主演作『晒し愛、こんな夜は誰のせい?』と音楽活動を語る
見る人の気持ちに応えるために、中村ゆりかが“真面目さ”を武器に挑む新たな表現
2023.03.16 17:00
2023.03.16 17:00
音楽はちょっと“こそばゆい”
──ドラマの初回配信と同じ3月1日には、中村さんの1st EP『Moonlight』がリリースされました。昨年11月にシングル「浮ついたHeart」を配信リリースし歌手デビューを果たしましたが、そもそも中村さんが音楽活動を始めたのはどういったきっかけだったのでしょうか?
今、私の音楽のプロデュースを手がけてくれているのが、シンガーソングライターのCHIHIROさんなのですが、4年前にその方の「失恋のあと」というミュージックビデオに出させてもらったんです。そのときに、あるスタッフさんに「声がいいけど、歌とかはやらないの?」と声をかけていただいて。そのとき、すぐに「やろう」という心が芽生えたわけじゃないのですが、もともと歌は好きで。母が家でよくピアノを弾いていたりしたので、音楽は身近で、憧れがありました。ただ、苦労や経験を経てやっとCDができるという中で、実力がないまま音楽をやりたいとは無責任に言えないなと思って。でもじわじわと「音楽をやりたい」という気持ちにはなっていったので、周りの人に相談したり、個人でスタジオを借りて練習して、その時々で録音したものをマネージャーに送って聴いてもらったりしていました。そして、自分で資料を作ってレコード会社の人に伝えました。
──ご自身で資料を!?
はい。そのときに初めて「音楽をやりたい」と言える気持ちになって。そうしたら「表現につながるものはすべてやったほうがいい」と言ってもらえて、話が進んでいきました。
──音楽活動を始めてから、ご自身のなかで変化はありますか?
ちょっとこそばゆいというか。裸を見られちゃうみたいな恥ずかしさがあります。この気持ちはきっと最初だけなんでしょうけど、CDリリースは自分にとって一つの目標でもあったので。
──お芝居を見てもらうのとは、また違う気持ちですか?
そうですね。お芝居は、役を見てもらっているので、私が見られているという意識はないんですよ。
──音楽では、“中村ゆりか”として人前に出る感じがある?
私は自分が好きなアーティストには、心を引き込まれている状態なんです。そこで、お芝居とは違って“自分”を主軸に、誰かの心を掴むという仕事をしているんだという認識を、改めてしないといけないなと思いました。そして、認めてもらったりするために力をつけなきゃいけないという気持ちは、お芝居でも歌でも一緒です。
──音楽を始めるときに、ご自身でプレゼンができるようになるまで実力をつけたり、リリースしたらしたで、責任感をしっかり持っていたりと、ご自身のやることにしっかりと芯がありますね。
負けず嫌いなところはあるかもしれないですね。わりとヘラヘラして見られちゃうんですけど、仕事の話になると真面目になっちゃう。くだらないことを話すのも好きなんですけどね。真面目過ぎて自分の首を絞めてしまうこともあるので、バランスを取るようにしています。引き締めるところは引き締めて、だらけるところは思いっきりだらけて。そういうコントロールは出来るようになってきました。
──その真面目さや芯の強さは、もともと持っていたものですか? それとも芸能界に入って身に付いたもの?
あると思います。もともと喜怒哀楽が激しい性格ではあるんですけど、自然とそうせざるを得なくなっちゃったみたいな。一生懸命やっていたら、見てくれている人はいますし、心を開けるようになってきたんだと思います。
──素敵な考え方ですね。では最後に、音楽活動も含めて、表現者としての今後の展望を教えてください。
常に求められる人になりたいですし、それに応えていきたいです。先日、ファンの方と直接お会いするイベントを開催したんですけど、そこで『家族狩り』(2014年/TBS系)で好きになったと言ってくださった方がいて。そんな何年も前に私のお芝居を見て、今ここに足を運んできてくれるということにすごく感極まってしまって。改めてそういう方の気持ちを大事にしなきゃと思いました。そういう方の力になれるように、今後も、一つひとつ大事に作品を届けていきたいです。