FUJIROCK FESTIVAL'24特集 #5
庄村聡泰のフジロック’24滞在記──歴史と今を思い出に焼き付けたDAY3
2024.09.12 17:30
TURNSTILE ©︎ Taio Konishi
2024.09.12 17:30
大正解だったサザンロックのオールスターズ
筆者はTHE ALLMAN BROTHERS BANDの大ファンである。よってこれだけは観ないという選択肢は最初からなかった。というのは嘘でやっぱ当日になって若干ノエルと迷ったしTURNSTILEを最初から観るのも迷った。でも結果彼らを選択して本当に良かった。フジロック2024、ヘブンの最終アクトはTHE ALLMAN BETTS BAND。ツインドラムという編成までもが先代のフォーメーションを踏襲しており、Devon Allman(Vo.Gu)の歌声なんかはもうパパ(Gregg Allman)の面影感じまくりで先日惜しくもこの世を去ったDickey Bettsを父に持つDuane Betts(Vo.Gu)もルックスやプレイなど至る所にその面影を感じさせる。そこにCELEBRATION OF THE METERSからダブルヘッダーでの出演となったIvan Nevilleがオルガンとして加わる形となったので結果としてTHE ALLMAN BETTS NEVILLE BANDとなり、それはもはや本来の意味でのサザンオールスターズとも言える編成であったのだ(笑)。
基本、自身の楽曲を中心としたセットの合間に父親のバンドの曲を挟んでいくスタイルでのライブであったが双方超上質なサザン/ブルースロックなので新旧混合セットでも全く違和感なし。オールマンブラザーズの「Blue Sky」が醸す雄大なグルーヴやオールマンベッツの楽曲「Down to the River」の熱いコール&レスポンスなど、途中強めに降り出した雨も何のその。とても暖かな空気感にヘブンは包み込まれていた。ラストはTHE ALLMAN BROTHERS BANDのファーストアルバムより「Dreams」。正に夢心地な3拍子のリズムで丁々発止のジャムセッションを繰り広げるメンバーたち。いつまでもこの音に抱かれていたいとすら思った。本当はファーストアルバムのその次の曲でありアルバム最後を飾る曲でもある「Whipping Post」が聴きたかったんだけどまあある意味とてもハマりのいい(正)夢オチだったってことにしておきましょう(笑)。
今年も大満足の3日間、その最後はTURNSTILEで締め。ステージ上にとんでもない人数が上がりまくる様を観て「イギーよりスゲエ(ステージに観客を上げるパフォーマンスはIGGY POPのお家芸。過去のフジでも何回もやってる)!」なんて笑いながらヘブンで偶然出くわしたフジ連続参加19年目を誇る大学時代の先輩と最後のビールを乾杯し、アンコールとしてパレスとピラミッドガーデンの中間辺りに位置するどん吉カフェにて体力気力の限界まで酒を酌み交わしましたとさ。
……やってしまった。結果今年も狂気の文章量となってしまった。昨年の日記(もはやこう呼ばせて下さい)を読み返すにあたり我ながら「いや、長えし」と思ったので今年はもうちょいコンパクトに纏める予定が、またこんなことになってしまった。
今年もやってしまったということはそれを来年に活かせばいいという話なのでやっぱ来年もその先も一つよ(以下略)。
私的最終日ベストアクト:NO PARTY FOR CAO DONG