2025.06.19 19:00
2025.06.19 19:00
リー・ペリーで音楽との携わり方を知った
──バンド名のS.A.R.はどこから考えたんですか?
santa これは最初にいた3人の頭文字ですね。
Imu Sam santa、Alex、あとAttieの本名からRをとりました。でもさすがによく(由来を)聞かれるし、意味がないといけないかもって当て字でいろんな意味を考えたりしたんですよ。で、考えて“シン・アフター・リグレット”で、後悔な物語をまた重ねてしまうみたいなことを考えたりしたんですけど、なんか違うなって(笑)。結果イニシャルに戻りました。
──マスミさんはsantaさんとは別口で、ギタリストやラッパーとして活動してたんですか?
Imu Sam 最初はギターしか弾いてなかったんです。でもカナダ行って英語勉強したりして、帰ってきた時にsantaがやってるバンドが今ラッパーいないらしいよ、って聞いて。で、Alexに「やってみない?」って言われて、最初は元あった歌詞を英語に訳して、それでラップを入れましたね。

──お互いに合うなって感覚は最初からありました?「俺ら声の相性もいいし掛け合いもいいし」みたいな。
santa 録ってる時から結構踊ってましたね。楽しかった。
Imu Sam 「スケートの曲なんだよね」とか言ってスケボーを一緒に乗ったりして(笑)。
──Enoさんはどういうところでまとめ力やコンセプト力を培ってきて、S.A.R.に合流を?
Eno まとめ力とかは全然ついてないと思うんですけど(笑)、でも中学生ぐらいの時からずっとパソコンで一人で音楽作ってたので、そのままって感じですね。ボブ・マーリーを聴いて、「音楽を始めなければいけない」みたいな。
──啓示が来たんだ。
Eno でも歌は歌えないしな、みたいな。で、その後リー・ペリーという人をWikipediaで調べたら音楽プロデューサーと書いてあって、歌えなくても音楽とのそういう携わり方があるんだって知って。そこから楽器をやるとかはなかったんですけど、Shing02さんがリミックスコンテストをやってたんです。アカペラを配って、それにトラックを付けて応募してくださいみたいな。そこで家にあったパソコンに訳わかんないソフトみたいなのがあって。
Imu Sam DAW(編曲ソフト)みたいやつ?
Eno そうそう。それで初めて音楽作って、っていう感じですね。機材とかは正直何もわからないんですけど、パソコン一台で作れる環境があったんで。
──リー・ペリーがミュージシャンへのきっかけなんですね。だからもう最初からプロデューサーっていうセクションがあるんだって知ってたんだ。
Eno その後音大に入って彼らと出会うんですけど。音大では楽器をやってて、楽器を始めたきっかけもなんか楽器やってないといけないんじゃないかと思って(笑)。ほんとそれだけの理由で、プレイヤーに憧れてとかそういうのも一切なくて。だからずっとそのリー・ペリー的なところっていうのも今も変わんないです。
──めちゃくちゃ珍しいけど、でもその発想自体がもう超かっけーっすね。憧れる目線が違うっていうところが、もうすでに並み外れた何かを感じるっていうか。しかもそれがまさかのあの悪名高いリー・ペリーっていう(笑)。
Eno 僕にとっては神様ですね。
──でもベーシストってプロデューサー気質の人が不思議と多かったりしますもんね。ちなみにベースを始めたきっかけは?
Eno ウェイラーズ(ボブ・マーリーが在籍していたバンド)のアストン・バレットです。ベースが一番目立つんで、あれ聴いてたらベース始めちゃうんじゃない?っていう。
──音楽を何も知らない耳で聴いても、あのベースだったら確かにそうなるかも。でもそこ発信で、またルーツであるレゲエとかのエッセンスをあまり感じさせない音楽をやってるってところもおもろいですけどね。
Eno 地続きではあるんですけどね。いろんなのを聴くし。レゲエも好きだし、ヒップホップも好きだし、あとヒップホップのサンプリングソースみたいなのも僕はめちゃくちゃ聴いてたので。

──なるほど、そういう集合体なんだ。Taroさんのルーツって何ですか?
Taro(Key) さかのぼると映画音楽がきっかけです。色々聴き始めて「ジャズかっこいいな」みたいな。で、大学で友達とセッションをするようになったんですけど、その最中にコロナ禍になって学校もなくなっちゃって。メンタル的にもしんどくなってきたそのタイミングでマスミちゃんと同じ街に引っ越すことになりました。
Imu Sam 「今度近所に引っ越すわ」って電話が来て「マジ?」って言ってたら本当に引っ越してきて。もうS.A.R.始めるよね、みたいな感じだったよね。
Taro 色々遊びに誘ってくれたりして。だから入りなよっていうよりかはぬるっと(笑)。自然に気が付いたら入ってました。
次のページ