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REPORT

4都市8公演を巡ったツアーが代々木第一体育館2daysで終幕

宮野真守が15年間磨き続けた“楽しませる”矜持 全方位に届けた全身全霊の「SINGING!」

2023.10.29 18:00

宮野真守「MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2023 ~SINGING!~」写真:山内洋枝(PROGRESS-M)、青木早霞(PROGRESS-M)

2023.10.29 18:00

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信念と信頼が結んだこの日最大のハイライト

「EVERLASTING」でバラードセクションを締めくくると、宮野のライブで恒例の幕間映像へ。15周年記念楽曲が生まれるまでの様子をまとめたドキュメンタリー風コントと、星野源、福士蒼汰、南海キャンディーズ山里亮太からのお祝いコメントが混ざり合うVTR『ノンフィクショニング』の後、15周年記念ということで作られた楽曲の「ICHIGO〜甘くてChu♡ぱいぜ〜」のパフォーマンス映像が公開されると、客席は赤と緑のいちごカラーのペンライトの明かりに様変わりする。すると真っ赤なロングジャケットを羽織った宮野がステージに登場。丁寧に観客へ振り付けをレクチャーし、歌とダンスで15周年をファニーかつ盛大に祝った。

早着替えで衣装チェンジをすると、「愛の詩~Ulyssesの宴~」では椅子を用いた艶やかなパフォーマンスを見せ、ダンスミュージックにリミックスされたメドレーへとなだれ込む。心地よい緊迫感でテンポよく展開するステージは、疾走感のあるスリリングな「カノン」、オリエンタルなヘビーロック「Quiet explosion」とさらに熱を帯びていった。さらにダンサーのパフォーマンスから宮野が歌い出し「たくさんの愛を僕に届けて!」とセンターステージに躍り出ると観客とコール&レスポンスに興じ、「Kiss×Kiss」でトロッコに乗り込む。甘い歌声だけでなくアリーナからスタンドの隅々まで投げキスを飛ばし、さらに観客を虜にした。

観客の歓声と歌声に包まれながらライブができることに感動を示した宮野は、コロナ禍で悩みながら、歩みだけは止めないようにその時に出来る最大限を目指して活動をしてきたことを吐露する。そして「その時にできる最善策を諦めないことが大事だと思いました。ちょっとしたことであっても、そこから突破口が見えてくる。それはどんな仕事をしていても同じだと思う。諦めた瞬間に希望の光はなくなってしまうから、自分が持っている芯が変わらなければ、多少時間が掛かったとしても広げていける」とコロナ禍を経て得た知見を語り、応援してくれる人のマイルストーンになるという矜持を明確に言葉にしたあと「これからも楽しい場所を作っていく」と力強く約束をした。

そして前回のツアーで実現できなかった「TEAM」を会場全員で歌いたいという旨を告げ、「みんなの歌でこの曲は完成します」と続けると、観客の声に包まれながら同曲を歌唱した。なかでも彼が「これからもよろしく!」と発した直後に観客が歌い出したシーンと、最後にバンドの演奏が止まり彼と観客の歌声だけが響くシーンは、彼とファンの関係性が音楽に昇華された、とても美しい瞬間だった。

アンコールでは「透明」で壮大に幕を開けると、「みんなの声に呼ばれて、包まれてこの曲を歌うのが夢だったんです。時間はかかりましたが、ついに歌うことができました」「名前を呼んでくれてありがとう。素晴らしい15周年になりました」と感慨深く噛み締める。そして各ダンサーとトークや余興を繰り広げ、「EXCITING!」でこの日の夜を締めくくった。イントロから観客は大合唱し、宮野もそれに導かれるように果敢に観客を盛り上げる。翌日に体力を温存するという概念なんてないほどの全力のパフォーマンスで、3時間20分の熱演を走り切った。

声優、俳優、アーティスト、タレント業などマルチに活躍する宮野真守。ライブでも歌、立ち回り、ダンス、トーク、コント映像、気の利いた細やかなパフォーマンスに加え、エンディングで長い時間を掛けてファンに手を振り話しかけるなどの時間を大切にするなどエンターテイナーとしてのポリシーを貫くだけでなく、屈託なく豪快に笑う様子やバンドメンバーやダンサーにトークを任せてくつろぐ姿など、等身大の人柄を垣間見せる。今回のツアーでは15年間の活動のなかで主に観客がシンガロングできる楽曲を中心にセットリストが組まれ、彼が15年変わらないモットーの研鑽を怠ることなく、そのライブのテーマを軸に毎度新鮮なステージを見せてくれることをあらためて実感した。来年6月には、初のシンフォニックコンサートの開催が決定している。アーティストデビュー15周年を迎えてもなおさらなる挑戦を重ねる宮野の勇姿は、彼を愛するファンだけではなく、エンタテインメント界のマイルストーンとなることだろう。

全ての写真:山内洋枝(PROGRESS-M)、青木早霞(PROGRESS-M)

セットリスト

MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2023 〜SINGING!〜
2023年10月22日(日) 東京都 国立代々木競技場 第一体育館

M1.Sing a song together
M2.SHOUT!
M3. THE ENTERTAINMENT (HIRO REMIX)
〜Sing a song together Emotional House mix〜
M4. FANTASISTA 2023
M5.行こう!
M6.Greed
〜Theme of SINGING!〜
M7.Invincible Love
M8. ぼくのキセキ
M9.EVERLASTING
幕間映像
M10.愛の詩〜Ulyssesの宴〜
M11. Dirty Orange 2023 REMIX(FIRE〜Now and Forever〜Butterfly〜Space Travellers〜EGOISTIC)
M12.カノン
M13.Quiet explosion
〜Sing a song together Disco mix〜
M14.Kiss×Kiss
M15.TEAM

ENCORE
M16.透明
M17. EXCITING!

セットリストのプレイリスト公開中
https://lnk.to/MM_SINGINGSETLIST

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作品情報

宮野真守 24th Single『Sing a song together』

『Sing a song together』ジャケット

『Sing a song together』ジャケット

宮野真守 24th Single『Sing a song together』

2023年12月13日(水)リリース
CD only
KICM-2145/¥1,364(税抜)

収録内容

M1 Sing a song together
M2 Sing a song together LIVE ver.
M3 カップリング楽曲(新曲)

イベント情報

 宮野真守「billboard classics 宮野真守 Premium Symphonic Concert 2024」

宮野真守「billboard classics 宮野真守 Premium Symphonic Concert 2024」

2024年
6月8日(土) 開場 17:00/開演 18:00
会場:東京ガーデンシアター
指揮:中田延亮
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

6月15日(土) 開場 16:00/開演 17:00
会場:京都コンサートホール
指揮:中田延亮
管弦楽:日本センチュリー交響楽団

6月16日(日) 開場 15:00/開演 16:00
会場:京都コンサートホール
指揮:中田延亮
管弦楽:日本センチュリー交響楽団

【チケット情報】
一般指定席:12,000円(税込)
着席指定席:12,000円(税込)
3月1日(金)15:00より宮野真守オフィシャルファンクラブ先行受付開始

 宮野真守「billboard classics 宮野真守 Premium Symphonic Concert 2024」

声優・俳優・歌手。1983年6月8日生まれ、B型、埼玉県出身。
2001年に海外ドラマ「私はケイトリン」の吹き替えで声優デビュー。以降、「DEATH NOTE」や「機動戦士ガンダム00」などで注目を集め、その後数々の話題作で主演を務める。
近年では劇場版・TVアニメのみならず、映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」など多くの作品で吹き替えも行なっている。
俳優としては、劇団☆新感線の『髑髏城の七人』Season月《下弦の月》の主演・捨之介役、今年は劇団☆新感線いのうえ歌舞伎『神州無頼街』にて草臥を演じた。
歌手としては2008年にシングル「Discovery」でキングレコードよりデビューを果たす。
声優、俳優の現場で培った豊かな表現力と類い稀な歌声を武器に幅広いレパートリーを持ち、バラエティに富んだ楽曲でファンを魅了し続けている。
2009年から精力的に行なっているライブでは、歌声だけでなくダンスを取り入れるなど、エンターテイメント性の高いパフォーマンスに定評があり、日本武道館やさいたまスーパーアリーナでの単独公演を次々と開催し、大成功を収めている。

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