくて、美味い。だけど冷めるとそうでもない。伸びすぎると、そうでもない。葉菜子はどうだ。熱くても冷めてしまっても葉菜子のままだ。葉菜子は、葉菜子のままなのだ。

入会はこちら

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唯一無二なミラクルアーティスト「葉菜子」

1999年9月12日午前5時、予定より早め生まれ。北海道出身、10代で上京したのち、音楽グループBiSのメンバーとしてデビュー。
グループ解散後は葉菜子に名義を改め、アーティスト活動を展開、2021年9月に配信リリースされた楽曲「嫌になってきた」をリリース。
楽曲の作詞はもちろん、アートワークも自身で手掛け、直感を解放するかのような作品を手掛けるハイブリットアーティスト。
ドラクエが大好き。

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    #浅井健一

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