2023.02.16 18:00
2023.02.16 18:00
赤澤遼太郎が、26歳記念公演舞台『赤澤と狐太郎の日常〜明日は大事なオーディション編〜』を2月18日・19日に開催する。舞台『おそ松さんon STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME〜』シリーズのトド松や、MANKAI STAGE『A3!』シリーズの七尾太一役、ミュージカル『憂国のモリアーティ』シリーズのフレッド・ポーロック役など2.5次元舞台・ミュージカルを中心に活躍の場を広げている赤澤。先日、自身初となるグランドミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』を無事終え早々に、6月2日公開の映画『アキはハルとごはんを食べたい』でダブル主演を務めることが発表された。自身の記念公演では、自分がやりたい役や挑戦したい役に挑戦する場として、昨年は朗読を、今年は演劇を演目に選んでいる。そんな彼の、芝居への飽くなき探究心の根源とは。
しんどいことをやって成長を感じたい
──ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』が終幕しましたが、いかがでしたか?
ありきたりですが、すごく楽しかったです。純粋に、出番もめちゃくちゃ多かったですし。
──赤澤さんはWキャストで、チェーザレ(中川晃教)の友人になるアンジェロを演じられました。チェーザレを取り巻く出来事についてチェーザレにいろいろと教えてもらうことで、観客にも状況を伝えるストーリーテラーのような存在でしたね。おっしゃる通り出番も多く、まるで主人公のようでした。
そうなんです。物語を引っ張っていく役でもあるので、主役に近いマインドでやっていました。あとは一流のミュージカル俳優の方々と、しかもこんなに多くの方々と共演する機会はなかなかないのですごく財産になりました。自分の出番がない間はステージ袖で観ていたのですが、ずっと真似して歌っちゃったりして。歌詞も覚えました(笑)。
──初のグランドミュージカルへの挑戦となりましたが、その点で苦労はありましたか?
最初はけっこう苦戦しましたね……稽古序盤から、周りの皆さんに追いつこうと必死でした。稽古もですが、本番が始まってからいろいろ見えてきた部分も多くて。もちろん初日もしっかりと落とし込んで、できあがったアンジェロだったんですけど、いろいろな景色をお客さんと共有していく中で、また違うところに行けたというか。僕なりのアンジェロができたなと思います。
──今作は、明治座に初のオーケストラピットを設置したことも話題になりました。オーケストラにあわせて歌うのはいかがでしたか?
気持ち良かったです。そう思える段階まで来られたことも良かったなと思います。オーケストラの皆さんが役者の気持ちに寄り添ってくださるんですよ。だから僕も譜面通りに歌うんじゃなくて、役として思った通りに歌うということに挑戦しました。中川さんとかを見ていると、すごく音楽で遊んでいて。歌だけどセリフのように歌っていたりする。雲の上のような方ですけど、そういった“音楽で遊ぶ感覚”は盗みたいなと思いましたね。
──今回の経験は、今後のお芝居に影響を与えそうですね。
めちゃくちゃ影響があると思います。『チェーザレ』だけでも初日と最後で、声の出し方から全然違うなという感覚があって。結果的にトライ&エラーを繰り返していた公演だったので。この経験はこの先にも生かしていきたいですね。
──『チェーザレ』が終わったかと思えば、2月18、19日には赤澤さんの26歳記念公演として舞台『赤澤と狐太郎の日常〜明日は大事なオーディション編〜』を開催します。俳優さんのバースデーイベントといえば、トークイベントが定番だと思いますが、舞台という形で開催することになった経緯を教えてください。
トークをするイベントも好きですし、楽しいと思うんですけど、自分でやるんだったら、普通のバースデーイベントじゃ物足りないなと思ってしまって……。じゃあ何をやりたいかと言ったら、芝居がしたいなと思ったんです。自分の誕生日だし、せっかくなら自分のやりたいこと、自分の挑戦したいことをやるイベントにしたいというところから始まりました。25歳のときには朗読をしたのですが、そのときももちろんすごく大変だったんですけど、やってよかったと思ったんです。今回も準備をしている段階ですでにしんどいですけど、こういうことがないと成長できないという気持ちもすごく強いので。
──今回もすでにしんどいということですが、特にどういうことが大変ですか?
諸々やることが(笑)。ほかの仕事ももちろんありますし。
──やることが多い?
そうですね。考えることも多いし、覚えることも多いし、やりすぎたかなと思ったりもするんですけど、やってみたら意外といけちゃうし。それこそ『チェーザレ』で共演した別所哲也さんが、2公演ある日の朝6時からラジオの生放送をやられていたりするんですよね。そういう先輩方を見ていると、自分なんて楽勝だと思うしかない。しんどいと言っても、僕の中では“楽しい”に変換されています。
──“楽しい”に変換されているとはいえ、大変だということがわかっていながらもあえて苦労することを選んでいるのはどうしてですか?
お芝居って、実感はあっても筋トレみたいに目に見える成果があるわけじゃないので、ときどき「1年前より成長しているんだろうか」と思っちゃうことがあるんです。だから、しんどいことをやってアウトプットすることで、成長を感じたいというのがひとつ。何よりも「演じたいから」というのが一番僕の中では近いのかも。いろいろな役ができると楽しいですし。1年に1回、絶対に自分の好きなことや挑戦したい役を演じられるということはテンションが上がります。僕の中では今後も続けていきたい企画です。
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