豊田利晃監督が自ら編集した3本、EDテーマへの思いも語る
The Birthdayのエネルギーが窪塚洋介×松田龍平と共鳴、映画『次元を超える』ショートPV解禁
2025.09.19 12:00
2025.09.19 12:00
10月17日(金)にユーロスペース他で公開される窪塚洋介と松田龍平のW主演映画『次元を超える』。豊田利晃監督の最新作となる本作から、The Birthdayによるエンディングテーマ「抱きしめたい」の映画版ショートPVが解禁された。
豊田監督にとって『泣き虫しょったんの奇跡』以来7年ぶりの長編フィクション作品となる『次元を超える』は、時間も空間も超越した壮大な人間の物語。5年ぶりの共演でW主演を務める窪塚洋介と松田龍平に加え、キャストには千原ジュニア、芋生悠、渋川清彦、東出昌大の他、板尾創路、祷キララ、窪塚愛流、飯田団紅、マメ山田など豊田組を代表する常連キャストが集結。さらにYOSHIROTTEN、マイケル・アリアス、樋口真嗣ら各業界を代表する豪華スタッフも参加している。
窪塚が演じるのは、孤高の修行者・山中狼介。狼介は危険な宗教家・阿闍梨(千原ジュニア)の家で行方不明となり、謎の暗殺者・新野風(松田龍平)は狼介の彼女・野々花(芋生悠)から捜索を依頼される。やがれ法螺貝に導かれ狼蘇山で対面し、次元を超えた鏡の洞窟で対峙する狼介と新野。過去から現在、そして未来を駆け巡り、日本から地球、さらに宇宙に辿り着いた彼らが見たものとは。
エンディングテーマを担当するThe Birthdayは、ギターボーカル・チバユウスケが率いる2005年に結成されたロックバンド。ブルースロックやガレージにルーツを持つ本格的なロックンロールと精力的なライブ活動で多くの音楽ファンの心を掴み、2023年にチバユウスケが死去(永眠)した後も日本のロックの象徴として君臨し続けている。そして本作のエンディングテーマ「抱きしめたい」は2017年にリリースされたシングル曲で、ライブでも演奏され続ける定番曲。チバユウスケによる「愛」と「闘い」を融合させた詞世界が凝縮された楽曲で、力強くも切実なラブソングとしてのメッセージ性が高く評価されている。
解禁された映画版ショートPVは〈阿闍梨と葉巻編〉〈狼介と新野編〉〈地球と宇宙編〉と題し、豊田監督自らが編集した3本。
まず「抱きしめたい」のイントロに合わせた〈阿闍梨と葉巻編〉は、巻をくわえて縁側に佇む危険な宗教家・阿闍梨(千原ジュニア)の姿から始まる。阿闍梨の表情が次第にアップになっていく中で、修行者・山中狼介(窪塚洋介)が手を合わせて祈る姿や、阿闍梨をじっと見つめる暗殺者・新野風(松田龍平)をはじめ、狼介の彼女・野々花(芋生悠)、田舎の不良・鉄平(渋川清彦)、阿闍梨の信者・ヤス(東出昌大)、最先端の研究者・高嶋博士(板尾創路)と渡邊助手(祷キララ)など主要キャラクターのカットが次々と差し込まれる。怪しげで不敵な笑みを浮かべる阿闍梨のドアップで幕を閉じると思いきや、最後には映し出されたのは2022年12月に中野サンプラザで行なわれたThe Birthdayのライブ映像。まさに『次元を越える』のキャラクターとThe Birthdayのロックンロールがシンクロした映像となっている。
次に、「抱きしめたい」の1番サビに乗せて展開するのが〈狼介と新野編〉。狼介が降りしきる雨の山道を歩む姿が映し出されるとともに血まみれになりながら呆然と歩む新野の姿が重なるなど、サビの高まりに合わせて二人のキャラクターが対比して描かれ、やがてThe Birthdayのライブ映像へと切り替っていくという、ステージ上で歌うチバユウスケの熱気とエネルギーが窪塚洋介と松田龍平の本編映像と共鳴する映像となっている。
最後に、3番Aメロに乗せて展開するのが〈地球と宇宙編〉。「SF映画/地球は/助かった/今頃エイリアン」という歌詞に合わせて宇宙空間に浮かぶ地球の映像が映し出され、地球から回転しながら離れていくという壮大なスケール感のある世界観が広がっていく中、「どこへ行って」とステージ上でチバユウスケが優しく歌い上げるライブ映像が挿入され、SF的な映像と歌詞がダイレクトに交錯するバージョンとなっている。
過去、豊田監督が手掛けた『青い春』(2001)ではミッシェル・ガン・エレファントの「ドロップ」をエンディングテーマに、『I’M FLASH!』(2012)ではI’M FLASH! BAND(チバユウスケ、中村達也、ヤマジカズヒデ、KenKen)の「I’M FLASH!」(シーナ&ザ・ロケッツ鮎川誠のカバー)を主題歌に使用したりと、長年にわたりチバユウスケとタッグを組んできた豊田監督。本作では監督がThe Birthdayの曲を全部聴き直して「抱きしめたい」をエンディグテーマに選んだといい、監督は「いざ『次元を超える』ができあがった時、「抱きしめたい」を映画の最後に流してみると、僕自身、すごく腑に落ちて。映画が語り切れていないところまで、この曲が語ってくれている気がしたんです。特にサビの「俺は決めたんだ/あのクズ共から世界を奪い返すって/それで青に還すんだ/その後でお前を根こそぎ抱きしめてやる」ってラインですね。『次元を超える』という映画にとって最も重要な、でもあまり巧く込めることができなかった“愛”の要素を、チバくんが代わりに歌ってくれている気がしました」と楽曲への熱い思いを語っている。