舞い踊り人々を魅了してきた“女性”がテーマ
新しい日本舞踊を創造する未来座2023年公演は『舞姫』 主演は三代目藤間紫
2023.03.31 12:00
2023.03.31 12:00
2017年に発足以来、毎年6月にオリジナル作品や国内外の戯曲を題材とした多彩な作品を制作・上演する日本舞踊未来座の第6回公演=最(SAI)=『舞姫』が、2023年6月3日(土)から5日(月)に国立劇場小劇場にて上演されることが決定した。
日本舞踊未来座=SAI=は、現代に息づく新しい日本舞踊の創造に取り組む公演。=SAI=とは継承と革新を意味する「Succession And Innovation」であり、日本舞踊の伝統をつなぎながら、“いま”こそ輝き“未来”へと光を放つ公演でありたいという願いが込められている。
2023年の第6回公演は“最”。未来座がこれまでホームとしてきた国立劇場は、2029年秋頃の再開を目標に建て替えが決定しているため「現在の国立劇場最後にして、最高の一作」という想いを込めて上演される。本作のテーマは女性で、日本の歴史において文字通り舞い踊り人々を魅了してきた女性たち 「舞姫」を描く。
主演を務めるのは、藤間爽子としてテレビ・舞台で女優としても活躍中で、昨年春に三代目を襲名した藤間紫。アメノウズメノミコトやかぐや姫、静御前、出雲阿国、芸妓・遊女、女方といったそれぞれの時代で多くの人々の心を惹きつけた「舞姫」。藤間はそんなカリスマ的存在の「舞姫」に出会う現代人・マイを演じ、劇団新派で女性を生き生きと魅力的に描いてきた齋藤雅文が脚本を担当する。
今作は、衣裳に古典の日本舞踊の要素がふんだんに用いられているほか、「ノーベル製菓はちみつきんかんのど飴」「サントリーGREEN DA・KA・RA」「旭化成サランラップ」などお馴染みのCMソングを手掛ける作曲家・麻吉文と邦楽が融合し、未来座ならではの音楽が作品を彩る。そして芸妓の場面では人間国宝(重要無形文化財保持者)である井上八千代の指導による京舞など、日本舞踊の多彩な魅力が盛り込まれている。
また、今回初の試みとして最終日6月5日(月)に特別企画を開催。30分間の創作舞踊劇場公演、新作公演、未来座公演でのアーカイブ映像上映、過去の作品出演者によるトークショーで日本舞踊協会の創作の歴史をたどる。今年10月末の建て替え着工まで55年間続いた国立劇場史最後の年、舞台上で各年代の舞姫たちが魅了する。なお、チケット販売は4月3日(月)より開始される。