マーベル最新映画で新キャプテン・アメリカの吹替キャストに
溝端淳平にとって“ヒーロー”とは?俳優として受け継いでいきたいもの、声優業の魅力を語る
2025.02.25 18:00
2025.02.25 18:00
僕の中のヒーローはいるだけで人を救う人
──サムはスティーブから“キャプテン・アメリカ”を継承しましたが、溝端さんご自身も何か誰かから託されたもの、受け継いだものはありますか?
わかりやすく託されたというわけではありませんが、蜷川幸雄さんの舞台『ムサシ』で初演では小栗さんが佐々木小次郎を演じていたんですけど、そのあとに僕が小次郎役を演じることになったんです。『名探偵コナン ドラマスペシャル』(読売テレビ系)の工藤新一役も僕が二代目だったので、なんだか小栗さんとはご縁を感じています。

──面白いですね。逆に、これまで先輩の俳優からいろんなことを学ばれてきた中で、これは“継いでいきたい”と感じたものってありますか?
今思い出すのは、阿部寛さんと『新参者』シリーズで初めて共演したときにインタビューで「今回、主演としてどう取り組んでいきますか?」と聞かれた際に、一言、「僕は主演として真ん中にいるだけで、あとは皆さんに染められていくだけです」というような発言をされていました。潔さというか、身を委ねて皆さんを信頼している姿勢がとても印象的だったのを覚えています。簡単なようで実は難しいことだと思いますが、今なら、その感覚が少しわかる気がします。
また、当時は理解できなかった先輩の言葉が、今になって腑に落ちることも多いと感じます。例えば、堤真一さんと舞台でご一緒した際に感じたことですが、堤さんは常に演出家を立てる姿勢を貫いていました。自分の考えがあっても、まずは演出家の意図を尊重する。その一本筋の通った生き方がとてもかっこよくて、自分もそんな人間になりたいと思いました。

──なるほど。それは溝端さんの考える“ヒーロー”に近いのでしょうか?
人のことを救おうとせずに救っている人が僕はヒーローだと思います。現場でも、その存在だけで周りが和むとか、その人がいるだけで現場が明るくなったり、みんなの士気が高まったりするような……そんなスターのような人だと思います。もちろん苦しい時に手を差し伸べてくれるヒーローも良いけど、僕の中でのヒーローは明るくて憎めない人間的に魅力のある人だと思います。
──ありがとうございます。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』をこれから観るファンに向けてメッセージをお願いします。
サム版“キャプテン・アメリカ”ということで、本当に新しいキャプテン像がそこにあると思います。本作の見どころの一つですが、サプライズも沢山あります。そして僕としてはラスト、戦いの終わり方に結構度肝を抜かれました。そこも新たなキャプテン像に繋がると思います。是非劇場でお楽しみください。
