Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

INTERVIEW

アイドル卒業後、数々の出演作品を経て初ミュージカルに挑む

「今はもっとお芝居を勉強したい」矢吹奈子が悔しさから逃げない理由、自分に願う成長とは

2025.07.03 17:00

2025.07.03 17:00

全ての画像・動画を見る(全15点)

アイドルから女優へ。進化を続ける矢吹奈子が、初めてのミュージカルに挑戦する。手塚治虫の傑作マンガをミュージカル化した『ブラック・ジャック』で、矢吹はブラック・ジャックの相棒ピノコを演じる。

芝居の道は、厳しく険しい。才能豊かな天才たちは、たくさんいる。オーディションに落ちることも一度や二度ではない。そのたびに悔しい思いをたくさん味わってきた。

それでも、投げ出すことも弱音を吐くこともしなかった。なぜなら、もっと上手くなりたいから。飽くなき成長欲求で前へ前へと進む矢吹奈子は、ミュージカルという新しい世界で何を見つけるのだろうか。

矢吹奈子

「ピノコがそこにいた」と感じてもらえたら

──矢吹さんにとっては、初めてのミュージカル。しかも演出家は、演劇界の重鎮・栗山民也さんです。

最初は不安ばっかりだったんですけど、稽古場でたくさんのこと学びながら、共演者の方からもいろんなアドバイスをいただいて、刺激的な毎日を送っています。栗山さんの稽古場は、短期集中型というか、1日の間にやることをギュッと詰め込んでいくスタイルなので、毎日頭がフル回転。終わったあとはアドレナリンが出ているせいか、帰り道でもまだピノコが残っていて、ちょっとテンション高めなんです。家に着くまでの間に徐々に矢吹奈子に戻っていく、という感じです(笑)。

──「アッチョンブリケ」の台詞はありますか。

あります! 何回か出てくるんですけど、全部ニュアンスが違うので、その違いを楽しんでいただきたいですし、そこはもうピノコらしさ全開でいきたいと思っています。

──原作のピノコは見た目は小さな女の子。それを生身の人間が演じるのは、なかなか難しいだろうなという気がします。

原作が人気なので、みなさんピノコのことは知っていると思いますし、それぞれの中でイメージがあると思います。だからこそ、あまり「ピノコをやる」と思いすぎないようにしようと思っていて。キャラクターとして演じるのではなく、役を生きた結果、お客さんに「ピノコがそこにいた」と感じてもらえるのがいいんじゃないかなと今は考えています。

──ピノコってちょっと口調がたどたどしいじゃないですか。

そうですね。「のだ」と言いたいのに「だ」が「ら」になって「のら」になるとか、「〜〜でちゅ」みたいな喋り方です。

──休憩中とか、ちょっとピノコの口調が残ることはないですか。

さすがに大丈夫でした(笑)。ちょっと危ないですよね、普段から「〜〜でちゅ」とか言ってたら(笑)。あ、でも逆に周りのみなさんがよくピノコ語で「〜〜でちゅか」と話しかけてくれます。

──今回のミュージカルでブラック・ジャックが出会うのが、奇病に冒された新進気鋭の女優・真理子です。同じ表に立つ立場として、自分も真理子のような病に冒されたらどうするだろうと考えたりしましたか。

まったく考えたことなかったです。でも、辛いですよね。表に立つ立場でなくても、赤い斑点が出るのって嫌だと思うし。しかも、真理子は女優としてここからスタートを切ろうというタイミングでこうなってしまった。私は真理子になれるわけじゃないから、どんな気持ちになるかはなってみないとわからないですけど、やっぱり現実のこととして信じたくないだろうなと思います。

そんな真理子に寄り添うのがピノコ。私だったらピノコみたいな子がそばにいてくれたら、一瞬かもしれないけど、癒しになると思うし、ピノコとしても真理子に生きる力をあげられるように演じたいです。

──なるほど。真理子と絡みが多いんですね。

はい。絡みも多いですし、一緒に歌ったりもします。

──ステージで歌うのには慣れていらっしゃると思いますが、ミュージカルで歌うのはまた感覚が違いますか。

全然違いますね。特にピノコの場合、ブラック・ジャック先生がつなげて組み立ててくれた体なので、まだ完成形ではないというのが栗山さんの解釈なんです。だから、歌も動きもあまり完璧にしてほしくないと言われていて。音楽に合わせて歌ったり踊ったりするんじゃなく、ちょっとズラさなくちゃいけない。それが難しくて。

つい無意識でやってると、自然と音楽に合っていっちゃうんですよ。しかも、周りのみなさんは綺麗に歌って踊ってらっしゃるので、その中であえて崩しにいくのは結構大変です。

──ブラック・ジャックを演じるのは坂本昌行さんです。

スッとされていて、もう何もかもブラック・ジャックすぎますね。それでいて何より歌が素敵なんです。ブラック・ジャック先生が一人で歌うシーンがあるので、そこは稽古でもじっくり自分の席で見させてもらっているんですけど、そのたびに「これはお客さんとして見たい!」と感動しています。

ミュージカル『ブラック・ジャック』取材会より(撮影:友澤綾乃)

──舞台経験豊富な坂本さんからアドバイスをもらうことも?

ピノコがブラック・ジャック先生にツッコむみたいな台詞があるんですけど、そこの言い方について「もっとこういうふうに言ってみたら面白いかもね」とアドバイスをいただきました。稽古を重ねていくうちに、徐々に息が合ってきているのを感じていて、早くブラック・ジャック先生とピノコのやりとりをお客さんに観ていただきたいです。

次のページ

『御上先生』での忘れられない1シーン

全ての画像・動画を見る(全15点)

作品情報

ミュージカル『ブラック・ジャック』

©︎ ミュージカル『ブラック・ジャック』All Rights Reserved.

©︎ ミュージカル『ブラック・ジャック』All Rights Reserved.

ミュージカル『ブラック・ジャック』

【東京公演】IMM THEATER
2025年6月28日(土)~7月13日(日)
チケット料金:平日14,000円/土日14,800円

【新潟公演】新潟テルサ
2025年7月18日(金)
チケット料金:S席13,000円/A席11,000円

【名古屋公演】COMTEC PORTBASE
2025年7月21日(月・祝)
チケット料金:14,800円

【浜松公演】アクトシティ浜松 大ホール
2025年7月23日(水)
チケット料金:S席14,000円/A席12,000円/B席10,000円

【札幌公演】カナモトホール(札幌市民ホール)
2025年7月26日(土)
チケット料金:13,200円

【兵庫公演】兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2025年7月31日(木)〜8月2日(土)
チケット料金:13,500円

※全て全席指定・税込

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

【キャスト】
ブラック・ジャック:坂本昌行
ピノコ:矢吹奈子
ドクター・キリコ:味方良介
女優・真理子:大空ゆうひ
医師・白川:今井清隆

【スタッフ】
原作:手塚治虫
脚本:鈴木 聡
演出:栗山民也
音楽:笠松泰洋
美術:二村周作
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
衣裳:前田文子
ヘアメイク:鎌田直樹
映像:上田大樹
振付:八子真寿美
歌唱指導:やまぐちあきこ
稽古ピアノ:松木詩奈
演出助手:木下マカイ
舞台監督:加藤 高、村田旬作
宣伝美術:加藤秀幸
宣伝写真:神藤 剛
宣伝スタイリスト:岸 佳澄
宣伝ヘアメイク:鎌田直樹
宣伝:フューチャーPR & MEDIA
票券: 小島友希
制作:來生 藍
アシスタントプロデューサー:稲毛明子
プロデューサー: 加藤はるな
企画協力: 手塚プロダクション
企画・製作:エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ

2013年8月、HKT48第3期生オーディションに合格し、翌年4月よりチームHとして活動を開始。
2018年に韓国で開催されたオーディション番組『PRODUCE48』に参加し、「IZ*ONE」のメンバーに選ばれデビュー。専任活動を開始。
2021年4月に、2年6か月の活動期間を終了。
その後HKT48として2年5か月ぶりに活動再開。
俳優業を本格的にスタートし、連続ドラマにも多数出演。
2023年4月に行われた卒業コンサートでHKT48を卒業。
グループ卒業後は2作連続で連続ドラマのヒロインを務めるなど、現在は俳優業を中心にバラエティ番組等でも活躍中。

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram

COLUMN & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram