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INTERVIEW

2作目の出演映画『男神』では新境地となる演技表現に挑戦

力み過ぎず、電池切れしない生き方を。須田亜香里のこれから「在りたい姿」とは

2025.09.23 17:30

2025.09.23 17:30

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愛はちょっとずつ理解してる気がします

──『男神』はいわゆる壮大なファンタジーホラー作品である一方で、家族の愛の強さを描いた作品でもあります。和田と夏子の家族についてはどう思われましたか。

多分、「この夫婦と親子、どうなってるんだろう」っていう考察も踏まえながら観ていただけると思うので、そこの “心地良くなさ”が観ていてすごく楽しいんじゃないかなって思います。家族のシーンは特に「何が起こるんだろう」っていう、なかなか状況を理解するのが難しいシーンが続くので。「今の時代にこんなのないでしょ」って思う気持ちとか、「いやでも、みんな隠してるだけであるのかもしれない」とか、そういう“かもしれない”っていうドキドキヒヤヒヤ感が日常に加わるきっかけになる作品なのかなって思います。

──ちなみに今回の映画についてご両親にはどんなふうに報告されましたか?

最初に、この作品が決まってから日進が出生地だって発覚しまして。

──え、そうなんですか。

そう! お母さんに「日進の市役所で映画発表してくる」って言った時に「あれ? そういえば、出生地、日進かもしれん」って言い出して。で、母子手帳を確認して「ほらやっぱり日進!」って言われて(笑)。病院が日進って書いてあるのを見て「本当だー!」ってなって、ずっと名古屋市出身って言い切ってきたけど「出生地は日進なんだね〜」ってなりました。

──で、あれやこれやとプロモーション大使になり、みたいな。

そうです。その映画発表の日に「あの実は私、日進が出生地で」って言ったら市長さんがプロモーション大使を是非って言ってくださって。

──いいことだらけですね、この映画で。

本当にこの『男神』を通して、私が生まれた瞬間、そしておじいちゃんおばあちゃんとの思い出がいっぱい育てられた場所に、こうやってお仕事で何か返せるかもしれないっていう日が来たのはすごく嬉しいですね。

映画『男神』より ©︎2025「男神」製作委員会

──映画の中で和田と夏子が愛について議論を交わすシーンもありましたが、須田さんは今の時点で“愛”についてどんな考えをお持ちですか。

えー、なんだろう……でも愛はゆりあが教えてくれたので。私本当に愛っていう言葉がやっぱりなんかしっくりこないんですよ。英語の“love”はなんとなくわかるんですよ。フランクな感じがするので。ただなんか日本の愛ってなんか……。

──ちょっと重い?

趣味に対する〇〇愛はちょっとフランクだけど、人間同士の関係での愛はなんか重すぎる、背負いきれないイメージがすごく強くて。なんか怖かったし。昔ミュージカルをやった時に、ザ・少年漫画に出てくるような友情・努力・勝利みたいな三拍子を表現しなきゃいけない役柄になって、すごく苦しい思いをしたんです。その時まだグループの仲間と上手にやれてなかったりとか、人と人とでどうやって支え合って生きていくのかみたいなのをあんまり見つけられてない時代だったし、愛っていうのもわかんないから、役柄としてでも愛を表現しなきゃいけないのが「結局愛って何?」みたいにもう怖くなっちゃう……愛を知らない自分が怖くなるみたいなのがあったんです。

でも今、私は木﨑ゆりあちゃんに対して“愛”をすごく持っていて。向こうが先に示してくれたから私も「この子は一生大事にしたい」って思って、何があっても多分この子とは縁が切れないんだろうなって思える人です。ゆりあに何かがあった時は自分が助けになれたらいいなって思います。

──愛そのものが何かは分からないけど、大切な人にそういう感情を思うことが愛なのかもしれないですね。

うん、そんな感じ。なんなんでしょうね、いまだに分からないです。でもゆりあが教えてくれたのでちょっとずつ理解してる気がします。

──作中で和田が秘密を抱える夏子に詰め寄ったように、須田さんは愛する人に全てを知ってほしい、互いに全部さらけ出すべきだと思うタイプですか? それとも愛を持続するためだったらある程度見せない部分があるべきだと思いますか?

上手にやるべきだと思います(笑)。私は割と何でもさらけ出したいタイプだし、相手のことも割と何でも知りたいタイプ。逆に教えてくれないと調べたくなってしまったりとかするから、例えば「この人、何が好きなんだろう?」って気になったら、なんか検索とかしちゃいます。インスタとかサーッと遡ったりして。

──分かります。でもインスタって結構人の上っ面じゃないですか。

そうなんですよ! だから話してほしいし、口数が少ない人よりおしゃべりな人の方が安心します。寡黙な人とかミステリアスな人だと、何考えてるんだろうって、私は表情とかから相手の感情とかを読み取ろうとしすぎて気を使っちゃうので。なので「今楽しい」とか「今嫌だ」とかを言葉にしてくれるような、感情を隠さない人だと安心します。

──正直さが大事ってことですね。

はい。かといって相手のスマホの中身には全く興味ないし、私のスマホの中身も絶対に人には見られたくないし、プライバシーは守りつつ、感情はお互いが気を使わないために開示するべきだと思います。

──須田さんは以前、ファンの方に“在り方”を誉められたことが自信になったと話されていて、それってすごく素敵だなと思いました。30代を迎えた今、人としてどんなふうに“在りたい”と思っていますか?

どんなふうだろう……あんまり力まない人でありたいなって思います。アイドルの時は本当に力んでたし、「前に出なきゃ!」って思ってて。でもそれがあったから今の自分がちゃんといるので、いつでもフルで頑張るっていう時期を通ったからこそ、今は目の奥にも肩にも力が入りすぎていないような人に憧れるし、自分もそうだったら心地良いんだろうなって思います。なんか「人生って意外と長いのかもしれない」って30過ぎて気付いて。だからこれから先は電池切れしない生き方、電池切れしないけど素敵だなって思う人でありたいです。

──それでは今の充電方法というか、須田さんを元気にしてくれているものというと?

何だろう? でもやっぱりビールとか、お酒ですかね(笑)。家じゃあんま飲まないんですけど、仕事が落ち着いたタイミングで、それこそ一番仲のいいゆりあと飲むお酒とか、1杯目のビールでもう満足できちゃうぐらいコスパはいいタイプです。だから、友達と会った時のビールですね!

スタイリスト:柏木作夢(カシワギサム)
ヘアメイク:storm

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作品情報

男神

©︎2025「男神」製作委員会

©︎2025「男神」製作委員会

男神

2025年9月19日(金)全国公開
配給:平成プロジェクト
配給協力:東京テアトル
2025年/日本/93分/カラー/シネスコ/5.1ch

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:
遠藤雄弥 彩凪翔 岩橋玄樹 須田亜香里 カトウシンスケ
沢田亜矢子 加藤雅也(特別出演) 山本修夢 塚尾桜雅 アナスタシア すずき敬子 大手忍
チャールズ・グラバー 藤野詩音 斎藤守 清水由紀(友情出演) 永倉大輔(友情出演)
監督・脚本:井上雅貴
原案:「男神」(八木商店)
ロケ地:愛知県日進市、岐阜県下呂市
協力:高山市、飛騨・高山観光コンベンション協会
支援:日進市企業ふるさと納税 下呂市ふるさと文化振興助成金
協賛:マテラ化粧品 ワンダーランド そうび社 龍の瞳 イオス コーポレーション
題字:小林芙蓉

須田亜香里

アーティスト情報

1991年10月31日生まれ、愛知県出身。2009年11月にSKE48第3期生としてメンバーに加入。SKE48チームEリーダーを務めた。2016年・2017年の選抜総選挙では2年連続「神セブン」に選ばれ、2018年には遂に2位の座を獲得。握手会での神対応が話題で「握手会の女王」とも呼ばれている。SKE48を2022年秋に卒業し、現在はテレビやラジオ、新聞連載等、多方面で活躍中。

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