2023.09.27 12:00
2023.09.27 12:00
2020年1月の結成から4年目にして、メジャーデビューをつかみとったアイドルグループ#ババババンビ。そのメンバーである岸みゆ、水湊みお、小鳥遊るい、近藤沙瑛子、宇咲の道のりはけっして“順風満帆”ではなかった。
2020年3月には予定していたデビューライブがコロナ禍で中止に。翌2021年にはデビューライブのリベンジ開催を果たしたが、同年に臨んだ初の有観客での「TOKYO IDOL FESTIVAL 2021」では、野外ステージを託されながらも雷雨により出番を失い、涙を流した。それでもひたむきにステージ経験を重ねながら認知度を高めてきたが、メジャーデビューを前にして、結成メンバーの池田メルダと吉沢朱音が卒業。7人体制から5人体制となり、新体制での再スタートを切った。
しかし、数々の“逆境”は彼女たちの成長の軌跡でもある。2024年3月には念願の日本武道館公演も控えるグループは、これまでの道のりで何を得たのか。メジャーデビューシングル『ゲイシャフジヤマ』のリリースを迎えた5人に話を聞いた。
「勝負の年」につかんだメジャーデビュー
──いくつもの“逆境”を乗り越えてきた上でのメジャーデビューには、何を思いますか?
宇咲 元々、私たちはメジャーデビューをしない、自社レーベルでずっと活動していくと思っていたので、メジャーデビュー決定と聞いたときはビックリしました。実感は徐々にわいてきて、リリースが近づくにつれて「ついにメジャーデビューか」と思うようになりました。“不運なアイドル”と言われ続けてきたけど、昨年出演した「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022」の「TIF アイドル総選挙」で1位になり“逆境”から脱出できて、憧れのメジャーデビューも決まってうれしいです。
小鳥遊 2020年3月に開催予定だったデビューライブがコロナ禍で中止になって。本番の1週間ほど前に突然「中止」と知らされて、メジャーデビュー決定後に改めて当時のSNSを振り返ったんです。デビューライブだけではなく、その後も出演予定のライブがコロナ禍ですべて白紙になってしまい、「アイドルになれる!」と思っていたのにチャンスがなくなって、どん底のような気持ちだったのを思い出しました。
でも、コロナ禍ではよかったこともあって、配信でのライブやコンテンツの発信からアイドル活動をはじめたので、日本全国から応援してくださる方々もいらっしゃるんです。海外からライブを見に来てくださる方もいるくらい、色んな場所で応援してくださっていたので、メジャーデビュー決定後にリリースイベントで地方へ行けたり、全国にCDが流通したり、ライブになかなか来られない場所で応援してくださっている方にも、私たちがアイドルをしている姿を届けられると思ったら、メジャーデビューの言葉にプレッシャーもあったんですけど、うれしさの方が強かったです。
岸 メジャーデビューの重大発表は、TOKYO DOME CITY HALLでのワンマンライブ(2023年4月『4都市ツアー「馬鹿騒ぎ天下布武」』)で、ファンのみなさんには「KING RECORDSよりメジャーデビュー決定!」とサプライズ発表させていただいたんですけど、会場にいた方々は想像もつかなかったのかなと思います。すごく喜んでいただいたし、私たちもステージ上で涙が出るくらいうれしくて。デビューライブが中止になった当時、お客さんのいないライブ会場を見学したんです。
その景色を思い浮かべると「こんなにたくさんの人たちの前で発表できたんだ」という喜びがあったし、発表のステージ上では2023年は「勝負の年です!」と言ったんですけど、そのとおりだと思って。未経験のリリースイベントもありますし、コロナ禍でできなかったことが私たちもあったし、ファンのみなさんにたくさん我慢させてしまったと思うから、今、やりたかったことを「勝負の年」にぶつけられたらと思います。このタイミングで知ってくださる方もいるだろうから、グループの虜にしていきたいです。
水湊 幼い頃からアイドルに憧れていて、でも、アイドルオーディションに落ち続けて。やっと「#ババババンビ」としてデビューできると思った矢先でのデビューライブ中止で、テレビで見ているアイドルの先輩方を夢見ていたので、声出しライブやリリースイベントでの握手会、テレビ出演を目標にしてきたから、デビュー当時は個人的にショックで「この先どうなるんだろう?」という不安もありました。でも、SNSで応援してくださるファンのみなさんがいて、徐々に有観客ライブが増えてきてようやく声出しも解禁されて、うれしいと思っていた矢先でずっと自社レーベルで活動していくと思っていたので、まさか「キングレコード」からメジャーデビューをというお話を聞いたときは、すごくビックリしました。
リリースイベントでファンのみなさんへ会いに行ける機会が増えて、メディア露出も増えるかもしれないと思うとうれしかったです。でも、4月8日に東京ドームシティホールのワンマンライブでみなさまにサプライズでおこなった発表は正直不安でした。今まで応援してくださっていた方に受け入れてもらえないんじゃないかって思ったり、メジャーデビューすることで#ババババンビが「遠くに行っちゃうんじゃないか」と思われるのも嫌だなと思っていたんですけど、本番では、ファンのみなさんも「おめでとう」と言ってくれたのがうれしかったし、リリースイベントなどで「遠くに行かないし、変わらないよ」と伝えられるよう頑張ります。
近藤 私は、宇咲ちゃんと一緒に途中から、デビューライブが中止になった約1年後の加入(2021年2月)でしたけど、当時もコロナ禍の影響が残っていたし、#ババババンビが影響を受けていたのは感じていました。デビューライブが中止になった当時は別グループのメンバーとして「かわいそうだな」と思っていて、まさか、自分が加入するとは思っていなかったです。
#ババババンビは自社レーベルで活動していくんだって思っていたし、運営さんから聞いた時はとっても嬉しかったです。キングレコードさんはもちろん知っていましたし、私たちは今まで音楽番組にしっかり出演したことがなかったので、これからできると思うと楽しみです。東京出身のメンバーがいないし、地方に実家のある子が多いのでいつか各地に行けたらと思います。この曲が色んな方に愛していただける楽曲になればと思います。
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