『ウォーキング・デッド』から数年経った今の心境とは
『ブルー きみは大丈夫』ケイリー・フレミングが「これ以上はない」と語った撮影体験と学び
2024.06.17 12:00
©︎2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2024.06.17 12:00
何歳だって困難を乗り越えなければいけない時はある
──『ウォーキング・デッド』に出演していた時は11歳くらいでしたよね。すっかり時の流れを感じてしまいます。
『ウォーキング・デッド』には4年間、3シーズン出演していました。最高の体験でしたね。あの番組で生涯の友情をたくさん築いたし、私たちは本当に“家族”だったんです。だからいつでも作品には感謝しているし、今でも何人かのキャストとは連絡を取ったり、コミコンとかで会えたりするのが凄く嬉しいです。みんなで一緒にディズニーランドにも行ったりしますよ(笑)。凄く楽しいの。
例えば最終シーズンの最終話の撮影が終わった時は私と母、そしてリディア役のキャシー・マクリンシーとジェリー役のクーパー・アンドリュースとアルデン役のカラン・マッコーリフのみんなでフロリダのディズニー・ワールドに行きました。とても楽しかったです。監督のグレッグ・ニコテロとも一緒に行きました。
──あれから何年も経ちましたが、今後俳優あるいは個人として挑戦したいことはありますか?
わからないんですよね。他の人にも「将来何をやりたい」とか「どんな役を演じたいか」とか聞かれるんですが、この映画は私がずっとやりたいと思っていた作品だからその先についてなかなか答えられませんでした。正直、私にとってこの経験を超えるものに今後出会えるとは今はまだ思えないんですけど、考えていかないといけませんよね。
──私自身、本作を通して気づきと学びを得たのですがケイリーさん自身が学んだことはありますか?
観る人次第でいろんなことが学べる作品だと思います。何歳で観るかによっても感じ方が異なるでしょう。そんな本作から私が学んだことは、「大人になるのは怖いことではない」ということ。私はいつも大人になるのが少し怖かったんです。そして、どんな問題に直面しても決して1人ではないこと。誰だって、何歳の時だって困難を乗り越えなければいけない時はやってくるから。あとはさっきも言った、ルイスのセリフ……「愛するものを決して忘れることはない」ことです。
実は私、記憶力がひどいんです。いつも何もかも忘れてしまう。治し方もわかりません。でも、本作の撮影のことは忘れたくなかったんです。だから時間が経っても振り返られるように、撮影中できるだけ多くの写真を撮りました。ライアンにも「忘れてしまうことが怖い」って話をしたことがあります。そしたら、「思い出すのに一番いいのは本作を観ること」って教えてくれたんです。この映画を初めて観たとき、正直映画としてちゃんと咀嚼できませんでした。観ていると「あ、この日の撮影覚えている」ってことばかり考えていたから。あの日は凍えるような寒さだったな、チョコレートケーキをお昼に食べたな、とか。だから彼のアドバイスは正しかったんです。映画を観た瞬間、撮影のときの記憶が一気に蘇ってきたので。彼はいつも素晴らしいアドバイスをくれます(笑)。
──本当に優しいですね。では最後に、まだ10代のあなたがこれから何歳も歳を重ねていくなかで“これだけは忘れたくない”ってものは何ですか?
いい質問ですね。うーん、忘れたくないことはたくさんありますよね。またもう少し大人になったら答えられる気がします。
『ブルー きみは大丈夫』場面写真 ©︎2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.