2022.10.10 17:00
2022.10.10 17:00
出せるうちにCDのフォーマットで遊びたい(NAOTO)
──まさに今回2枚組になっていて、Disc 2には2018年からリリースしてきた配信シングルの曲が入っているわけですけど、この分け方で2枚組にするって発明だなと思って。だって、全部で14曲だったら別に1枚でもできるボリュームだったと思うんですよ。でもあえて2枚組にしたのはどうしてなんですか?
NAOTO これは、本当におっしゃったように1枚14曲で全然よかったんですよ。むしろそれでもいいかなと今も思ってる(笑)。物理的にも分数的にもね。ただ、Disc 1に入ってる曲たちを見たら、14曲バッと並べたときにちょっと埋もれるというか、どうしても明るい部分と暗い部分の陰影差がありすぎちゃうのかなと思って。それでどっちつかずになるんだったら、わかりやすく1枚目はちょっとダークじゃないけど、そういうキャラですよ、こっちはわかりやすいですよって分けたほうが、僕らが説明しなくてもわかるんじゃないかな、という。あとはCDというものが本当にいつまで出せるかわからないから、出せるうちにCDのフォーマットで遊びたいっていう。2枚組って単純に、僕らの世代にとっては嬉しいじゃないですか。それがいつまでできるかなって考えたら、やっといた方がいいんじゃないかなという。面白みですよね、開けてのお楽しみっていう。
RYO 曲のキャラもそうだけど、ディスクごとのキャラも分かれるのがフィジカルとしてわかりやすく視覚から感じられるので。それが楽しかったじゃないですか、僕らがCDを買ってた時代って。若い子たちもこれを見て、そういうのを感じてくれたら嬉しいなと思います。
──だから、Disc 2に入ってる曲たちはすでに聴いている曲じゃないですか。とくにここのところは、たとえば「Family」とかのイメージが強かったと思うんですよ。そのイメージでDisc 1を聴くといきなりパンティーですから(笑)、その面白さはありますよね。さらにいえば、僕はDisc 1を聴いて「ORANGE RANGEが帰ってきた」っていう感じもしたんですよ。前作の『ELEVEN PIECE』からもまたサウンド感が変わりましたよね。
NAOTO そう、僕が意識してたのともかなり変わりました。『ELEVEN PIECE』を出して、漠然と次のアルバムの構想とかキャラクターっていうのは見えてたんですけど、いかんせん状況が変わってきて、いろいろ考えるタイミングもいっぱいあったので、そこで全く違うものにはなりました。見つめ直すタイミングでもあったし、自分たちの過去の作品を聴き返したりとかもしたし。で、何かまだやっていないことをもっとやりたいという発想に変わりました。コロナでずっと何もできなかったから、いい機会だなと思って、やりたかったこととか、実験的なこととかをやって世間の反応を見たいとか、そういう曲をやる方向になりました。
──そうなんですよね。「Pantyna feat.ソイソース」とかも、世界観としてはORANGE RANGEらしいサマーチューンなんだけど、音の部分でいうと決してそうではないっていう。どの曲もそうなんですよ。すごくコアな、マニアックなところに行きつつも、でもムードはちゃんとORANGE RANGEになっている。
RYO そうですね。「トカトカ」なんかもわりと新しいやり方だったんです。ボーカル陣もリリックは自分が書いて、HIROKIに「こう歌える?」ってディレクションとか、構成もいつもはリーダーに任せてたけど、ボーカル陣から「こうしたい」とどんどん言っていくっていう。それは新しかったですね。いつもリーダーがたたき台を出したものに乗っかっていくようなイメージなんですけど、その順番が逆になっていくような感じだった。そういうことができたのはかなりよかったな。
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