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INTERVIEW

オスカー2冠に輝いた話題作が持つテーマと役への解釈を語る

「ネットのコメント欄は恐ろしくて酷い」ブレンダン・フレイザーが振り返る『ザ・ホエール』

2023.04.26 12:00

2023.04.26 12:00

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『ハムナプトラ』よりもフィジカルな仕事だった

──本年度アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞していますが、本作の特殊メイクについてもお聞かせください。

チャーリーを作り上げるための特殊メイクや義肢を取り付ける作業は大変でしたが、全てが精巧な3Dプリンターによって作られていたためシームレスな見た目になっていたと思います。観客から見て、チャーリーがどのように作られたのかわからないようにする必要が我々にはありました。少しでも歪みが見えると、チャーリーというキャラクターに没入することを阻害してしまうからです。本作の特殊メイクを手がけたエイドリアン・モローは午前中に何時間もかけてメイクやボディパーツをつけ重ね、その結果オスカーを獲得しました。彼は自分のしていることをわかっていて、チャーリーの体をSF映画でクリーチャーを作るのと同じ手法で作った。世界的に大ヒットした『M3GAN ミーガン』(日本公開は6月9日)でも、彼は素晴らしい殺人ロボットの女の子を創り上げていましたね。彼には才能があり、余裕がある。好奇心旺盛で、不可能を可能にする。信じられないほど、オーガニックなキャラクターを創り上げてしまうんです。

──本作で力強いカムバックを遂げることに成功しましたが、撮影を振り返っていま、何を想いますか?

人生史上、最も大きな出来事でした。どう言葉にすればいいか、わかりません。もちろん、『ハムナプトラ』の時のように走ったりミイラを倒したりする男を演じはしなかったものの、、本作のパフォーマンスが今までの俳優人生の中で最もフィジカルなものだったと感じています。コロナ禍で撮影されたこともあり、本当に愛情のこもった仕事になりました。ほら、あの頃私たちは明日があるかどうかさえ、わからなかった。誰もが実存的な脅威を感じていたはずです。本作に携わったすべての人もそんなふうに感じていました。

また、今と同じようなことが再びできる日が来るのかわからない、と。あの頃はまだワクチンもなかった。だからこそ、その焦燥感が情熱になったんです。このような体験は、今後二度とないでしょう。10年後、おそらく私たちは2020年から2022年の間に作られた映画を振り返ることになるはずです。そしてすべての作品のパフォーマンス基準が、オスカー受賞レベルのものだということに気づく。つまり、全作が非常に優れているんです。“映画そのものが、本当に私たちに話しかけてきた”……それは、稀有な状況下だったからこそ感じることのできた、オーガニックで本物の感覚なのです。

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作品情報

ザ・ホエール

© 2022 Palouse Rights LLC. All Rights Reserved.

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ザ・ホエール

2023年4月全国公開
2022年/アメリカ/英語/117分/カラー/5.1ch/スタンダード/原題:The Whale/字幕翻訳:松浦美奈

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

監督:ダーレン・アロノフスキー
原案・脚本:サム・D・ハンター
キャスト:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ

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