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INTERVIEW

映画『ありきたりな言葉じゃなくて』で秘密抱えるヒロインに

役は“そうだったかもしれない自分の人生”、小西桜子が演じる上で大切にしていること

2024.12.27 18:00

2024.12.27 18:00

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悔しい思いで始まったから、今すごくありがたみを感じている

──りえという役は作品で語られていないところが多い、「余白」が多い役だったと思うのですが、役作りはどのように?

監督と一緒に、りえの小さい頃から現在に至るまでの経歴とか、こういう体験をしてきてこういう夢を最初は持っていて……みたいなところから埋めていきました。それをひとまず念頭に置きながら、なるべく余白をあえて残した状態で演じていったんですけど、それをそのまま見る人にゆだねるというよりは、作り手の中で一つの「りえ像」を一緒に作っていった感じです。

映画『ありきたりな言葉じゃなくて』より ©︎2024テレビ朝日映像

──舞台が映像業界の話というのもあるんでしょうけれども、作り手の皆さんの熱量みたいなものをすごく映画から感じました。

そうですね。あとやっぱり、テレビ朝日映像さんの初めてのオリジナル長編映画ということも大きかったのではと。「いいものにしたい」という思いが現場でもすごく感じられたような気がします。そこへの思いは私たち演者の方も一つだったので、そういう“初めての映画製作”に参加させていただけたのは光栄だな、と思っています。

──小西さんは本格的に映像での活動を始められたのが2020年からで、ちょうどコロナ禍でのスタートとなった印象があります。活動当初と比べて、今の状況というのはいかがですか?

初めて出演させていただいた映画の公開が、ちょうど新型コロナウイルスの流行が始まった頃だったんですね。舞台挨拶が中止になってしまったり、舞台初日挨拶とかもなく映画が公開されたり……という状況で。あのときに映画を観てくださった方から「客席がガラガラだったよ」と言われたりしたのが、ちょっと悔しいなと未だに思っていたりするんですね。だから今、コロナも落ち着いて、映画というものに皆さんが足を運んでくださっている。客席がちゃんと埋まっているような映画をお届けしたいと思いますし、そういう作品に関われていることにすごくありがたみを感じています。

──以前出演されていたインタビューで、「いつかNHKの朝ドラ(連続ドラマ小説)の主役を演じたいと神社に願掛けをした」と拝見したんですが、それは何かきっかけがあったんですか?

実は、朝ドラのオーディションで最終審査に残らせていただいた年があったんですけど、そのときに今までのどんな仕事よりもかつてないくらい緊張したんです。審査の場面で「自由に喋ってください」と言われたんですが、何か喋ったら泣いてしまいそうなくらい緊張していたんですよね。挨拶で言葉が出ないくらい、そこまで追い詰められたのが、キャリアの中で初めてだったんです。その時に「ああ、私はこの役をこんなにやりたいんだな」と改めて実感して……。その後も数年、なかなかオーディションが通らなかったり、もうお芝居をやめようかなと思ったとこともあったんですけど、でもここでやめてしまったらあのときのことが「ただの体験」であり、結果に結びつかない。単なる過程で終わってしまう、それが悔しくて。なのでいつか主役を演じることで、このことを過程ではなく「結果」として公に言えたらいいなと。なので、声を大にして最近目標として言うようにしています。

──最近個人的に観て面白かったエンターテインメント作品はありますか?

……『ダンダダン』ですね(笑)。

──アニメですか? マンガの方ですか?

アニメのほうです!

──結構マンガとかアニメは観たり読んだりしますか? 

しますします。2024年は一番印象に残っているのはマンガ『進撃の巨人』ですかね。『進撃の巨人』がなかったら本当に心が折れていたんじゃないか、みたいな瞬間がたくさんありました。エレンもミカサもアルミンも私の100倍も1000倍もつらい思いをして、こんなに強い思いで前を向いたんだと思うと(笑)自分なんかこんなところで腐ってる場合じゃないなという思いにさせてもらって。この作品に出会えて良かったな、と思ってます。

──そういえば、小西さんはInstagtamにご自分で描かれた様々な作品や人物のイラストを時々アップされていますが、すごくお上手ですよね!?

ありがとうございます(笑)。「描きたい」という気持ちになるのって、いい作品を観て心を動かされたり、自分も何かを作りたい! と思った時だったりするんですよ。だから自分の好きな気持ちを表したかったり、美しいと思った瞬間を切り取って描いています。

──Instagramといえば、今回撮影を担当したフォトグラファーはInstagramがきっかけでデビュー前から小西さんを撮影していたと伺いました。そのようにSNSで自分から人や作品と出会いつながっていくことは多いのですか?

自分が割と自分の中の世界に留まりがちなタイプなので、意識して外に範囲を広げて、いい相互関係……お互いに影響し合えるような関係があればいいな、と常に思っているタイプです。だからアプローチしてくださる方には応えたいなという思いもあるし、今日みたいにそうやって知り合った方とお仕事の現場でご一緒できると、それはすごく嬉しいんですね。だからこれから先も、こういう関係性を作れる方と出会えれば……って思います。

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作品情報

ありきたりな言葉じゃなくて

©︎2024テレビ朝日映像

©︎2024テレビ朝日映像

ありきたりな言葉じゃなくて

2024年12月20日(金)より全国公開
2024年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/105分/G
配給:ラビットハウス
制作プロダクション:テレビ朝日映像

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:前原滉
小西桜子 内田慈 奥野瑛太 那須佐代子 小川菜摘 山下容莉枝 酒向芳
池田良 八木光太郎 沖田裕樹 敦士 鈴政ゲン 加藤菜津 佐々木史帆 高木ひとみ 谷山知宏 今泉マヤ 根岸拓哉 チャンス大城 土屋佑壱 浅野雅博 外波山文明 玉袋筋太郎
脚本・監督:渡邉崇
原案・脚本:栗田智也
製作・エグゼクティブプロデューサー:若林邦彦
企画:陣代適
統括プロデューサー:阪本明 粟井誠司 安田真一郎
プロデューサー:丸山佳夫
キャスティングプロデューサー:山口良子
脚本協力:三宅隆太
音楽:小川明夏 加藤久貴
撮影:長﨑太資
照明:後閑健太
録音:山口満大
助監督:吉田至次 畑山友幸
スタイリスト:網野正和
ヘアメイク:渡辺真由美
制作担当:岩下英雅
編集:鷹野朋子
カラリスト:長谷川将広
音響効果:佐藤祥子
配給統括:増田英明
宣伝プロデューサー:橋本宏美
スチール:柴崎まどか
宣伝:ブラウニー

1998年生まれ、埼玉県出身。応募総数約3,000人の中から映画『初恋』(20)のヒロインに抜擢され、注目を集める。
主な出演作は映画「初恋」「映像研には手を出すな!」(20)「佐々木、イン、マイマイン」(20)「はざまに生きる、春」(23)「僕らの千年と君が死ぬまでの30日間」(23)、ドラマ「猫」(20)「レンアイ漫画家」(21)「スイートモラトリアム」(23)「御手洗家、炎上する」(23)などにも出演。など映画やドラマで幅広く活躍している。
今後も12月20日公開の映画「ありきたりな言葉じゃなくて」、来年1月11日スタートのドラマ「風のふく島」(テレビ東京系)、1月14日スタートのドラマ「まどか26歳、研修医やってます!」に出演する。

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