10月期ドラマ『着せ恋』で地上波連続ドラマ初主演を飾る
野村康太が語る、俳優としての開花「仕事は思ったより大変で、思ったより楽しい」
2024.10.22 18:00
2024.10.22 18:00
役を通して成長できるのがこの仕事のすごいところ
──新菜は雛人形職人の祖父に憧れ、雛人形の顔をつくる「頭師(かしらし)」 を目指していますが、役作りのために人形作りを習ったり?
はい。雛人形工房を見学させていただいて、そこで教えてもらいました。道具を持ち帰って、家でも練習しています。携帯のロック画面も雛人形にしています。ミシンを使うシーンもあるので、ミシンも家で練習して、今ではパーカーの着丈を詰められるようになりました。そのせいで、持っているパーカーが、ほぼ短丈になっちゃいました。役作りという点では、和室で生活している新菜の生活に馴染むために、撮影中は僕も家の和室で暮らすようにしています。
──お裁縫なんて、小学校の家庭科以来なのでは?
そうなんです。ミシンは、だいぶ慣れました。洋服好きなので、リメイクには以前から興味があって、ミシンが新たな趣味になりそう。モデルもやっているので、そこは極めたいですね。それより、人形にお化粧をするのが難しすぎて……。お顔を描くってすごく繊細で、まさに職人技なんですよね。海夢にメイクするシーンも実際にやってます!
──女の子にメイクするなんて、緊張しますね。
ド緊張でした(笑)。ふだん自分でメイクすることもないから、メイクさんに教えていただいて、事前に友達に練習台になってもらったりもしました。
──新菜は頭師を目指す高校生ですが、野村さんはどんな高校生でしたか。
バスケがすべてでした。教室ではすごく静かだけれど、部活では副キャプテンもやって、盛り上げ役で。人と喋るのは、大好きな高校生でした。
──全国大会に出場するくらいですから、部活一筋だったんでしょうね。
バスケ部は寮生活をしていたので、3年間、毎日一緒だったのも大きいですね。休みの日もみんなで一緒に出かけたり、楽しい思い出でしかなくて。いい青春時代でした。
──なぜバスケを始めたのですか。
兄のバスケの試合を見に行ったら、すごくカッコよくて。当時、僕は小学校6年生で175センチあったから、それも活かせると思った。何より、「バスケをやっている子は人気者になれる」という噂を信じたのが、一番の理由です(笑)。
──モテ狙いから本気になったバスケ少年が、俳優になったのはなぜですか。
高校2年のころに、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』を見直したことがきっかけです。僕はこのドラマからとても影響を受けたので、僕も誰かに良い影響を与えられる存在になりたいと思ったのもあるけれど、何より、菅田将暉さんのお芝居に圧倒されて……。それですぐに父に俳優になりたいと相談をして、ありがたいことにいま俳優のお仕事ができています。
──トントン拍子に話が進んだんですね。飛び込んだ俳優というお仕事は、想像通りでしたか。
思った以上に大変でした。でも、すごく楽しいお仕事でもあります。いろいろな方に出会えるし、いろいろな人生を経験できる。思ったより大変で、思ったより楽しい仕事でした。
──お芝居に目覚めたのですね。
そうですね。お芝居って、人間として成長できるんですよ。作品を通して学べるし、人と出会って学べるし。役を通して別の人生を生きて、いろいろなことを知ることができる。そこはこの仕事のすごいところだと思います。
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