2025.04.26 17:00
2025.04.26 17:00
地元で集まると私だけ宇宙人みたい(笑)
──ドラマではソロ飯の回もあれば、幼なじみや後輩と一緒に食事をする回もあります。同じご飯を囲む時間を通して絆を深め合えるのも、食の魅力。堀さんにも誰かとの食事の時間を通じて心が癒された経験はありますか。
やっぱり家族ですね。家族とのご飯の時間が一番好きです。今、家族は関東に引っ越してきているんですけど、それこそ朝から車で岐阜まで行って好きなご飯屋さんをめぐることもありますし。うちの家族はみんな食べるのが好きなんです。だからこそ、私がどんなに忙しくてもコミュニケーションをとれていたので、そういう時間はすごく大事だと思います。

──家族といえば、撫子さんも第4話で地元のお母様と電話をしていました。上京したての頃は堀さんにもあんな経験が?
ありました。そういうところはすごく似てるなと思いましたね。ただ、当時の私はまだ10代で、お母さんからの電話はすごくうれしかったんですけど、そこに時間を費やしすぎてしまうと全部やめて地元に帰りたくなっちゃう気がしたから、アイドル時代は極力自分からは電話をしないようにしていました。
──ストイックですね。
元陸上部なので(笑)。確かにストイックだと思います。体調を崩しても絶対に自分からは言わなかったし。這いつくばって病院に行って。一度、帯状疱疹になったこともあるんですけど、それも言わなかったです。

──じゃあ、アイドルを卒業してからのほうが家族には素直になれましたか。
そうですね。ちょうどそのあたりで家族もこっちに引っ越してくれて。私自身も大人になりましたし、うまいバランスで甘えられるようになりました。
──乃木坂46の卒業ライブのとき、家族への想いを吐露されていたのが印象的です。
私のアンコールのトークが長すぎて問題になったんですよ(笑)。普通ああいうコメントって5分とか10分くらいが平均なんですけど、気づいたら20分くらい喋っていたらしくて。配信ライブだったのもあって、お客さんの反応もなかったら、私もどれくらい喋ってるのか全然わからなくて。関係者のみなさんは配信時間があるから、ゾッとしたそうです。あれはやらかしました(笑)。

──家族とのエピソードもあれば、第3話で登場する幼なじみ(SUMIRE演じる凜華)のように、友人とのエピソードも描かれています。あの回の「私たちは変わっていく」「けど、変わっていく自分を共に楽しめる友人がいたら」というモノローグは20〜30代の女性には響くものがある気がします。
年に1〜2回、地元の友達と集まってご飯に行くんですけど、みんなもう結婚しているんですよね。それに対して私は「みんな、大人になったなあ」と思うんですけど、そう思うということはきっとみんなも私に対して同じことを感じているんだろうし。そんなリアルな感情があの回にはそのまま反映されている気がします。
──ライフステージが変わると、なかなか今まで通りの友達付き合いができない人も多い中、堀さんはあんまりそういうことを気にされないのが素敵です。
確かにみんなママだから、集まるときも動きやすい服装でメイクも薄め。そんな中、ド派手な服でメイクばっちりの私がいると、私だけ宇宙人みたいだなとは思います(笑)。ご飯を食べるときも、他のみんなは子ども優先。自分の食べることそっちのけで遊んであげたりしてるんですけど、私はガッツリ肉を食べてる(笑)。岐阜に帰ったときは、いつも自分を宇宙人だと思ってみんなに会っています。

──そこに疎外感を覚えたり悩んだりしないんですね。
しないですね。そこでコンプレックスを抱えて、急いで結婚をしてもろくなことにならないと思うので(笑)。住んでる環境も違うし、私はやりたい仕事や夢があるから働いている。だから違うのは普通だと思っています。結局ないものねだりなんですよね。子どもを育ていていも、働いていても、それぞれいいところもあれば、できないこともある。そこを羨んでも仕方ないので、久しぶりに会ったときはそういう違いを補い合った上で、励まし合えたらなと思っています。
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