2025.01.31 18:00
2025.01.31 18:00
「好きなものは好き」当たり前のことなのに、声高らかに言うことは簡単じゃない。
群雄割拠の芸能界で、村重杏奈が求められる理由は何だろうか。TVのバラエティーを中心に目にしない日がないほど活躍し続ける彼女が、2025年に映画デビューを飾った。しかもまさかの初出演で主演。1月24日公開のホラー映画『悪鬼のウイルス』で、太田将熙演じるYouTuberの智樹らと神隠しの噂がある村に行き、惨劇に遭う主人公・日名子を演じている。
インタビューで聞いたのは、女優業のこと、自身の現在地、芸能界でのサバイブ術など。当たり前のことを正直に、本気で一生懸命に。それができる村重杏奈と接してみて、心の霧が少し晴れた気がした。
お芝居は一番視野になかったジャンルでした
──今日は本作2度目の取材日ですよね。インスタで前回合計18社の取材を受けられたと拝見しました。主演俳優やってるな~っていう実感はありますか?
やっちゃってるな~!って思ってますね。こんなに取材していただくことないですし、村重自身の話をすることはあるんですけど、作品について話をする経験がないので。本当に新鮮ですね、ずっと。全然もう女優顔してますけど。なり切って言っちゃってますけど。
──たのシゲch(村重杏奈のYouTubeチャンネル)でも、スケジュールが詰まってる方が嬉しいとおっしゃっていました。今日もそんな感じですか?
すごいですよ。行ったり来たりをずっと繰り返して、正直もう途方に暮れるんですよ。でも、こんなにたくさんの方が村重に興味を持ってくださってるっていうのが芸能人!って思います。
──自分も実は作品を見る前から村重さんのお名前だけで「取材したいです!」と表明させていただきました。本当は見てから判断しないといけないんですけど。
え~! ありがとうございます。いやいや、見なくてもいいです!(笑)
──もちろん見ましたので(笑)作品の話を聞かせてください。まず映画初出演で初主演と聞いた時の感想はいかがでしたか?
ベタですけど、「マジで村重なの?」って思いました。なぜ?って思いましたし……お芝居のイメージ全くなくないですか?
──……そうですね。
だから、私も自分自身に「あれ?しげってお芝居してたっけ?」って思うくらい全くなくて。そんな中で、どこの誰が村重を推薦したんだろうって思うくらい「なぜ?」って出来事でしたね。バラエティーとかのイメージしかないだろうなと思ってたから、こんなことあるんだと思いましたね。
──でも本当に毎日のように何かでお見かけするから、いろんなことやられている印象はあって。だから逆にやってなかったんだと思いました。すんなり信じられました?
言ってる人たちがいつも仕事してる人たちだからさすがに信じました(笑)。最初は映画するかもって聞いてて、「あ、そうなんだ、何の役やるんだろう?」みたいな。そしたら「主演です」って言われて。え?なぜ?ですよね、やっぱり。セリフとか覚えられるのかなとか。お話をいただいて「主役?本当に?」の後に思ったのが「台本覚えられるかな?」だったんですよ。月9に出させてもらったことがあって、その時は何行かだったのでいけたんですけど、自分のイメージしている主役って皆さんセリフ量が半端ないじゃないですか。それやるの?っていう緊張感もありました。
──月9に出るまでは演技についてどういう思いがありましたか?
見る専門ですよね、確実に。ドラマも映画もすごい好きなんですけど、まさか自分が出るとは思わなかったですし、できるタイプとも思わなかったし。正直一番視野になかったジャンルでした。
──いくつかベタな質問を続けますが、今回撮影に入るまでにどんな準備をされましたか?
準備する時間もなかったんですよ。もうずっとバラエティー撮ってたんで。台本の覚え方もわかんないし。「グキッ!」って書いてあったりして、「これ『グキッ!』って読むの?」とか「これは効果音ですか?」とか、台本の読み方から始まる状態だったので、そういう面では正直台本を読み込むってことしか準備してないですね。あとは原作読んで。そういうことしか準備できてなかったですね。
──誰かにアドバイスを求めたりは?
一緒に出てる太田(将熙)くんは撮影が一緒になってから同じシーンがすごい多かったんですけど、彼がずっと役のこと考えてるタイプだったから聞きやすくて。「この感情ってどういう感じだと思う?」とか積極的に聞きに行きましたね。
──村重さん自身は日名子を演じるにあたって、どんなことを意識しましたか?
日名子の設定が割とふわっとしてる状態から始まったんです。ただ決まり事だったのは、“お嬢様”なんですよ。たまにお嬢様がつるむ奴間違えてちょっと不良になりかけちゃう時ってあるじゃないですか? 若干そんな感じなのだったのかなっていうのもあって。気も強いですし、言いたいことをズバッと言いますけど、でもどこか女の子らしい部分もあったりして。結構逃げまどったりもしてて、いざというときビビりな感じですよね。私はもうずっとビビりなタイプなんで。
──え、普段の村重さんはビビりなんですか?
はい。ビビりですし、変なところ強気で。でも日名子とはちょっと違うなって。お嬢様でもないし。だからいかに村重を消すかじゃないですけど、そこがやっぱ大変でしたね。
──月9に出られた時も、監督から「村重抑えめ」みたいなことを言われてた、というお話を拝見しました。
ていうか、「“村重抑えめ”ってなんですか?」って思うじゃないですか(笑)。バラエティーでは“村重”で戦うけど、お芝居ってなると“村重”じゃなくて、“その子”で戦わなきゃいけないのが難しくて。今でも「あれって正解だったのかな?」って思ってるぐらい、役って答えがないじゃないですか。今回は原作があったので、こんな感じかな?とかどちらかと言えばイメージしやすかったと思うんですけど、それでも原作と映画はまた違うから、みんなが思ってる日名子が村重が思ってる日名子じゃなかったりとかする時にうわーってなっちゃうことはありましたね。
次のページ