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無断でAIに学習させることを止めるよう求める

ビリー・アイリッシュ他200組のアーティストが“AIの音楽使用”に抗議

2024.04.04 20:35

出典:https://artistrightsalliance.org/

2024.04.04 20:35

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リアム・ギャラガーの声をAIで再現した架空のアルバム『Aisis』がファンによって公開されたり、AIによって生成されたザ・ウィークエンドとドレイクの“偽の楽曲”が販売停止になるなど、連日話題になるAIの音楽使用。スティング、コリィ・テイラー、アイス・キューブ、ブライアン・メイなど、多くのアーティストがAI技術の音楽的使用を批判しているなか、約200のアーティストや著作権管理団体が署名したAIに関する書簡が先日公開された。

「Stop Devaluing Music」(音楽の価値を下げるのは止めよう)と題された同書簡にはビリー・アイリッシュ、スティーヴィー・ワンダー、ジョン・ボン・ジョヴィ、ニッキー・ミナージュ、フランク・シナトラ財団などが署名。AIの開発企業などに対して、無断で楽曲を機械学習させることを止めるように求めており、「AIの略奪的な使用」は「人類のクリエイティビィティに対する攻撃」だと警笛を鳴らした。

「以下に署名した私たち、アーティストおよびソングライティングコミュニティのメンバーは、AI開発者、テクノロジー企業、プラットフォーム、デジタル音楽サービスに対し、人間のアーティストの権利を侵害し価値を下げる行為にAIが使用されていることを抗議します。

誤解しないでください。AIは責任を持って使用した場合、人間のクリエイティビティを向上させ、世界中の音楽ファンにとって新しくエキサイティングな体験を可能にする大きな可能性を秘めていると私たちは信じています。しかし残念ながら、一部のプラットフォームや開発者はAIを利用してクリエイティビティを妨害し、アーティスト、ソングライター、ミュージシャン、権利所有者の存在を弱体化させています。

無責任にAIが使用されると、私たちのプライバシー、アイデンティティ、音楽、さらに生活に大きな脅威をもたらします。許可なくAIモデルのトレーニングに私たちの作品を使用している大企業もいます。これらの組織は人間のアーティストの作品を、AIが生成した大量の“サウンド”と“画像”に置き換えることを目的としており、アーティストに支払われるロイヤルティを大幅に奪います。ただただ生計を立てようとしている現役ミュージシャン、アーティスト、ソングライターの多くにとって、壊滅的な事態となるでしょう。抑制されなければ、底辺への競争が始まり、私たちの仕事の価値が低下し、その仕事に対する正当な報酬も得ることができなくなります。

人間の創造性に対するこのような攻撃は止められなければなりません。プロのアーティストの声や肖像を盗み、クリエイターの権利を侵害し、音楽エコシステムを破壊するAIの“略奪的な使用”から身を守らなければなりません。

すべてのAI開発者、テクノロジー企業、プラットフォーム、デジタル音楽サービスに対し、ソングライターやアーティストの芸術性を損い、否定するようなAI音楽生成テクノロジー、コンテンツ、ツールを開発または導入しないことを誓約するよう呼びかけます。私たちの仕事に対する正当な報酬です」

昨年の9月にはSpotifyのCEO、ダニエル・エクがAIの音楽使用について「例えば、本当はマドンナの曲じゃないのに、マドンナの曲だと偽って誰かがアップロードすることも考えられる。Spotifyの歴史上、ありとあらゆる不正を試みる人たちを見てきた。そのような問題を対処する大きなチームがSpotifyにはある」と、対策チームがあることを明かしていた。また、SpotifyはプラットフォームにアップロードされているカタログをAIに学習させることも禁止している。

同書簡に署名した全アーティストのリストは以下の通り。

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