ロックンロール“Brother”によるトーク・セッション
ジェットセイヤ×高岩遼、現代のDIYロックンローラー対談
2022.07.10 17:00
2022.07.10 17:00
止まってない者同士、車かバイクかで、高速道路にいた(セイヤ)
──お2人の出会いはいつ頃、どんなきっかけで?
セイヤ 7、8年前なのかな。10年ぐらい前、路上ライブをやっていたTHE THROTTLEの噂を聞いたり、映像で見たりして、おぉ、かっこいいと思って、ライブを見にいったんですよ、ライブハウスに。“NEW SAMURAI ROCK’N’ROLL”って言ってたんだよね。
高岩 言ってましたね(笑)。
セイヤ で、遼と会って、喋ったんですけど、コロナ禍に入ってから絡みがめっちゃ増えました。それまではお互い音楽活動をずっとやってたんですけど、コロナ禍でストップしたじゃないですか。でも、その時、動いてたんですよ。高岩遼は。俺らバニラズもずっと配信とかでもライブやってましたし、止まってなかったんですよ。止まってない者同士、車かバイクかで、高速道路にいたんですよね。気づいたら横を走っていて、じゃあ、ちょっとパーキング寄る?って感じでできたのが、この場所なのかな。遼から、おもちゃ屋さんを作るって話を聞いて、それ最高やねって思いました。自分も前から缶バッジとかTシャツとか、雑貨を作ってたんで、「良かったら、俺の作ったやつ置かしてくれん?」って言って、置かせてもらったりしているんで、最高な場所を作ってくれたなって。
高岩 いやいやいや、うれしいな。
──高岩さんがBrotherを始めたきっかけは?
高岩 最初は5人まで泊まれるホステルだったんですよ。コロナ禍のタイミングでやるのがウケるなと思って、そのひと笑いのために、俺、生きてるようなもんなんで(笑)。そしたら、やっぱりホテルは人が来なくて、家賃だけ払ってる状態だったんで、どうしよう? じゃあ、古物商の免許を取って、おもちゃ屋でもやるかって。そもそもおもちゃ大好きだから、それでやり始めたのが3か月前ですよ。
──ところで、出会った時のお互いの第一印象は?
高岩 もちろん、バニラズは知ってたし、セイヤ君の存在も知ってたし。ライブでシンバルを投げたりするから、けっこうパンクな人なんだろうなって。その頃は俺もギラギラしてたから、ひょっとしたら一触即発!?なんて思ってたけど(笑)、実際会ってみたらめっちゃ良い人だった(笑)。
セイヤ 俺も、THE THROTTLEの音源を聴いて、うわ、こんな奴がいたんだって思った。ロックンロールを打ち出す同年代の仲間ってほとんどいなかったから、いた! 会いたい!って思ったんだけど、もちろんライバルとして意識してたよ。
高岩 恐れ多いです。ありがとうございます。
セイヤ で、ライブを見て、楽しそうだったから、本当にロックンロールが好きなんだなってめっちゃ伝わってきて、その時、物販でステッカーとコームを買ったんだけど、ステッカーはヘルメットに貼って、コームは今も使ってる。
──意気投合したのは、やはりお互いにロックンロールが好きというところが大きかったんですか?
セイヤ そうですね。それもあるんですけど、THE THROTTLEってここでレコーディングしてるんですよ。
高岩 そうです。自分達だけで。
セイヤ そういうスタイルもおもしろい。俺も今、宅録でソロの音源を録ったりするんですけど、自分のガレージでバイクが置いてあるすぐそばでギターを弾いたりするんです。
高岩 最高ですね。
セイヤ そういう音楽に対する価値観も近いんだよね。思ったことをすぐ実行したいんです。ぱっと思いついたら、今、録りたい。そういう感覚は一緒だと思います。
高岩 もちろん、音質はクソなんですけど、それはそれで良いよねっていう。
セイヤ そもそも俺はそういう音楽が好きで、育ってきたんで。それがロックンロールの初期衝動なんで。
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