BOYS PLANET発のグループ登場で熱気は最高潮に

3日目にはKep1erが早くも登場。「Giddy」ではメンバーがしなやかな猫に扮したようなダンスを見せ、プロらしい姿を見せたかと思えば、“エンディング妖精”（曲が終わった後、しばらくカメラが各メンバーを映し出すこと）ではヒカルが満面の笑顔を見せたり、シャオティンが猫手でポーズをしてみせたり、かわいらしい一面もアピール。「私たちはこれまで『KCON』を通してたくさんの姿をみなさんにお見せしてきたと思うのですが、今年の『KCON JAPAN 2023』では、私とヨンウンちゃんがNiziUさん、STAYCさん、YENAさんと一緒にオープニングステージをやりました」とヒカルが言ったように、実は初日のオープニングステージではKep1erとNiziU、STAYC、そしてYENAによる豪華なコラボステージも披露されていた。こうした普段見ることのできない組み合わせのコラボが見られるのも「KCON」の魅力の一つ。

iKONはこの日が「KCON JAPAN」初登場。ライブ巧者として知られる彼らはステージに登場するなり会場の雰囲気を掌握し、手を大きく上下に振らせ、「KCON JAPAN」の会場をヒップホップに染め上げていく。JAYが流暢な日本語で「毎回ステージに上がるたびにファンのみなさんに会えることがどれだけ大事なことなのか、さらに感じています」と語ったのは、彼らが昨年、長年お世話になったYGエンターテイメントを全員で退社し、新たな道を選択したことと無関係ではないだろう。BOBBYも「こうして『KCON』でみなさんと会うことができて本当にうれしいと思います。これからもずっとファンのみなさんと楽しい時間をいっぱい過ごしたい」と真摯に語った。しかしステージではそんな湿っぽさは封印し、新曲「U」とライブ定番曲「パラム（風）」で会場を再び熱く盛り上げる。広いステージの上にメンバーがあちこち散らばり、それぞれが目の前のファンとともに大声で歌って、目を合わせて、気持ちを分かち合う。これぞiKONのライブ！というものを見せつけて、まさに風のように去っていった。

「KCON」のもう一つの名物、「Zen.G POP」コーナーは、新世代のグループが今をときめく先輩アーティストの曲をカバーするというもの。この日はATEEZの後輩グループ・XikersとTEMPESTがSEVENTEENの最難関曲「HIT」をカバー。とんでもない運動量のハードな楽曲を、若さとパワーでダイナミックに、そして完璧にパフォーマンスしてみせた。さらにパフォーマンスが終わった後、誰も息を切らせずに見せた余裕の表情に、会場からは大きな拍手が贈られていた。さらに、この日のスペシャルコラボステージには前日ステージを披露したJO1の河野純喜、そしてKep1erのチェヒョンが「dream」（EXOのBAEKHYUNと元MissAのSuzyのデュエット曲）をかわいらしさ満点に歌い上げ、会場をうっとりさせたいた。

この日は今年4月、放送が終了したばかりの「BOYS PLANET」から誕生したグループ・ZEROBASEONEが「KCON JAPAN」のステージに立った。番組のシグネチャー・ソング「Here I Am」のイントロが流れると、すでに会場のボルテージは最高潮に。韓国人・中国人・カナダ人で構成された9人組ボーイズグループである彼らは、挨拶も韓国語、英語、そして日本語と国際色豊か。番組で最終1位を獲得したジャン・ハオは英語で「『KCON JAPAN』で初めてパフォーマンスすることができて光栄です」と挨拶した後、「愛してる！」と日本語で絶叫し、会場からは黄色い歓声が飛び交った。トロッコに乗って後方のファンにも挨拶をしながらサインボールを投げ入れたり、初めての日本とのファンとの対面を笑顔で楽しんでいた。最後には暗闇の中で灯されたキャンドルを吹き消す意味深なティーザーが公開されたが、今後の彼らの活動にもぜひ注目していきたい。

3日間の「KCON」を締めくくったのは、今年1月に日本デビューからわずか1年半で初の京セラドーム大阪公演を開催し、第4世代K-POPアーティストの中で最速で単独ドーム公演実現を果たしたENHYPEN。「みなさんも僕たちをずっと待っていましたよね？」と会場に問いかけ、反応が小さいと「全然足りない」とより大きい歓声を促すほど、日本のファンの盛り上げ方がうまくなった彼ら。Ni-Kiが「今まで生きてきた中で一番大きい声を出してください！」と会場に促して始まった「Polaroid Love」の大合唱は、まるで韓国のコンサート会場のような雰囲気だった。その一方で、最後の「Future Perfect」では彼らが得意とするキレのあるダンスを生かした重みのあるパフォーマンスで会場を圧倒し、ドーム公演を経て新人という枠を脱した彼らの成長を見て取ることができた。

「KCON」はライブ以外にも見どころが満載。ライブ出演アーティストによるレッドカーペットの登壇や「MEET & GREET」が行われたり、コンベンションホールではK-POPルーキーグループによるパフォーマンスやトークイベント、ハイタッチ会、そしてK-POPラバーによるカバーダンスステージなど、盛りだくさん。今年はさらに、ライブに出演したITZYやXikers、ZEROBASEONEなどがコンベンションホールを訪れてファンと交流するなど、来場者にはたまらないサプライズもたくさん準備されていた。コンベンションホールでは韓国コスメの紹介ブースやフードも各種用意され、さまざまなサンプルやグッズ、フードの配布も。3日間、見て回っても飽きることがない「KCON JAPAN」。来年はぜひその目で見て、味わって、楽しんでみてほしい。

_{※記事掲出時、来場者数が誤っておりました。正しくは12万3千人となります。
　訂正してお詫びいたします。大変申し訳ございませんでした。}