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庄村聡泰は3日間どう動く?各時間帯で観たいアクトも紹介

いよいよ開幕目前!今年も楽しみ方が尽きないフジロック、ヘッドライナー3組の凄さとは

2025.07.22 17:30

2025.07.22 17:30

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フジロックが、今年もあと少しで開催される。タイムテーブルも発表され、そしてこのタイミングで新ステージ“ORANGE ECHO”も追加されることが明らかになった。前回の記事では1日ごとに個人的な注目アクトを書き連ねながら、敢えて3日間のヘッドライナー以外のアクトについて可能な限りたくさんご紹介させていただいたのだが、事前情報が全て出揃った(毎年恒例、入場無料で超楽しい前夜祭以外)今、改めてヘッドライナー3組の紹介を軸に各日の傾向と対策を見ていこうと思う。今年初参加する新たなフジロッカーの皆様の参考にもなったら幸いです。

「FUJI ROCK FESTIVAL ’25」全ステージラインナップ

日本で観るFRED AGAIN..が特別な理由

初日のヘッドライナーはFRED AGAIN..。アクトとしては初来日、そして堂々のヘッドライナーを務めてくれるイギリス、ロンドン出身のDJ/プロデューサーだ。2003年生まれなのでまだ30代前半なのだが、そのキャリアはすでにとんでもないものとなっており、ざっくり枚挙するだけでもエド・シーランやBTS、スクリレックスなどとの共演や2018年のジョージ・エズラ「ShotGun」で全英一位を獲得し2020年のブリット・アワードでは最優秀プロデューサー賞を史上最年少で受賞するなど。そんな輝かしいキャリアを築くきっかけがレッドブル・ミュージック・アカデミーの生徒として来日した時の体験だったと以前自身のSNSで振り返っており、「日本は本当に特別な場所」と語ってくれている。並々ならぬ思い、想いを持ってのステージとなるだろう。これは我々オーディエンスも盛大に迎えてやらねば、である。

コロナ禍、ロックダウンされた街の中、クラブでダンスに明け暮れた日々への思いを楽曲にした「Marea (We’ve Lost Dancing)」や「Delilah (pull me out of this)」などの代表曲では、彼の友人の声や日常会話をそのままサンプリングされており(前者のタイトルでもありボイスサンプルでフィーチャリングされているMareaとは、2023年のフジロックで来日したザ・ブレスド・マドンナの本名である)、事前予習用としてご覧いただきたい2022年のBoiler Roomシリーズ再生回数歴代一位での下記パフォーマンスや、2024年に彼の親しい友人のみを招いて行われたルーフトップパーティーなどから伝わる通り、その音楽性の間口の広さや親しみやすさでグリーンステージとそこから抜ける夜空を鮮やかに彩ってくれることだろう。

FRED AGAIN..の「Boiler Room」でのDJライブ映像

で、グリーンステージの音響がこれまたバンドだけじゃなくてダンス系のアクトとも相性ばっちりなもんだから、それこそ初日の夜は世界一多幸感あふれるクラブ的な体験できるんじゃないかと思う。

FRED AGAIN..のルーフトップパーティー映像

その他にも初日にはグリーンステージにVaundyやBRAHMAN、ホワイトステージのヘッドライナーには復活を果たしたSuchmos、深夜帯には坂本慎太郎などの国内アクトも注目株が目白押しだ。

2日目は世界最高峰のファンクバンドがグリーンステージを祝祭空間に

2日目のヘッドライナーはVULFPECK。こちらもVULFPECK名義としては初来日にして堂々のヘッドライナーを務めてくれる。アメリカ、ミシガン州のミシガン大学音楽学部出身、今や世界中を席巻しまくっているファンクバンドが待望の初来日であり、しかも今回のステージはなんと彼らにとっての2025年初のライブだそう。そんな貴重な機会として選ばれたのがフジロックなのだ。なんだか嬉しくなってしまうお話なのでこちらもFRED AGAIN..同様、盛大に迎えてやらねば、だ(笑)。

バンドに先立ちソロとしてフジロック2023のステージを務めて以来、来日しまくってくれている(先月単独来日ツアーを終えたばかり)ギタリストのコリー・ウォン(実は正式メンバーではないのだがそのあたりはバンドの画期的な運営形体によるものなので気になったら調べてみていただきたい)、そしてベーシストのジョー・ダートという当代屈指のギターヒーローとベースヒーローが織り成す世界最高峰と言い切ってしまって差し支えないであろう、リズム/グルーヴに乗せてドラマーやシンガーが入れ替わり立ち替わりながら展開されるステージングからは、もうとにかく演者が心から音楽を愛し、楽しんでいることがよく分かる。オーディエンスの巻き込み力も技術面と同じく世界最高峰なので早く自分もフジロッカーのみんなと、そのお祭り騒ぎの一部となりたい。コリー・ウォンの名をそのまま曲名に冠したこちらとジョー・ダートのフレーズをオーディエンスがシンガロングする光景がライブの定番となったこちらは事前に押さえておこう。

VULFPECK「Cory Wong」Music Video
VULFPECK「Dean Town」ライブ映像

ちなみにファンクバンドがグリーンステージのヘッドライナーを務めるなんてこともとっても画期的だったりする。例年フィールド・オブ・ヘブンというステージにジャズ系アクトやファンクバンドが配置されることが多く、今年も激アツなジャズ/ファンクのアクトが多数出演するのだが、最終日のトリがそんなUSジャズ/ファンクのレジェンドであるGALACTICだったりするのでファンキーピーポーは是非ともチェックを。

なおこの日のグリーンのトリ前は山下達郎だし、その前はJAMES BLAKEだし、ちょっとこの3組の流れは外せそうにない。

3日目のVAMPIRE WEEKENDは最新作が世界で大絶賛

7月27日、最終日のヘッドライナーはVAMPIRE WEEKEND。フジロック2022では初日のヘッドライナーを務めたアメリカ、ニューヨーク出身のインディー・ロックバンドであり、今年のフジロックのヘッドライナーの中で唯一のロックバンドとなる。アフリカのポップスやバロック音楽などを混ぜこぜにしつつXTCなんかにも通ずる抜群のメロディセンスで、2008年のデビュー以来躍進を続ける彼ら。昨年リリースされた新作『Only God Was Above Us』を携えての来日となり、これがまたキャリア史上最もと言っていいほどに各所で絶賛されまくっているアルバムなので、前回も筆者はフルで観ていたが今回もフルで観なければならないなあ、といったところである。

正式メンバーは3人であるがそのライブではツインドラムにバイオリニストやサックスなど多数の楽器が入り乱れる大所帯の編成であり、今回のフジロックがどんな編成でのものとなるかは当日のお楽しみだが多国籍、あるいは無国籍なチャンポン・ロック(勝手にそう呼んでますがそれも他民族入り乱れるニューヨークの出自ならではの感覚なのだろうか)をできる限り同期を使用しない生演奏で届けてくれることであろう。過去のヒット曲も手広くセットリストには入れておいてくれるはずなので、昔よく聴いてたな〜なんて方も是非とも新作を予習の上、グリーンステージへお越しくださればと思う次第である。

なおイギリスで1970年から行われている世界最大規模の野外音楽フェスティバルでありフジロックのモデルともなっていることでお馴染みのグラストンベリーに昨年出演した際の映像がとってもライブの雰囲気が伝わりやすいかと思うので予習用にこちらをぜひ。曲は新作のM2である。(ちなみにイギリス在住の友人曰く、各所のオペレーションやトイレや飲食などといったインフラまわりは、グラストンベリーよりもはるかにフジロックの方が上回っているとのこと笑)

Vampire Weekend「Classical」ライブ映像(from Glastonbury 2024)

その他のアクトとしては2014年の一般公募ステージであるルーキー・ア・ゴーゴー出演(同年同ステージにSuchmosも出てます)から実に11年振りの出演にしてグリーンステージという、ルーキーステージから一気に最大ステージへというフジロックの歴史においても極めて稀な記録を残すこととなるCreepy Nutsや、同じグリーンステージでらスコットランド出身で同国の象徴的な楽器であるバグパイプを用いたロックバンドRED HOT CHILLI PIPERSに注目したいし、ホワイトステージのヘッドライナーを務めるカリフォルニア出身の3姉妹バンド、HAIMやその前の羊文学、先述のGALACTICなどもとっても観たい。

と、各日のヘッドライナーを軸にその他にも触れつつな本稿ではあるが、次ページでは傾向と対策として、私的な事前タイムテーブルを公開してみようと思う。だが、これがなかなか予定通りにはいかないのだ。例年つい友人とのおしゃべり、からの途中友人が観たいアクトに同行してみたり、逆に同行させてみたり、メインゲートすぐのオアシスエリアをはじめ各所に散らばるグルメやお酒があまりにも美味美酒すぎてついそちらに溺れてしまったりなど、現地での素敵なハプニングによって自身のタイムテーブルがどんどんあらぬ方向へ転がっていくのもフジロックの醍醐味の一つだということを予めのいいわけとして追記しておく(笑)。

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ライター庄村聡泰のマイタイムテーブル

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