2023.12.16 12:00
あれは、確か、小学2年生くらいのとき、私はサンタクロースという人間の真実に辿り着いた。
何歳からそれが始まっていたのかあまり覚えていないけど、12月24日は1年を通してトータル悪い子であった私が誰よりもいい子であろうと足掻く日で、いつもやらないお風呂掃除をしたり、当日なんかは率先して早めに眠りについた、朝起きたら当たり前に枕元にプレゼントが置いてある、そんな幸せな幼少期を過ごさせてもらっていた。
しかし悲劇の日はすぐに訪れた。
小学2年生、あの日は確か、クリスマスより数週間くらい前で、幼き頃の私は本当に何気なく、つまらない物しか入っていないで有名な押し入れを、盛大に開けてしまった。
そしたら明らかにクリスマスの柄の用紙に包まれた大きなプレゼントが2つ無防備に重なっていて、私の小さな頭は訳もわからず、停止して、しかしなんかすごく嬉しい気持ちになってきて、「なんでここにプレゼントがあるんだ?」とか「サンタは誰なんだ?」とかそんな事を考える脳の隙間は持ち合わせてなく、プレゼントを見つけた事に大はしゃぎしながら叫びたい気持ちを必死に抑え兄を呼びに行った。
驚きとわくわくを共有したかったのか分からないけど、とにかく兄に知らせなくては!と幼いながらに思ったのだ。
しかし、ドタバタ走って兄を呼びに行った私は母に速攻捕まり、残酷にもその場でサンタの真実を告げられた…なんて日だ。
ひと足先にサンタの正体に辿り着いていた兄は、可愛い妹のため極秘任務を遂行していたらしい。今思えばあの頃からうちの兄は優しいやつだった。
あの日以来、サンタからプレゼントが届く事はなくなったのです。
しかしながら我が家は誕生日やクリスマスなんかには絶対プレゼントをくれたりケーキを食べてお祝いするタイプの家庭で、あの日以来、サンタからプレゼントをもらえなくなった代わりに、24日が近づくと家族で一緒に買い物に行って、クリスマスプレゼントを選ばせてくれるという、結果的オーライな展開が二十歳を超えても続いた。
このプレゼント贈呈は何歳まで続くのか父に聞いてみた時、孫が生まれたら孫に継続されると言っていたので、まだ当分は貰えそうだ。
欲しい物を買ってもらえる喜びはもちろんあったけど、それよりも、子供を喜ばせたいという父と母の優しさが今思うと凄く嬉しくて、私がサプライズ大好きな人間になったのは2人のおかげだと思う。
私も家族ができたら、クリスマスは何歳になってもわくわくするもので、誕生日はいつもの何倍も愛を感じる日だという事を、当たり前に教えてあげたい、そう思った。
そして今年のクリスマスは、年明けにある舞台の稽古であっという間に24日が来ると思うけど、カルディでクリスマスのチョコを溶かしたらマシュマロが溶けて出てくるココアなんか買っちゃったりして、帰り道に可愛いケーキなんか買ったりしちゃって、できる限り全力で稽古とクリスマスを楽しみたいと思います。
実家ではきっと毎年恒例の砂糖菓子サンタが乗ったケーキをぱぱとままと兄貴とおばあちゃんで囲んで食べるんだろうな。私を仲間外れにして…これが実家を出た娘の末路です。お仕事万歳!!
みんなにも温かい素敵なクリスマスが訪れますように。
PS.今年の年越し明けの目標は餅をあらゆる方法であほほど食べる事です。良いお年を!