繊細な役を演じた映画『ブルーを笑えるその日まで』の舞台裏
渡邉心結&角心菜、2人一緒の“初主演”で深まった絆と夢の解像度
2023.12.09 17:00
2023.12.09 17:00
普段は映画以上に“アンとアイナ”な関係
──本作の撮影は去年の夏だったそうですが、この1年間でご自身の変わった部分やお互いに成長したなと思うところはありますか?
角 渡邉さんはいい意味で変わってないです。頻繁には連絡を取っていたんですけど、会わない時間が長くあると、お互いにちょっと距離ができてしまうと思うんですけど、変わってなくて安心しました。私自身の変化でいうと、この作品と出会う前はお芝居に対して「不安だな」「台本を覚えないと」というネガティブなことばかり考えていたんです。けど、この作品を通してお芝居の楽しさを知ってからは、ほかの役も楽しくできるようになりました。
渡邉 角さんも変わっていない気がします。最初から楽しく話はできたんですけど、どこかちょっとお姉さんで。落ち着いてるからかな、なんていうか上品で。
角 上品?(笑)
渡邉 うん、憧れる。そこは変わっていないです。自分が変わったところはなんだろ……変わったのかな? あんまり変わってない気がします。
──お互い変わっていないように思えるのは、お2人とも同じぐらい成長しているから目線が変わっていないからかもしれないですね。
角 そうかもしれません。ずっとこのままがいい。この関係のまま大人になりたいです。
──お2人とも映画の主演は今回が初めてで、「初主演」という一生に一度の経験をお互いに同じ作品で経験したことはすごい絆が生まれたのではないでしょうか。共演も初めてですよね?
渡邉・角 はい、初めてです!
──撮影を振り返って、現場ではどんな関係でしたか。
渡邉 角さんは学年が1個上だし、仲良くなれるか不安だったんですけど、同い年のように接してくれました。
角 私は渡邉さんを年下だと思って接したことないですね。考え方が全然大人だし(笑)。私よりも年上なんじゃないかって思うところがあって。相談とかもよく聞いてくれるので、相談し合ったりして、すごくいい関係です。
──ちなみに最近はどんな相談を?
角 え、待って(笑)! なんだろ……。
渡邉 お母さんと喧嘩したとき話を聞いてくれました。
角 うん、そうだね。アドバイスとか、寄り添うとかはしないんですけど。ただお互い話を聞いて、なんか本当に……。
渡邉・角 アンとアイナだよね(笑)!
角 映画を超えてね!
──劇中でも、夏休みが1日ずつ過ぎていくなかでアンとアイナの絆が徐々に深まっていく描写があります。2人でいろんな場所に行っていましたが、印象的なエピソードはありますか?
渡邉 やっぱり川のシーンかな?
角 川! 川が一番残ってますね。一番大切にしていたシーンです。
渡邉 一番大切にしていたよね。関係性がグッと変わるシーンだし。
角 それに水の中での撮影は今までなかったので、すごい難しくて。すごくいい経験になったよね。あと夏休みにいろんなところに行ったのもおもしろかった。ひまわり畑も覚えてます。ふたりにとって一番最初のシーンだったので。
──個人的に思ったのは、アンは川のシーンの前と後で見せる表情が変わったなと。
渡邉 えー、気づいてくださってる……。
──川のシーンはアンが劇中で大きく勇気を出したシーンのひとつだと思いますが、2人が今までで一番勇気を出したことは何でしょう?
角 私はお母さんに演技をはじめたいと伝えたのが、一番勇気を出したことです。そう伝えたことで今の事務所に入って、実際にお芝居を始めることができたので、「したい」と伝えることに勇気を出しました。
──それはいつの時の話ですか?
角 5歳からモデルをやってたんですけど、中学入ったぐらいからお芝居をやってみたいという気持ちが徐々に芽生えて、中学2年生のときにお母さんに相談しました。
──そのときお母さんはなんて?
角 「いいじゃん、やってみな。ドラマ好きだったもんね」とすごい応援してくれました。家族もまわりの親戚、友達とかもみんな応援してくれたので、今でも頑張れています。
──渡邉さんは?
渡邉 野球を思い切ってやめたことですかね。小学生のときに3年間ぐらい野球をやっていたんです。最初は6年生までちゃんとやる気持ちで入ったんですけど、野球やりながら芸能活動はできないなって。日焼けとかもありますし……。どうしても芸能活動をしたかったんで、思いきってやめる決断をしたことは勇気出しました。
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