2025.06.19 19:00
2025.06.19 19:00
僕らセルフプロデュースめっちゃ嫌いなんで
──これポニーキャニオンさん的にも結構びっくりだったんじゃないですか? メジャーデビュー作でShing02を客演に迎えるって面白い試みだと思うんですけど、「いやいや」ってレーベルだったら言いそうじゃないですか。これがそのまま通ってるっていうのが超面白くて魅力的だなと思ったんですけど。
スタッフ それこそレーベルヘッドからは「とにかく音楽がかっこいいから彼らのことをちゃんと信じて、できたものに対してどうするかを考えよう」みたいなことでご一緒することになったと聞いているので、やることを信じようってスタンスを持っています。
──めっちゃいい話ですね。(同レーベル所属の)KroiやBialystocksも挑戦的ですけど、さらにギア上がったバンドが出てきたなって印象なんですよね。その空恐ろしさが分からなくて、本人たちに会ったら聞いてみようと思って聞いてみたら、めちゃくちゃ自然体でさらに恐さが増して最高だなって。とはいえ、これだってただのインタビューでありお仕事ですから、そこに真実がどこまであるのか分からないですけど。
Eno いや、マジで嘘ついてないです。やりづらいかもしれないですけど僕セルフプロデュースめっちゃ嫌いなんで。
Imu Sam マジ正直ですね。

──じゃあ、いつも面白いものが半分無自覚でできちゃっている感覚があるってことなんですかね。
Eno 環境が音楽を作るんで。僕は音楽そのものはあまり重要じゃないと思ってます。それが自然発生的なものだったらいいんですけど、自覚的に意図を持って音楽を作ったらいい音楽ができるとは思っていなくて。まずは環境があって、それを経過して出てきたものが音楽だと思っているから。だからあくまで自然というか……まあ適当ですね。音楽は適当でいいと思います。
Imu Sam 狙って作るとかじゃない。
Eno セルフプロデュース嫌いなのもあるけど、そういうものは音楽を小さくしてしまうって思っているので。
──やっぱり今は商業向けに研磨された状態で出てくる音楽がかなり増えてきたと思うんですね。そんな世の中において、そういう大見得が切れるのってすごく大事だと思っていて。
Eno というか、そんな世の中だからそのように振る舞うっていうのは人類のためにはならないと凄く思います。世の中と自分のやりたいことに差異があるんだったら、それをそのままやった方が世の中自体が大きくなってくれるなと思うし、それをやるべきだと思います。
──良いなぁ、明確だ。パンチラインをいただいたような気がします。歌詞でいうと、例えば「juice」の“AFOL”とか“風のコグリーコーン”とか、そういう聞いたことのない言葉遊びだったりがふんだんに使われていますよね。
santa ちっちゃい頃よく兄貴たちと遊んでて、結構急な斜面を自転車でノーブレーキで下るって遊びをよくやってて。その坂の名前が“地獄のコグリーコーン”って名前でした。地獄っていうのがちょっと合わないから風にして。童心がテーマだから、自分の思い出深い記憶というか。
──コグリーコーンの名前の由来って?
santa 僕がそこで遊び始めた時にはもう出来てたんで、名前の由来とかはあんまり分かってないです。たぶん兄貴たちが作ったんじゃないかな、何かのゲームのサンプルかもしれないし。
──自分の頭の中にあったストックなんですね。“AFOL(Adult Fan of Lego=大人のレゴファンのこと)”はどういうところから?
santa リリックの最初の方によく遊ぶレゴって書いてるんですけど、僕が持っていなかった大きいボックスで売られているレゴを、歳の離れた親戚のお兄ちゃんが持っていて。それで立体的な車だったり城だったりを作っていて、それがすごい大人な遊びというか格好よく見えて。で、それを“憧れのAFOL”って言ってるんですけど。

──歌詞はお互いのパートはそれぞれで作ってらっしゃるんですね。最初に合わせた時から結構相性いいなと思ったってさっきおっしゃってましたけど、歌詞ってリズム感や韻の踏み方だったりお互いが影響し合っているのか、もしくはもう完全にフィーリングが合うゆえに自然に構築されてってるものなのか、どうですか。
santa 僕が8割ぐらい考えて、それをマスミに見せて、ちょっと違う文法とか単語があったら直してくれたり、そういう感じでやってます。
Imu Sam で、僕が自分のパートを考えるときは、santaとどんな感じかって話したことをベースに書いてます。でも「ここでこういうノリにしよう」って細かい話はあんましてなくて、そこらへんはバイブスって感じですね。
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