2024.04.10 05:00
2024.04.10 05:00
2025年に公開される吉沢亮主演映画『国宝』の新キャストが解禁され、主人公の親友でライバルとなる歌舞伎界の御曹司・大垣俊介役に横浜流星が決定した。
原作を手がける吉田修一は2002年『パレード』で山本周五郎賞、『パークライフ』で芥川賞、2007年『悪人』で毎日出版文化賞など数々の賞に輝く小説家で、中でも『国宝』は最高傑作との呼び声高い作品。2017年から朝日新聞にて連載され、歌舞伎界を舞台にした内容が話題となり、2018年に単行本化された。吉田修一自身が3年間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし書き上げた渾身の作品となり、2019年には第69回芸術選奨文部科学大臣賞と第14回中央公論文芸賞をダブル受賞。歌舞伎の世界を描いていることから映像化不可能と言われており、先日映画化発表されると大きな反響を呼んだ。
出演が決定した横浜は、『新聞記者』(2022年/Netflix)、『アキラとあきら』(2022年)、『線は、僕を描く』(2022年)など数々の話題作に出演し、2022年『流浪の月』では第47回報知映画賞助演男優賞を受賞。昨年2023年『ヴィレッジ』『春に散る』での演技が高く評価され、2年連続で報知映画賞主演男優賞を受賞する快挙を成し遂げた。 特に『春に散る』では、ボクサー役を演じるにあたりプロテストに挑戦し見事合格。さらに2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では主人公・蔦屋重三郎を演じることが決定している。
その横浜が今回挑むのは、名門の跡取り息子として幼い頃から芸の世界に生き、歌舞伎役者になることを運命づけられた俊介。吉沢亮演じる任侠の一門に生まれた主人公・喜久雄(吉沢亮)が引き取られた家の跡取り息子で、親友となった喜久雄と共に芸を磨いてスターダムを駆け上がっていく。また、名門の血を引く俊介と芸でのしあがる喜久雄のライバル関係もこの映画の大きなみどころとなる。
横浜も吉沢同様これまで踊りの経験がなかったため、昨年3月よりまずまっすぐ歩くことから稽古を始めたが、元極真空手世界チャンピオンの体幹の強さもあり、めきめきと踊りの腕をあげていったという。先に稽古を始めていた吉沢に追いつけ追いこせと、他の仕事の合間を縫って日々稽古に励み、自宅での練習も欠かさなかった横浜は、歌舞伎の家に生まれた役者に見えるようにと全身全霊を捧げてこの役に挑んでいる。初めて吉沢と二人で踊った昨年12月にはスタッフ全員が驚くほど息のあった舞踊を見せたといい、撮影中も空き時間を見つけては稽古に励んでいるとのことで、横浜自身も「目指す頂きは途方も無く高いですが、険しい方が自分は燃えますし、喜久雄を生きる吉沢くんと共に刺激し合い、見えない頂上を目指して一歩一歩着実に歩み、必ず辿り着いて、見たことの無い景色をこの目に焼き付けたいと思います。」と熱いコメントを寄せている。
メガホンをとるのは、『フラガール』(2006年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞を受賞した李相日監督。初めて吉田修一作品に挑んだ『悪人』(2010年)は、第34回日本アカデミー賞13部門15賞受賞、最優秀賞主要5部門を受賞し、第35回報知映画賞作品賞、第84回キネマ旬報日本映画ベストテン第一位、第65回毎日映画コンクール日本映画大賞など国内のあらゆる映画賞を総なめにし、第34回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で最優秀女優賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得た。2022年、李が監督した『流浪の月』に出演した横浜は「俳優人生の転機となった」と語っており、今回『国宝』で再びタッグを組むことになった。
横浜流星 コメント
李組に再び参加できることを光栄に思います。歌舞伎の世界を生き、沢山のことを吸収して芝居を磨けたらと思っていますし、最大の敬意を持って歌舞伎役者、大垣俊介を人間臭く生きます。 目指す頂きは途方も無く高いですが、険しい方が自分は燃えますし、喜久雄を生きる吉沢くんと共に刺激し合い、 見えない頂上を目指して一歩一歩着実に歩み、必ず辿り着いて、見たことの無い景色をこの目に焼き付けたいと思います。歌舞伎の魅力を一人でも多くの方々に届けられるよう、キャストスタッフ一丸となって全力で務めますので、ご期待下さい。
李相日(監督)コメント
ひとたび役が宿ると、あの長いまつ毛の下の瞳に情念が見え隠れする。『流浪の月』では嫉妬の炎がその瞳を歪ませたが、梨園の御曹司という過酷な宿命、流転の人生を背負った瞳の奥には何が立ち顕れるのか。難役であるほどに研ぎ澄まされていく横浜流星に期待しかありません。