濱口竜介、梶裕貴、こたけ正義感らの推薦コメントも到着
親友だけど正反対、岸井ゆきのが森田望智から恋を学ぶ『すべて真夜中の恋人たち』本編映像解禁
2026.11.07 18:00
©2026『すべて真夜中の恋人たち』製作委員会
2026.11.07 18:00
11月13日(金)に公開される岸井ゆきの主演映画『すべて真夜中の恋人たち』の本編映像が解禁された。
原作は、国内累計発行部数40万部を突破している芥川賞作家・川上未映子の同名小説。川上の長編小説で初の映画化となる本作は、岨手由貴子が監督・脚本を手掛け、第79回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されるなど海外からも称賛を浴びている。
主人公は、孤独に生きてきたフリーの校閲者・入江冬子〈いりえ・ふゆこ〉。普段から人付き合いを避けている冬子は、飲み会でも周囲の会話にうまく加わることができず、数少ない友人の石川聖から「冬子っていつも何してるの?」と尋ねられても、誕生日でさえ特別なことはせず、毎年ただ真夜中に散歩をして過ごしていると答えていた。しかしそんな冬子の日常は、ある日ふとしたきっかけで年上の物理教師・三束〈みつつか〉と知り合ったことで、少しずつ変化していく。
キャストでは岸井ゆきのが冬子、浅野忠信が物理教師・三束役を務める。共演には森田望智、深川麻衣、塩野瑛久ら実力派俳優が名を連ねるほか、松坂桃李が語り役として声のみで出演し物語に奥行きを与えていく。
解禁された本編映像は、冬子(岸井ゆきの)の友人であり仕事相手でもある石川聖(森田望智)との何気ないやりとりを切り取ったワンシーン。寿司を食べながら、恋人ではない男性とサムイ島へ旅行に行った聖の話を聞く冬子が、ふたりの関係について「どうして付き合わないの?」「どういう“好き”なの?」と問いかける。しかし、聖から訝しげに「こういう話にのってくるの珍しいね。何かあった?」と聞かれると、何事もなかったように「ううん」と目をそらす冬子。日に日に三束に惹かれていく冬子が、聖の恋愛観に初めて興味を示す様子が切り取られている。
仕事を通じて知り合った冬子と聖だが、性格は正反対。他人と関わらず何もない日々をひとりで過ごす冬子に対し、誰にでも物おじせずに自分の意見を言う聖は、恋人未満の相手が複数いる奔放な女性だ。いわゆるコミュ障のこじらせ女子・冬子と、肉食系サバサバ女子に見える聖。前作『あのこは貴族』でも正反対の女性ふたりのシスターフッドを描いた岨手監督が、本作でも異なる魅力を放つ女性ふたりの関係をエモーショナルに描き出している。

一筋縄ではいかない複雑なキャラクターである聖を演じた森田望智は、カンヌ国際映画祭の上映でSCREENDAILY誌から「森田望智は“隠れたMVP”とも言うべき存在感だ」と絶賛を受けた。岨手監督は「聖役は彼女の多面性を切実に表現できる方がいいと思い、森田さんにお願いしました。上司に突っかかったり、冬子に甘えてみたり、恋人ではない男を冬子に会わせたり、壊れるまで愛を試したり……聖は登場する度に違う面を演じなければならない難役ですが、森田さんは露悪的になることなく繊細に演じてくださいました。さすがです」と、絶対の信頼を置いていることを明かしている。
また、公開に先駆けて映画を鑑賞した各界の著名人から推薦コメントも到着。コメントを寄せたのは映画監督の濱口竜介、声優の梶裕貴、お笑い芸人のこたけ正義感、イラストレーターの中村佑介ら13名となっている。
コメント一覧
濱口竜介(映画監督)
孤独によって切り出された欲望の結晶を煌めかせる、岸井ゆきのの瞳。
その欲望の投射されるスクリーンであり続ける、浅野忠信の佇まい。
両者が圧倒的に素晴らしい。
しかし「光」についての映画をつくってしまう岨手由貴子の繊細なる剛腕に、何より驚嘆した。
中村佑介(イラストレーター)
これは冬子さんによる私小説。
誤字も脱字も校閲者の手の届かない、
この世でたった1冊の勇敢な光の軌跡です。
ラブリーサマーちゃん(ミュージシャン)
私たちの本当の恋愛映画。
であると同時に、本当の仕事映画。
どんな恋をしても日々仕事があります。事に仕えると書いて、仕事です。
そのことがどんな薬になるか。
仕事も恋も散々やりまくります。
そういう人生を愛してます。
梶裕貴(声優)
誰かを想うとき、孤独は消えるのだろうか。
それとも輪郭を変えて、そこにあり続けるのだろうか。
真夜中にしか見えない光がある。
その光を、映画館で見つめていただけたらと思います。
蛙亭 イワクラ(お笑い芸人)
大人の素敵な恋を観させてもらえるものだと思って観たら全く違いました。同世代の女性以外にも、冬子のような男性にも観て欲しいです。冬子に自分を重ねてしまう男性としか私は仲良くなれないです。
たかはしほのか(リーガルリリー)
目を瞑ったときに、闇からのぞく光に顔色があるきがした。
かなしみも、すべてやさしそうな笑顔に見えた。
映画を観たあと、
じぶんの歩幅で、近所の夜道を散歩してみようと思った。
安堂ホセ(小説家)
光という、それについて知ったところでおよそ救いも収穫もない何かについて
それでも知りたいと望む好奇心こそが「恋愛」であるという川上未映子の仮定は、
いつしか日本人の原風景としてフィルムに定着した。
こたけ正義感(お笑い芸人/弁護士)
小説の中で響いていた音楽が、煌めいていた光が、心の揺らぎが、とても誠実に映し出されていた。
見終わった後、うまく息ができなくて、目を瞑ってあなたの名前を呼んだ。
絶対に終電を逃さない女(文筆家)
なぜか自分だけが傘を持っていないみたいな世界で、引きこもって生きてきたけれど、
あなたに会うためなら雨に降られてもいい。
そうして外へ踏み出すかけがえのない一歩を描いた映画。
朱喜哲(哲学者)
ウィトゲンシュタインがさまよった迷宮の、その出口へと導く微かな「光」が、ここにはある。
バラバラな世界で、借り物の言葉で生きるほかない私たち皆にとって導きの糸になるだろう傑作。
「究極のラブストーリー」とは、すなわち他者論なのだ。
宮木あや子(小説家「校閲ガール」)
文章を読んではならない、その先の世界とは繋がれない「ただ存在するだけの文字たち」に溺れるような彼女の孤独の中、一筋の光が射しこんだと思ったのに。
椹木野衣(美術批評家)
原作に灯された目に見えない光が、見事に可視化された。
牟田都子(校正者)
言葉は不自由なもので、私たちの間にあるへだたりを埋めてはくれない。それでも、どうにかしてもっと近づきたいともがくように言葉を口にするときの気持ちを、思い出さずにはいられなかった。
芦澤明子(撮影監督)
16ミリフイルムのざらつきと柔らかさが、作品の血肉に加わって、
表現がすごく豊かになっている。
冬子の髪の毛一本一本、爪の先までいとおしくおもえる。
映画『すべて真夜中の恋人たち』場面写真 Ⓒ2026『すべて真夜中の恋人たち』製作委員会
