全8枚には中島歩、河合優実、坂東龍汰の写真も
早川千絵監督最新作『ルノワール』新場面写真解禁、主人公フキが大人の世界で知る“哀しみ”とは
2025.04.29 14:00
© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners
2025.04.29 14:00
第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作で、日本では6月20日(金)に公開される映画『ルノワール』の場面写真が解禁された。
本作は、長編初監督作品『PLAN 75』(22)が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞した早川千絵監督の長編2作品目にして最新作。2作品連続カンヌ出品という快挙を達成した早川監督が本作で綴るのは、1980年代後半のある夏に両親と3人で郊外の家に暮らす11歳のフキの物語だ。ときに大人たちを戸惑わせるほどの感受性を持ちながら、自由気ままに過ごすフキ。しかし、闘病中の父と仕事に追われる母の間に大きな溝が生まれたことで、その日常が否応なしに揺らいでいく。
主人公・フキ役を演じるのは、多数の候補者の中からオーディションで抜擢された新人・鈴木唯。さらに、フキの母・詩子役に石田ひかり、父・圭司役にリリー・フランキー、フキが出会う大人たちとして中島歩、河合優実、坂東龍汰ら若手実力派俳優陣が出演する。

子どもと大人の淡い境目をたゆたう少女のひと夏を描いた本作で、マイペースで想像力豊かな主人公・フキは、事情を抱えた大人たちと触れあう中で、“うれしい・楽しい”という感情をむくむくと膨らませていく。時折見せる子供特有の残酷な一面や鋭い視線もあり、早川監督は少女が積み重ねていく感情のひだを細やかに描写すると共に、大人たちの人生のままならなさや、人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアを持って描き出した。

解禁された場面写真は、はじける笑顔が目を引くフキの姿をはじめ、母親が漕ぐ自転車の後ろで揺られる様子や病室で父親と手をつなぐシーン、クラスメイトと授業を受けているかと思えば明かりが灯る夜の街で虚ろな視点を向ける姿など、彼女のさまざまな表情を捉えたもの。また、併せてフキが出会う久理子(河合優実)、御前崎(中島歩)、薫(坂東龍汰)たちの写真も公開されている。

なお、12歳(2025年5月時点)でカンヌデビューを果たす鈴木が主演女優賞に輝いた場合、日本人初の主演女優賞の快挙となり、かつて主演男優賞を獲得した『誰も知らない』(04/是枝裕和監督)の柳楽優弥(当時14歳)より若い、史上最年少受賞を果たすこととなる。
場面写真 映画『ルノワール』©︎ 2025『RENOIR』製作委員会 / International Partners