2026.04.19 13:00
日向坂46「7回目のひな誕祭」より © Seed & FlowerLLC
2026.04.19 13:00
グループの生誕を記念する単独公演「ひな誕祭」も今年で7回目。横浜スタジアムを会場としてからは4回目となった。2日目公演のリピート配信が4月19日の18時からと目前に迫る中、本公演をもって8年目の扉を開けたグループがおひさまへ指し示してくれたものとは、改めてここで振り返ってみたいと思う。

開演直前、横浜スタジアムを埋め尽くすおひさまたちにメンバーからライブ中の諸注意を告げる影アナが流れる。今回こちらを担当していたのは正源司陽子と大野愛実だ。正源司が大野へ「調子はどう?」と聞くと「(アナウンスは)噛み噛みだったけど…絶好調です!」とのこと。続けて「おひさまの声が全然聞こえない」とイタズラめいた口調で会場を煽り立てれば登場前からおひさまたちの身体と心はすっかりヒートアップだ。セットはトラスで組み上げられた巨大な“H☆7”のモニュメントと、ステージ横のモニターの上に今回のテーマ“ROCKESTRA”のネオンを設置。昨年行った全国ツアーは“MONSTER GROOVE”をテーマに過激にチューニングされたダンス仕様のセットリストだったので、そちらを経ての“ROCKESTRA”とは、またどういったものを観せてくれるのか。期待が高まる。

曇り空を割る様に「Overture」が高らかに鳴らされると、メンバーにあそこまで煽られてはやるしかないと気合い十分のおひさまたちが盛大なコールで応える。まずは小坂菜緒がゆっくりと登場し、おひさまたちへ一礼。そのまま身を半回転させ客席に背を向けると、なんとその先にはバンドセットとブラスセクションが鎮座しているではないか。小坂が手にした指揮棒を振るとふくよかな生楽器の鳴りが場内を包み込む。
重厚にして温かなグルーヴで鳴らされるファンファーレのような調べにうっとりしていると、ステージ後方にセットされた階段からメンバーが合流。この編成のまま1曲目として披露された生楽器アレンジの「世界にはThank you!が溢れている」の多幸感がもう、初手にして完全に勝負ありといった掌握力であった。メンバーそれぞれが柔らかな笑みを浮かべ、言葉ではなく楽曲として今日この日を迎えられたことへの感謝とおひさまたちとグループの生誕を祝える喜びを優雅にパフォーマンス。“MONSTER GROOVE”で観せてくれたバキバキの躍動感とは打って変わって、というよりもそちらを経て到達した新たな地点というべきか。

パフォーマンスは柔らかく、軽やかではありながらも、一挙手一投足がより一層しっかりと地に足がついている。生楽器と呼応させつつ、アンサンブルの重厚さを凌駕するしなやかさと力強さには目を見張るものがあった。2024年12月の東京ドーム公演で卒業生の丹生明里から曲中に直接その座を継承した山口陽世がセンターを務める「One Choice」でスピーディーに駆け抜けると、勢いそのままに山口が渾身の煽りでおひさまを熱狂させる。その口上が口火を切った「愛はこっちのものだ 2025」では、メンバーが次々におひさまたちへ煽り文句を連発。まだ3曲目なのにも関わらず、もうアンコールを観ているかのような凄まじい盛り上がり。元々歌メロがとても細かい譜割りで構成されている楽曲である上に、さらに追加されるメンバーの煽りとそれに喰らいつくおひさまのコールや歓声が混濁し、ハマスタは序盤から大混乱。メンバーもおひさまも完全にどうかしてしまっているくらいの異様なテンションであった。

続いて今回トロッコの代わりとして用意されていたロンドンバスに乗り込みアリーナを周遊しながらの「君しか勝たん」では、サインボール(?)を客席へ投げ込みつつのお祭り騒ぎ。水滴のSEで場内に一瞬の静けさをもたらしてからの「アザトカワイイ」で再び沸点へと引き上げるカタルシスが続き、金村美玖のソロダンスからノンストップで雪崩れ込んだ「ってか」の間奏部、ステージ左右に高く上がる火柱と真紅のライトに照らされながら激しく舞い踊るメンバーが見せた笑顔には一種のトランス状態のような凄みまで感じさせられた。そこは“MONSTER GROOVE”が出ちまってる(笑)と思ったが、でもそれがまた、たまらなくカッコいいのだ。目下最新シングル表題曲である「クリフハンガー」もここで早々とドロップ。疾走感に長けたトラックとサビで抜けるファルセットの高音が実に爽快なナンバーである。

出し惜しみのない表題曲のラッシュの次は期別楽曲のブロックへと移る。ライブにおいては時に表題曲に勝るとも劣らない威力を発揮する期別曲だが、まずは五期生曲、片山紗希センターの「好きになるクレッシェンド」。事前にアップされていたコール動画でおひさまの準備はすでに万端。その上にMV衣装を模したホッケーシャツに身を包んだ五期生たちがロンドンバスの中から再度復習のコーナーを設けてくれていたのだ。このキュートで粋な計らいにおひさまたちは大喜び。満を持して披露された曲本編ではもちろん、イントロの英語歌詞とメンバーのニックネームのコールがバッチリと決まる。新たなキラーチューンへと成長していく予感に満ちた一体感であった。

続いては白のオフショルのトップスにデニムにヒールのサンダルという爽やかな装いで四期生が登場。セレクトされた楽曲は期別の新たな夏曲「Surf’s up girl」。センターの竹内希来里が曲中に発した「(衣装の)オフショルに夢中になってる暇あったら声出せー!!」との煽りは個人的にこの日ベストの口上であった。おひさまたちをどきりとさせる鋭いツッコミを即座に煽りへと転換させるその起点とひらめき、めちゃくちゃにカッコよかった。

ステージから元気いっぱいにポップアップで飛び出してきた三期生たちはオリジナルのワッペンが貼り付けられた揃いのスタジャンを着用し、スクールガール風の出立ちで登場(超かわいいのでグッズ化したら売れそうだなあと思う(笑))。もはやどこまでが振付でどこまでがアドリブなのかわからないくらいの賑々しさとかしましさで「青春ポップコーン」を披露。三期生のみでのZeppツアーの開催も発表されており、そちらがとんでもなく楽しいものになることを確信させてくれるステージングであった。

二期生は大人っぽいコーデで登場。椅子に座り、しっとりと「どっちが先に言う?」を歌い上げる。振り返ってみればその曲調と衣装からは五期生が春、四期生が夏、三期生が秋、二期生が冬、なんてステージ上に四季を表現するといった裏テーマも軽く含まれてたりしたのかなあと思ったりもするぐらい、期別の個性を存分に活かした見事な選曲とスタイリングであった。

宮地すみれ、渡辺莉奈の仲良しコンビがついにオフィシャルユニットとなったその名も“能ある少女はスカート揺らす”による「恋と慣性の法則」では、バラエティで見せる表情とはガラリと変わったシリアスな世界観を展開し、「君と生きる」ではセンターを務める上村ひなのがおひさまたちへ「それぞれの大切な人を思い浮かべながら聴いてください」と語りかけ温かな空気で会場を包み込むなど、表題・期別以外の楽曲群の豊かさも堪能させてくれる一幕を挟み、ライブは後半へ。

次のページ




