ロックンロール“Brother”によるトーク・セッション
ジェットセイヤ×高岩遼、現代のDIYロックンローラー対談
2022.07.10 17:00
2022.07.10 17:00
ロックなんてクソだぜって思ってました(高岩)
──お2人共通のフェイバリット・ロックンローラーは?
高岩 リズム&ブルース系のロックンロールが好きですね。だからエルヴィス・プレスリーとか、エディ・コクランとかの前ですね。
セイヤ あぁ、ほんとにロックンロールが生まれた頃の。リトル・リチャードとか?
高岩 そうですね。あのへんです。レイ・チャールズ含め。
セイヤ そのへんは、きっと共通してるよね。
高岩 たぶん、J-R&Rも。キャロル然り、クールス然り、(横浜)銀蠅さんも含め、日本不良みたいなのも(笑)。そっちの文化もセイヤ君、すごい好きなんじゃないかな。バイクもお互い国産じゃないですか。そこらへんも似てるんですよね。
セイヤ そう。似てる! 俺がSUZUKIのGS1000、遼がYAMAHAのXS650。2人とも国産の旧車に乗ってる。
──日本不良か。でも、おふたりの年齢を考えると……
セイヤ 親父の世代ですよね。でも、ロックンロールが好きでルーツを辿っていくと、絶対、そこに行くんですよ。もちろん、親父の影響もあるんですけど、やっぱりキャロルには行きますね。
高岩 やっぱりキャロルですよね。
セイヤ 自分はギターウルフが一番、もうDNAに入ってるくらいの感じで好きなんですけど、ギターウルフがキャロルの曲をカバーしているんで、自然に、あ、キャロルの曲なんだっていうのは小さい頃からありました。
高岩 僕はずっとBボーイだったんで、中学校はダンスみたいな。頭にバンダナを巻いて、エアガンをだぶだぶのパンツに入れて、サティに遊びにいくっていう(笑)。ただ、母がハード・ロック好きで、クイーンとかスコーピオンズとか、そういうのは車で聴いてたんですけど、ロックなんてクソだぜって思ってました。でも、上京してきたら、元THE THROTTLEのギタリストで、僕が大学1年の時、5年だった向後(寛隆)さんって兄貴がいて。その人、青森の人で、HONDAのクラブマンに乗ってたんですけど、ある時、「うちでVHSでも見ようぜ」って誘われて、見せてもらったのがキャロルの解散ライブだったんですよ。日比谷野音の。「これ、舘ひろしだぜ。インタビューしてんの」って教えてもらって、うわ、かっけーってなりました。だから逆なんですよ。元々、ロックを聴いていて、ヒップホップやりますってラッパーがいますけど、俺はまったく逆。それがすごく新鮮だったんです。バイクとか、映画とか、元々、ツッパリ系の文化が大好きだったんですけど、改めて、これだなって、それまで坊主だったんですけど、そこから髪の毛を伸ばしました(笑)。あの時キャロル見てないと、俺THE THROTTLEやってないです。
──ところで、セイヤさんはグッズを作ったり、絵を描いたり、高岩さんは改造おもちゃを作ったりしているじゃないですか。音楽と同じぐらい、そこに注いでいる情熱について聞かせてください。
セイヤ 中学生の時、ジョーン・ジェットがセックス・ピストルズのTシャツを、スプレーを使って、自分で作ったのを見て、俺も作ろうと思って、100均で買ってきたクリアファイルをくり抜いて、スプレーで無地のTシャツにやってみたんですよ。そこで、できた!って感動して、自分のオリジナルのTシャツを作ろうって作り始めてから、今もその手法で作り続けてます。缶バッジも、缶バッジが作れる缶バッジグーっておもちゃを買ってもらって、絵を描いて作ってました。その延長上でしかないです、今も。たくさん作っちゃうんですよ。だから、それを友達に配布してるんです。それがずっと続いている。ほんと趣味なんですよ。いろいろな人が、良いね!って言ってくれるから、作りますよ!ってTシャツを作ってプレゼントしたりしてたら、バニラズのライブに来てくれるお客さんも欲しいですってなったんで、じゃあ、みんなの分も作るわ!って感じです。中学生とか、高校生とかに俺のグッズを持っててほしいですね。
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