2025.05.08 19:00
2025.05.08 19:00
2023年秋ドラマで実写化され話題を集めた「パリピ孔明」が映画化。『パリピ孔明 THE MOVIE』として全国公開された。
向井理が演じる三国時代の天才軍師・諸葛孔明が現代の渋谷に転生し、アマチュアシンガー月見英子の軍師として音楽の力で天下泰平を目指すという「パリピ孔明」。三国時代の出立ちで現代に馴染む孔明は、そのビジュアルで目を引くのはもちろんのこと、華麗な計略で視聴者を驚きと爽快感で包んでくれる。孔明を演じた向井は、ドラマ・映画にわたりどのようにこの作品と向き合ったのだろうか。

なぜ孔明が自分なのか正直わからなかった
──インタビュー前の撮影中、外の花壇のお花を見ながら「さっき近くまで見に行ったんですよ」というお話をされていましたが、そういうことはよくされるんですか?
ちょっと早めに着いちゃったので「どうしようかな」と思って、近くをぷらぷらしていただけなんですけど、ロケ先とかでも時間があると割とフラフラしていますね。遠くに行ったら「せっかくここまで来たんだし」と思ってお土産を買いに行ったり。道の駅はあったら絶対に入っちゃいます。
──今日の散歩では何か発見はありましたか?
チューリップが咲いていたのですが、チューリップにもいろんな種類があるんだということを初めて知りました。面白かったです。

──いきなり余談から始まって恐縮ですが、『パリピ孔明 THE MOVIE』について聞かせてください。本作は実写ドラマ化の劇場版となりますが、最初に実写ドラマ「パリピ孔明」で諸葛孔明を演じると知ったときはどう思いましたか?
最初は原作を知らなかったので、「パリピ孔明」というタイトルを聞いて「なんでそんなチャラそうなものを」と思いました(笑)。でも実際に原作を読んだり、アニメを見たりしてみると、全然うわついていなくて。現代に転生する作品はよくありますが、この作品は孔明の知略を使って作戦を立てていく。孔明という日本人じゃない人をモチーフにする奇をてらった部分もありつつ、謎解きのような伏線回収が毎回あるので爽快だし見やすくて、そういうしっかりとしたベースがあると感じ、「こんな面白いものがあるのか!」とびっくりしました。そのなかで孔明を演じることについては、なぜ孔明が自分なのかというのは正直わからなかったのですが、「簡単にできる役ではないな」と思いました。もちろん三国志も知っているし、何よりビジュアルが強いので、ギャグっぽくすることはできるだろうけど、連ドラとして成立させるとなるとハードルの高さも感じました。
──ドラマも拝見していましたが、言われてみると孔明のビジュアルになぜか何の違和感もなくスムーズに話に入れた気がします。
ハロウィンから始まっているというのもうまくできているポイントではあると思うんですけど、衣装やメイクにものすごく時間をかけて作り上げていったんです。衣装合わせも何度もやりましたし、メイクも何回も塗っては落として塗っては落としてを繰り返して最適なものを探して。それと、漫画と実写の一番大きな違いって、音の情報の有無だと思うんです。そのなかでキャラクターの面でいうと、話し方とか声の高さが大きなポイントになると思うのですが、監督には「一人だけ大河ドラマのキャストが入っている感じでやってほしい」と言われました。そこはすごく意識して、とにかくキャラクターを作り込んで撮影初日を迎えました。
──ちなみに「なぜ孔明が自分なのかはわからない」とおっしゃっていましたが、映画まで撮り終えた今でもわからないですか?
はい。キャスティングって僕らからは本当に謎だらけなんです。ありがたいですけどね。別の作品で以前DVする役を演じたのですが、今年も同じプロデューサーの作品でDVをする役をしたので、そういうふうに見られているのかなとか(笑)。だからどうしてかはわからないですけど、僕としては孔明を演じられたことは本当によかったなと思います。大変なことのほうが圧倒的に多かったですが、見たことないものがたくさん見られたのですごくいい夏の思い出になりました。
──撮影は夏だったんですね。昨年の夏は本当に暑かったので、撮影は大変だったんじゃないですか?
はい、本当に暑かったです。ここ最近の夏の暑さを考えると、この作品に限らず、もう夏に屋外で撮影するのはちょっと厳しいんじゃないかなとも思いましたね。

──座長としてそういうことも考えたと。
座長としてというわけではないですけど……。それ以外でも座長だからということはあまり考えなかったのですが、今回の映画は出演者が多かったので、すべてに気を配るのは難しかったですが、なるべく全員とコミュニケーションを取れるようにということは考えました。フェスのシーンは一応全員に挨拶させてもらいましたし。
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