2025.03.09 17:00
2025.03.09 17:00
この仕事は巡り合わせで授かるものがある
──そして現在は日曜劇場『御上先生』に出演中です。松坂桃李さん演じる主人公・御上孝の兄、宏太という重要な役どころですが、出演の話を聞いたときはどう思いましたか?
オーディションで決まったのですが、マネージャーさんから「日曜劇場、受かったよ」と聞いたときはすごくうれしかったです。でもその場では役は聞いていなかったんですよ。あとから役を聞いて、内容を聞いて、実際に台本を読んで「あれ? これはとても重要な役だぞ」と気付いたときに、焦りを感じました。でも読み進めていくうちに、この作品に宏太がいる意味や責任感を感じて、さっき言ったように「この人の人生を全うしてあげなきゃ」という気持ちになりました。

──撮影はいかがでしたか?
クランクイン初日に命を絶つシーンを撮ったんです。だから苦しかった……いや、「必死だった」というほうが正しいですかね。「苦しかった」というのは彼に失礼ですね。彼は人のために、自分の意思で命を絶ったので。必死で演じました。
──演じるのは難しそうな役ですよね。
そうですね。ただ、彼の言う言葉が僕にはすっと入ってきて。もちろん言葉自体は難解なものもありますけど、気持ちとして理解できないものはなかった。そう考えると、もしかしたら僕の中に、宏太のような考え方をする自分が隠れているのかもしれないです。
──作品にとってはもちろんですが、新原さんにとってもまた重要な役の1つになりそうですね。
はい。「最後の最後までお楽しみに」って書いておいてください!
──ちなみに新原さんご自身はどんな学生でしたか?
学生時代も、割とダンスに生きていましたけど、何かを作ることがすごく好きでした。高校生の時は“文化祭ガチ勢”だったので、夏休みも毎日学校に行って作業していましたし。そう思うと、幼い頃からものづくりが好きでしたね。というか、何かを見てもらいたい、見せたいと思っていた気がします。だから、今この仕事ができて良かったなと思います。

──さらに6月にはミュージカル『梨泰院クラス』の出演も決まりました。こちらに向けた現時点での意気込みも聞かせてください。
こんなに大人気な作品の、世界初のミュージカル化ということで、そんな作品に出演させていただけるということはすごくうれしいです。演じるチャン・グンスもまた演じ甲斐のありそうな役。僕の新たな一面として“ダーク泰佑”が火を吹いていくんじゃないかなと思います。
──ドラマ、ミュージカルで、2024年とはまた違う姿が見せられる1年になりそうですね。
なると思います。
──そんな2025年を彩るカレンダーが完成しました。今回のカレンダーは「誘い」をテーマにしたカレンダーだそうですね。
はい。「見てくれた人を“新原ワールド”に誘いたいね」という、シンプルなところから生まれたテーマです。と言っても、僕自身はどちらかという素直にそのまま立っていたと言う感じで。今回のカメラマンは濱田英明さん。濱田さんはすごく素朴に美しく人を撮る方なのですが、その写真からは力強さや物語を感じると僕は思っていて。それを生かして、“ロケーションやメアメイク、スタイリングなどは凝るけど、自分のマインドとしては素のまま立っている”みたいなアンバランスさが面白いんじゃないかなって思って、そういう撮影をしました。皆さんが素敵な衣装やメイク、ロケーションを用意してくださったので、それにどう応えようかということは考えましたけど、僕自身は特別何かをしたというわけではないという感じです。

──ある意味、衣装やメイク、ロケーションに“誘われるように”。
まさに。そのうえで、あとは濱田さんとのセッションという感じでした。
──濱田さんとはどんなやり取りを?
……撮影中は無言だったかも。あんまりしゃべっていないですね。でもカメラ越し、ファインダー越しにずっと会話をしている気分だったんですよね。心でセッションしているような感覚でした。
──出来上がったカレンダーを見て、新たに発見したご自身はありますか?
「意外にまつ毛長っ!」って思いました(笑)。自分の横顔を見ることってないので。1枚1枚全然違う顔をしているんだな〜とも思いましたし、でもそこに何か統一感も感じて面白いなと。自分のカレンダーですけど、普通にまじまじと見てしまいましたね。本当に素敵なカレンダーにしていただきました。
──では最後に、お芝居、ダンス含めて表現者としての今後の目標や展望を教えてください。
僕は基本的に「こういうものに出たい」とか「こういう役をやりたい」というものを作らないようにしているんです。自分で「僕ってこういう役が似合いそうだな」と思うのって、固定概念でしかないから。それこそアダム/レオとか、本島幸司って、自分では自分に似合うなんて思ってもいなかったような役だったんですよ。だけど、そういう自分では思ってもいなかったようなものが降ってくる……というか、巡り合わせで授かるものがあるのがこの仕事。だからそれに期待してみようと。
演出家の方やプロデューサーの方が「こういう役が似合いそう」とか「これをやってほしい」と思ってくださったものが、自分で想像していたものと違えば自分にとって新たな発見になるし、そういうものを皆さんに見つけていただけたらうれしいなって。僕という一人の役者を、いろんな方の手によってカラフルに染め上げてほしいなと思っています。そのためにも、僕自身は日々研鑽を積んでいきたいと思っています。
──「ダンスの自主公演を打ちたい」という気持ちも変わらず?
はい。変わらずにあります。いつか絶対に打ちます。ダンスの公演って、本気で作ろうとするとものすごくお金がかかるんですよ。でもそこに妥協はしたくない。打つなら満足いく公演を打ちたいので、僕は売れなきゃいけないんです。そのために、これからも頑張ります。
