ロックンロール“Brother”によるトーク・セッション
ジェットセイヤ×高岩遼、現代のDIYロックンローラー対談
2022.07.10 17:00
2022.07.10 17:00
やりたいことを言わないと始まらない(セイヤ)
──高岩さんが改造おもちゃを作り始めたきっかけは?
高岩 そもそも空間を作るのが好きで、子供の頃の秘密基地もこだわりまくって、1か月かけて作ったりとか、ジェットコースターを作ったりとかしてたんですよ。
セイヤ えぇっ、ジェットコースター!?
高岩 そう、ソリと材木で作りました。あと、自分の部屋を射的場にして、仲間を集めて10円でやらせてみたりしてました。そういうのが好きなんですよ。ライブのフライヤーも上京した頃から変わらず、今もiPhone使って、自分で作ってるんですけど、3年ぐらい前かな。タカイワールドっていう僕のクソくだらない物販サイトを作ったんです。ZIPPOじゃなくて、JAPPOってライターを、IPPUKU JAPANって文字をちゃんとした彫金屋さんで入れてもらって作ったり、昔懐かしい車のエアフレッシュナーを作ったり、ほんとそういうくだらないグッズを作ってたんですよ。そういうひと笑いが好きなんです。改造おもちゃもその流れですね。
小学生の頃から母親が心配するぐらいスプラッター・ムービーが好きで、『エルム街の悪夢』のフレディの鉤爪を自由研究で作ってたんですけど、そういう毒々しいサイケデリックな世界観と、小1からスケボーやってたからスケーターの適当でいいじゃんってノリがリンクして、別にセルアウトするわけでもなく、自己満足のためだけにやるっていう。で、改造おもちゃをしばらく作ってたんですけど、タカイワールドで売ってみるかって売ってみたら、売れたんですよ。もちろん、ワンオフだから量産はできない。それで3万円ぐらいの値を付けても売れる。それが3年ぐらい前ですかね。ディテールにこだわりたいから、保証書付きなんですよ。10万円ぐらいのフィギュア買うと保証書が付いてくるじゃないですか。送るとき、箱に入れる緩衝材も、『トイ・ストーリー』に出てくるやつわかります? アスパックサラサラって言うんですけど(笑)、それを売ってる唯一の日本の会社があって、段ボールにそれとおもちゃと保証書を詰めて、おもちゃ屋のロゴのガムテープで封をして。ノリはセイヤ君と一緒ですよ。
セイヤ ワクワクするよね。自分の脳みそで考えたものが物になった時って感動があるよね。最近、ドラミュータントっていう自分のキャラクターが立体化になりまして。それができた時の感動はでかかったですね。うわっ、この世に出てきたって(笑)。全部叶いますね。やりたいことは。でも、やりたいことを言わないと始まらない。それをやるために生きてます。でも、1人でやっているわけではないんですよ。作ってくれる仲間もいるし、Brotherみたいに作った物を置いてくれるお店もあるし。この前、名古屋で個展やらせてもらったんですけど、それも「うちでやればいいじゃん」って言ってもらえたんですよ。似た者同士が楽しくやっているって感じですね。
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