2023.09.27 12:00
2023.09.27 12:00
逆境を乗り越えるたびに5人の絆が深まった
──結成4年目で乗り越えてきた数々の“逆境”。なかでも、印象的だった出来事は?
小鳥遊 正直、2人(池田メルダと吉沢朱音)の卒業です。初期は、5人(岸・水湊・小鳥遊・池田・吉沢)でライブ活動をはじめて、約1年後に2人(宇咲・近藤)が加入して、ずっと7人で活動してきたので誰かの卒業を想像することもなかったし、7人体制で「メンバーそれぞれ個性豊かで、キャラクターの違うバランスがいい」と褒めてくださるファンのみなさんがいたので、誰かが卒業するとバランスが崩れて欠けてしまう気持ちが大きかったんです。2人から聞いたのはほぼ卒業が確定した状況で、たぶん、事前に聞いていたら意地でも止めていたと思います。
2人の卒業は前向きな理由でしたけど、私たちが「5人でやっていけるのかな」と考えたし、卒業直前のライブで「7人でこれから精一杯頑張っていきます」と意思を示していたんです。だから、その思いが「嘘だったのか」と思われないかなという不安もあったし、2人に対して「どうしてかな……」とも思いました。でも、ファンのみなさんにも卒業を伝えて、2人の卒業後に5人でライブをしていくうちに「変わらず応援するよ」と言ってくださる方がたくさんいらっしゃると分かったし、卒業した2人も#ババババンビが嫌いで抜けたわけではないと分かっているので、それぞれの人生の分かれ道だったのかなって。今は、前向きに捉えられるようになりました。
水湊 5人で話し合って、意思も確かめ合ったよね。7人体制とは別の魅力で、当時の自分たちを超えられるように、受け入れてもらえるように頑張ろうって。
小鳥遊 2人が“欠けた”5人の#ババババンビではなくて、また新しいカタチの#ババババンビとして、新章の幕開けのような気持ちになれたね。
水湊 みんなで話し合って、私たちがまず「楽しまないといけないよね」って。沈んだ気持ちではなく受け入れてもらえるように、目標だった日本武道館公演まであと数ヵ月しかないし、たくさんの人に応援してもらえるように「頑張ろう」と話しました。
──過去には、2021年開催の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2021」でのステージ出演が急遽中止になった逸話もあります。
岸 TIF初出演は2020年で、当時は無観客だったんです。翌年に「やっとお客さんの前に立てる!」と思ったら、3日間のうち初日が台風で丸ごと中止になってしまって……。翌日の2日目は野外ステージ「SMILE GARDEN」の出番があったので「やっと立てるね!」となっていたのに、本番10分前に雷雨が降ってきて、水やリップクリームを持って「よし、楽屋を出よう!」と言ってステージに向かう途中でざわつくスタッフさんから「中止です」と聞いたんです。
近藤 出番の30分前に「天気が荒れてきた」とスタッフさんから聞いていたけど、「また初日みたいに中止になっちゃったらどうしよう……」と言いながら、さすがにないと思ってた。
宇咲 楽屋を出る前に「気合いを込めてツイートしよう」と言って、みんな「ライブ行ってきます!」と気合いの入ったツイートもしていたし。
岸 中止となってからはメンバーが持っていた荷物を“バーン!”と落として、みんな初めて見る表情をしていました。知らぬ間に涙が出る、みたいな。凍りついたというか、時が止まったよね。
水湊 野外ステージの客席で待ってくださっていたファンのみなさんのためにとメンバーそれぞれ配信もしたんですけど、配信中も号泣してた。たくさんの方に心配をかけてしまいました。当時のTIFで「流れを変えるぞ!」という気持ちでMVを制作したり、準備もたくさんしていたので、すべてが無になったようで絶望しました。
──数々の“逆境”を乗り越えたことで、得たものもありそうです。
水湊 乗り越えるたびに、メンバー間の絆が深まったと思います。最初は、デビューライブ中止で5人の絆が深まった状態で、2人(宇咲・近藤)の加入後も色んな逆境にもまれたことで、2人が違和感なく馴染めたのかなと思います。同じ楽しさや苦しさを共有することで、グループの結束力は上がっていくと思うので、一つひとつの経験も今となっては「よかったかな」と感じています。
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