韓国と日本が誇る才能たちは映画『旅と日々』で何を感じた?
シム・ウンギョンと河合優実が挑んだ芝居の極致、響きあう2人に聞く「いい作品とは」に続く言葉
2025.11.15 17:00
2025.11.15 17:00
小泉今日子さんがオススメ韓国ドラマをいっぱい紹介してくれました
──映画の中で「いい作品とは、どれだけ人間の悲しさを描けるか」という台詞がありました。お二人が「いい作品とは」の後に続けるとしたら、どんな言葉を添えますか。
河合 きっとその答えを探すためにこのお仕事をしているようなものだなという言い訳をしつつ(笑)、私が『旅と日々』を観て感じたのは、最後にシンプルな感慨が残るって、すごく素敵なことなんだなって。ものすごく巧みで豊かな映画ですが、観終わった瞬間にはきっと「ああ私も旅行行きたいな」とか「人生って旅じゃん」とか、ポジティブで簡潔な気持ちになるんじゃないかなと思うんです。そういうシンプルな思いが残る映画って、いい作品なんじゃないかなと思います。

シム 私は存在する理由を見せてくれる映画って、いい作品だなと思います。生きていると、なぜ人間は存在するのだろうって考えることがあるじゃないですか。人間だけじゃない。動物や自然、命そのものがなぜ存在するのか。その理由を見せてくれる映画と出会うと、生きる勇気をもらえる。そういう映画が私は好きだし、素晴らしいなと胸が打たれます。

──最後にお二人の最新のエンタメ事情を聞きたいのですが、せっかくですので、シムさんは日本のカルチャーやエンタメ、河合さんは韓国のカルチャーやエンタメで気になっているものを教えてください。
シム 私が日本の文化に興味を持ったきっかけは音楽なんですね。YOASOBIさん、藤井風さん、King Gnuさん、Mrs. GREEN APPLEさんなどの日本のミュージシャンは、韓国でもとても人気があります。この間も星野源さんやあいみょんさんが韓国でライブを開催してくれて、こちらでも大盛り上がりでした。特に日本のロックは独特の世界観があって、K-POPとはまったくジャンルが違う。日本のアーティストの方たちがつくる個性豊かな音楽を、私も一人のリスナーとして楽しませてもらっています。
河合 今、舞台でご一緒している小泉今日子さんが韓国ドラマが大好きで、『冬のソナタ』の頃からずっとチェックされているそうなんですね。それで、オススメをいっぱい紹介していただいて、今はその中から『ウンジュンとサンヨン』を観ています。日韓共同制作の『匿名の恋人たち』も観ました。韓国のドラマって、近い文化圏だし日本のドラマと共通点もあるんですけど、音楽の入るタイミングとか編集とか、韓国ドラマらしさみたいなものがあって。一体何がそう感じさせるんだろうと考えながら観るのも面白いです。

ヘアメイク MICHIRU for yin and yang(3rd)/スタイリスト 島津由行
河合優実
ヘアメイク 秋鹿裕子/スタイリスト 高橋茉



