2023.12.20 18:00
SHERBETS 2023年12月13日渋谷CLUB QUATTRO公演より
2023.12.20 18:00
まだまだがんばろうかなと思ってる
ライブの終盤は、そんなSHERBETS流ロックンロールのつるべ打ちだ。再びキーボードでホーンの音色を鳴らした「LADY NEDY」から繋げたブルージーなギター・リフをたたみかける初期からの人気曲「アンドロイドルーシー」に拍手喝采を贈る観客にバンドは間髪入れずにアンセミックなサビが印象的な「チャームポイント」、さらにSHERBETS流のサイコビリーなんて言ってみたい「CRASHED SEDAN DRIVE」をぶつける。福士が鳴らすコンボ・オルガンの音色がサイファイなんて言葉も連想させる後者では、仲田の思い付きだろうか、全員が拳をぐるぐる回すという楽しみ方がSHERBETSのライブに加わっただけではなく、ドラムを離れ、前に出てきた外村がおどけた調子でダンスを披露するというサプライズも飛び出す。
本編最後を飾ったのは、もはやSHERBETSのライブには欠かせない「ジョーンジェットの犬」。狂乱のロックンロールは、外村の怒涛のドラム・ソロとともに白熱。「ジョーンジェットの犬!」と観客全員でシンガロングの声を上げた興奮が冷めないうちにアンコールを求める観客の声に応え、ステージに戻ってきたバンドを代表して、ベンジーが言った「まだまだがんばろうかなと思ってる」という言葉に観客が歓喜の声を上げたことは言うまでもないだろう。
「この間、新曲が出ました。その曲のPVに1ヵ所、大きな間違いがあります、知ってた?(笑) それを当てたら何かあげる……っていうのは変だから、(何が間違いなのか)改めて“Benzie Smile Cooking”(ベンジーによるSNSの料理の投稿)で発表します」
そんな気になることを言ってから、披露した12月9日リリースの新曲「Baby Car」は持ち前の反骨精神も滲ませつつ、この世界に生まれてきた生命を称えるベンジーなりの人生賛歌なのだと思うが、天才ベンジーは歌詞で歌っているような赤ん坊の頃の記憶があるんじゃないかとちょっと想像したりも。そこから80’s UKネオサイケを思わせる「Rainbow Surfer」、虚無に打ち勝つ小さな花の存在を歌い上げた「小さな花」と繋げ、もう1曲、ダブル・アンコールに応え、「1-2-3-4!」というベンジーのカウントから演奏したのが「君の肩にふれて」。
この曲を最後に選んだのは、バンドとファン双方のフェイバリットだからなのか、バンド編成のSHERBETSの原点となったアルバム『SIBERIA』の収録曲だからなのか。いずれにせよ、メランコリックなメロディが胸に染みるこの曲もまた、SHERBETSのロックンロールの振り幅を物語っていたと思う。
セットリスト
SHERBETS MIDNIGHT DRIVING SCHOOL TOUR
2023年12月13日(水) 渋谷CLUB QUATTRO
1. 魔王をぶっとばせ
2. HIGH SCHOOL
3. JOLENE
4. Canberra Zombies Food Court
5. COWBOY
6. 知らない道
7. ラズベリー
8. コリー
9. COBRA HEAD
10. Another World
11. Hippy Junky Surfer
12. LADY NEDY
13. アンドロイドルーシー
14. チャームポイント
15. CRASHED SEDAN DRIVE
16. ジョーンジェットの犬
Encore 1
17. Baby Car
18. Rainbow Surfer
19. 小さな花
Encore 2
20. 君の肩にふれて