FUJIROCK FESTIVAL'24特集 #3
庄村聡泰のフジロック’24滞在記──洋邦どちらのショーマンシップにも痺れたDAY1
2024.09.10 17:30
THE KILLERS ©︎ 2024 Chris Phelps
2024.09.10 17:30
魅せまくりだったTHE KILLERS
万感の思いでグリーンのこの時を迎えたオーディエンスもさぞ多かったことだろう。1日目のヘッドライナーはTHE KILLERS。前回記事でも記した通り、収録曲が未だに世界中をロックしまくっているでお馴染みのデビューアルバム『Hot Fuss』から20周年。そして初来日もその20年前のフジロックであり、しかも奇しくも初日(出番はレッドマーキー3番手)であったのだ。SZAのキャンセルに伴う出演というハプニング込みで、偶然にしてはあまりにもできすぎた話ではないだろうか。
Brandon Flowers(Vo,Syn)が操るキーボードスタンドに装飾された「K」の電飾がギラギラと光る中、「ファビュラスな街、ラスベガスから来ました!We Are The Killers!!」とお決まりの口上から「Somebody Told Me」が炸裂。キャリア総ざらいの絢爛豪華なセットリストもそうであるが、とにかくBrandonのショーマンシップの高さといったら。全ての動きがキザったらしく大仰だがここまで堂に入ってしまうともう手がつけられない。完璧なアクションと歌唱力でもって広大なグリーンステージを完璧に掌握してみせる。それがあるのも素晴らしく堅実な演奏陣がバックにいるからこそなのであるが、そんな中実はとんでもない暴れ太鼓で音源以上の迫力と音数で攻めまくっていたRonnie Vannucci(Dr)が我が推しであり、このドラムを体感するのがもう一つの楽しみでもあったのだった。
ドラムと言えば今年のベストアクトの一人と言っても良かろう。「For Reasons Unknown」を最高の技術と愛情で叩ききったWataru氏が所属するNapeも要チェックですぜ。本編ラストの「All These Things That I’ve Done」で紙吹雪を舞わせたかと思えばアンコールでパープル?ピンク?の紙吹雪をお代わりするというサイコーな演出(Brandonがまさにその色のジャケットに着替えていたのでわざわざ色味も合わせたのだろう笑)もあり、最後は「Mr. Brightside」で大団円。この上ない至高のロックショー、ここに極まれりの瞬間であった。
こちら3日連続の公開とのことで2日目は明日公開予定。夏休みの宿題の提出時期としてもぴったりのタイミングである。狙ったんじゃろか。
私的初日ベストアクト:THE KILLERS