2024.03.21 19:00
2024.03.21 19:00
この2年が人生における大きな分岐路
──当たり前のことかもしれないですが、これだけ忙しいのによく台詞を覚えられるなあと思います。
そこはもう気合いです(笑)。
──台詞はいつもどこで覚えてるんですか。
移動中の車の中とか、暇さえあれば台本に目を通して、という感じですね。エビングハウスの忘却曲線ってあるじゃないですか。このタイミングで復習したら忘れないんだな、みたいなのはちょっと意識していて。時間を置きながら何回か台本に目を通して頭にすり込ませるというやり方が多いですね。
──俳優業とグループ活動の両立ってスケジュールも大変だと思います。忙しい中でもちゃんと成果を出すためのハックって何かありますか。
基本中のキなんですけど、すぐやることですね。時間がない時間がないと言いますけど、時間はつくるものなので。たとえば家に帰ってきたとします。そのときに、フーッて腰を下ろして休憩したらもう終わりですね。帰ったらまずは着ていたものをハンガーにかけて、お風呂を入れて、明日のスケジュールを確認して準備をする。ダラダラせずに、今やるべきことをすぐにやろうということは、特に今年1年心がけていることです。
──ああ、ついダラダラとネットを見ちゃいますね……。
わかります。僕も見ちゃいますよ、見ちゃうときもあるんですけど、最近はそういう怠惰な自分に鞭を打ってます。
──それを心がけるようになったのは何か理由があるんですか。
やっぱり20代という時間でしかできないことってあるじゃないですか。絶対やらなきゃいけないことはもちろんやるんですけど、大事なのってきっと緊急性はないけれど、やっておいたら自分の財産になることなんだろうなって。それをやるためには時間を無駄にしてはいられないなと。
もうすぐ26歳になるんですけど、26歳から27歳の2年間は自分の人生における大きな分岐点になると思っていて。いつか振り返ったときに、あそこで人生でいちばん頑張ったから今があると言える年にしたい。そのためには、ダラダラとネットを見ている場合ではないなと自分を戒めています。
──昨年11月、日経トレンディの「来年の顔」にも選出されました。今のご自身の状況をどう受け止めていますか。
素直にうれしいです。ほんの数年前までは「インスタのフォロワー数100万人いきたいです!」ばっかり言ってましたからね(笑)。
──フォロワー数100万人はよく言ってました(笑)。
言ってましたよね(笑)。その目標もそうやってがむしゃらに頑張ることで、なんとか達成できました。でも、自分が本当に目標としている場所にはまだまだ程遠いですし、今のままじゃ絶対辿り着けないのはわかっている。今の自分を正解か不正解かにするのは自分次第だと思うので、過去のことも全部正解にするために今を頑張りたいです。
──佐野さんは、いい意味で現状不満足の精神を持ってらっしゃるところが魅力だと思います。
現状維持は退化という言葉がありますけど、本当にその通りだと思っていて。満足しちゃう自分が怖いんです。それこそ周りから「今のままでも十分だよ」と言われることがあるんですけど、その言葉に甘えてしまうのが怖いから、できれば聞きたくないなと思うくらい。
──佐野さんくらいの世代って身の丈主義の方が多い気がして。だから、佐野さんの向上心の高さはすごく印象に残ります。
確かにあまりいないんですよね、同世代で熱く語れる人が。
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