2025.04.26 17:00
2025.04.26 17:00
強い人だ。何があってもブレない自分というものが、堀未央奈にはある。
だけど、その強さは決して自然由来のものではない。彼女が28年の人生の中で、ハードな想いも味わいながら、自ら勝ち取ってきた強さだ。だから、彼女の言葉は胸を打つ。
人と比べ合い、自分の幸せを見失いがちの現代に、ブレない堀未央奈はどんなことを思うのだろうか。

栄養と欲なら、勝つのは欲です(笑)
──『遺書、公開。』に続き、2度目のBezzyご登場です。前回、Tシャツに文字を入れるなら「私は悪くない」と入れるという話がすごく面白くて。
実はあのあと、ファンの方から「私は悪くない」とプリントされたTシャツをいただいたんです(笑)。
──そうなんですか! もう着てみました?
まだです。どこかのイベントで着たいなと思って、タイミングを探っているところなんですけど。
──今も「私は悪くない」マインドはしっかり持っていますか。
はい。というか、「私が悪いかも」と思うのって、ちゃんと自分でも後ろめたいことがあるって自覚しているときだと思うんですよね。そういうときは私もちゃんと自分が悪かったって反省します。
でも、自分に自信があって、言動にも後ろめたさがないのであれば、「私は悪くない」でいいじゃんっていう。そこで変に卑屈になったり謝ったりする必要はないなって思うんです。

──とてもいいマインドだと思います。そんな堀さんの最新主演作が、現在FODで配信中のドラマ『女優めし』。堀さん演じる和泉撫子のおいしそうな食べっぷりが、なんとも食欲をそそられました。
女優=品があって、食事も高級なものばかりで少食なんじゃない?という固定観念を覆すのが撫子さん。だからもりもりと豪快に食べることを意識しました。
──第1話のモツ煮込みとか、大衆的なお店に行くのもいいですね。
モツ煮込み、大好きなんです。昔、ある公園に行ったら、入り口にお団子屋さんがあって。おばあちゃんがやってる昔ながらのお団子屋さんなんですけど、そこのモツ煮込みがすごくおいしかったんですよ。なので、モツ煮込みには思い入れがあります。
──前回のインタビューでも、浜焼きがお好きとおっしゃっていたので、食の好みがわりと渋めなんだなと思いました(笑)。
確かにそうかも。お酒が好きなので、お酒に合う食べ物が好きなんだと思います。
──こういうグルメドラマって、撮影ですごく食べなきゃいけないから大変なイメージもあります。
確かにたくさん食べました。でも、撫子さんの場合、1回でめちゃくちゃ食べるというよりは、説明しながら食べていくのでペース的にはちょうど良くて。逆にもんじゃ焼きの回はあんまり食べられなくて、もっと食べたかったねってみんなで話していました。
──いろんな絶品グルメが登場しますが、中でも舌鼓を打ったのは?
第5話のナポリタンですね。私の中でナポリタンは麺が細めでケチャップが濃いめのちょっとしつこいイメージだったんですけど。今回いただいたのはケチャップの主張が強すぎず、優しい味なのに癖になる感じで、麺ももちもちの太め。学校の給食に出てくるナポリタンが大好きで、なんだか当時の給食を思い出すような味でした。
──このドラマって、実在のお店で撮影を行っているから、出てきたお店についつい行きたくなっちゃいますね。
そうなんです。ナポリタンのお店も新橋にあって。プライベートで行こうとしたんですけど、ちょうど定休日だったりで、まだ行けてないんです。どこかで時間が合えば、また行ってみたいですね。
──第2話の生姜焼きの回では、生姜焼きを食べる前に生姜づくしのサウナに行ってて。そんなふうに食べるだけじゃなく、その前後もセットで味わい尽くしているところもいいなと思いました。
本当に食が好きな人って、食べるまでの過程も含めて好きなんですよね。山頂で食べるおにぎりがおいしいのは山を登るという過程があるからだし。川沿いのバーベキューも準備は大変だけど、その分、やっぱり家で食べるお肉とは全然おいしさが違う。汗をかいてから食べるのが好きな人って、本当に食事が好きな人。そういう意味でも撫子さんは食べるのが大好きだし、ストイックな人なんだと思います。

──堀さんにも、これを食べるためなら前後の労力は惜しまないという食べ物はありますか。
地元の岐阜に好きな食べ物屋さんがあって。そこに行くためだけに、休日にわざわざ日帰りで岐阜に帰ることもあります。基本的に食べ物のためなら手段を選ばないタイプ(笑)。韓国日帰りも全然しますし、めちゃくちゃ行動力はあるほうなんじゃないかな。
あと、市民プールにある中華そばが大好きなんです。おじいちゃんとかおばあちゃんが通うようなごく普通の市民プールなんですけど、そこに併設されている休憩所兼レストランみたいなところで出てくる中華そばが昔ながらの中華そばという味で。中華そば目当てにプールに通っているみたいなことも幼少期はありました。親には「プール行きたい〜」って言ってたんですけど、本当は泳ぐのとかどうでもよくて、中華そばが食べたいだけでした(笑)。
──女優さんって美容や健康のことを気にして食事を管理されている人も多いと思うので、そこまで食に貪欲なのは意外でした。
そこはもうバランスだと思っていて。食べたいものを思い切り食べるときもあれば、この間食べすぎたから今日は自分でお味噌汁をつくってヘルシーなものを食べようって帳尻合わせをするときもある。もちろんジャンキーなものばかり食べていると体調を崩しちゃうので栄養については一応考えます。ただ、両方を天秤に乗せたら、勝つのは欲ですね(笑)。明日死ぬかもしれないんだから、食べたいと思ったらその日に食べたいものを食べます!
次のページ