庄村聡泰が私見を交えて今年の注目アクトを総括
開催まで4週間!8,000字でも伝え切れないフジロックフェスティバル ’23の見どころ徹底解説
2023.06.30 18:00
2023.06.30 18:00
初日は’00年代〜近年に台頭したロックスターが勢揃い
先ずは1日目。開催中止となった2020年の2日目ヘッドライナーとして来日が予定されていたTHE STROKESの帰還。加えてキャリア初のグラミーに輝いたアルバム『The New Abnormal』の楽曲群がようやく苗場で放たれる事となるであろうステージである。これは見逃すわけには行くまい、なのだがおそらくその裏では’00年代ガレージロックリバイバルの裏番長的な存在であるYEAH YEAH YEAHSのステージが同時進行的に繰り広げられているであろう事が予想され、ここはいきなりの関門。さらにはWHITE STAGEではNxWorries(Anderson .Paak&Knxwledge)が、そしてFIELD OF HEAVENではYO LA TENGOが。なんて言い出すとキリがないのでこういう時には先述の通りその瞬間に自分が欲する一番気持ちいい行動を選択しましょう。筆者だってその頃にはすっかり出来上がってるかもしれないしね(笑)。
注目しておきたいのは早い時間にGREEN STAGEを沸かせるであろうFEVER 333。先日新メンバーの加入を経て新たにそれまでの3人編成から4人編成へと生まれ変わった新体制でのステージとなる。しかもドラムは何と元THE MARS VOLTAのThomas Pridgenと来たもんだ。これは途轍もなく景気の良い爆音が鳴り響く予感。同じくGREEN STAGE出演のIDLESも今やUKポスト・パンクシーンの最右翼。ヒリヒリと冷たく乾いたビートの上で縦横無尽に暴れ回るJoe Talbotの咆哮。是非ともフジロッカー達をぶっ飛ばしていただきたい次第である。因みにバンド名のIDLESとは”働かない/遊んでいる”という意味であり日本で言うところのアイドル(IDOL)ではなく“ニート野郎”的な意味合い。
極めて私的なお話なのだが筆者の友人、というか飲み仲間がこぞって絶賛するのがWHITE STAGE出演の思い出野郎Aチーム。酔っ払って肩組んでそいつと「ダンスに間に合う」を歌った日の事をいまだによく覚えているので、これは絶対に現地で聴きたい(演るか否かは分からないけれど高頻度で演奏されている模様)。
RED MARQUEEの注目株は“異形のロックスター”なんて通り名でも呼ばれるYVES TUMOR。エクスペリメンタルな音楽性で注目を集めた後のグラムロックへの接近を経て作り上げられた新作『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』が各国で称賛の声を持って迎えられる中での来日となる。その鮮烈なヴィジュアル・イメージも相まってRED MARQUEEを極彩色へと染め上げてくれるだろう。その他昨年のROOKIE A GO-GOからのメインステージ昇格となった鋭児やRED MARQUEEの深夜帯となるPLANET GROOVEでのEY∃ × COSMIC LABも強烈な体験を我々の脳髄に刻みつけてくれる事請け合い。
FIELD OF HEAVENではその名の通りひたすらに気持ちいいアクトの固め打ち。特にTHE BUDOS BANDからCORY HENRY、坂本慎太郎、YO LA TENGOの流れだなんてもうたまらん。ファンク〜ジャズ〜サイケと永遠に酩酊していたくなるような珠玉の采配だ。現実世界に帰って来れなくなりそう(笑)。
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