2022.12.26 19:00
全日本スナック連盟の会長を務める芸人、玉袋筋太郎とTempalayの小原綾斗(Vo, Gt)が都内近郊のスナックを訪ね、酒を片手にママの人生模様に花を咲かせる連載がスタート。その記念すべき初回に2人がお邪魔したのは、1974年より下北沢に店を構える名店「ニューサニー」。この日は某テレビ番組で「シモキタのキューピッド」と謳われたしょうこママ、キャストの菜央さん、奈美さんの3名があたたかく迎えてくれた。ちなみに玉袋と小原には、この連載は毎度「ママの悲喜交々な人生の話を聞く」連載であること、その初回では「連載のタイトルを決めてほしい」ことだけ伝えておいて、あとはお任せ状態。さて、どうなることやら……おそらく全員が期待と心地いい不安を覚えながら迎えた当日。乾杯したらもう待ったなし!(というか玉袋は入店からエンジン全開)ということで、まずはそれぞれの人となりを知るところから。
玉袋 俺、なんで今までママと会えなかったんだろ?
しょうこママ 私、ここ50年以上だよ。ヤバい店だと思って、来なかったんでしょ。
玉袋 そんなことないよ。いや、下北(沢)ね、車じゃ来づらいし、下北にかぶれてる連中が嫌いでさ(笑)。ママ、ビールちょうだいよ。瓶で。
しょうこママ はいよ。
小原 はじめまして。小原綾斗と言います。
玉袋 聞いてるよ、噂はかねがね。
小原 いやぁ、光栄です。
玉袋 それはこっちだよ(ビールを注ぎながら)。
小原 いただきます! うわっ、うれしい。大ファンなんです。勝手に師匠と呼ばせてもらってます。
玉袋 やめてよ。じゃあ、俺もマスターって呼ぶよ。だってバンマスでしょ。飲み屋でメンバーを誘ったんだって? すごいじゃん、それ。
小原 そうなんですよ。埼玉の志木ってところで。そこに7年ぐらい住んでまして、そこで間違った酒の飲み方を覚えてしまったんですよ。
玉袋 でも、元々は高知でしょ? あっちは強いでしょ、みんな。女性のほうが強いのか。
小原 女性のほうが強いですね。僕の親父と玉袋さんが、あ、何とお呼びしたらいいですか?
玉袋 玉ちゃんでいい。俺は何て呼べばいいの?
小原 じゃあ、綾(りょう)ちゃんで。
玉袋 ほら、すぐフルチンじゃん。これがいいわけよ。会ってすぐフルチンになれるってのが酒はいいよね。
小原 まだめちゃくちゃ緊張してます(笑)。
玉袋 ママ、俺、二階堂。
しょうこママ 麦ね。
小原 じゃあ、僕も。
玉袋 なんで、この組み合わせになったんだろ?
小原 僕が熱望したと言うか。
玉袋 ほんと!? ありがとう!
小原 僕からしたらヒーローですよ。
玉袋 やめてよ。俺はステージでね、自分の歌を唄っている人が大好きで。
小原 僕は芸人さんを世の中の職業の中で一番リスペクトしてるんですよ。
玉袋 でも、俺、ここんとこ芸人の仕事なんてやってないんだから。ただ町中華で飲んでさ。
小原 やってると思いますけどね。自分の生きざまをそのままメディアに乗せているっていう。
玉袋 それを言ったら、ミュージシャンはそれが一番できるわけじゃん。
小原 いやぁ、芸人さんって生態を含め、マジにイカれていてかっこいい。何の武器も持たずにお笑いっていうものに命を賭けているじゃないですか。
玉袋 言葉があるけどね。でも、ミュージシャンも同じだと思うよ。
小原 逆に武器だらけなんですよ。
玉袋 まあまあまあ、歌舞音曲って意味では一緒だよ。我々みたいな者がね、こうやってお酒飲ませてもらってるだけでいいじゃない。もう、ここでしまいにして、次に行こうぜ(笑)。あ、もうタイトル決まった。「次、行こうぜ」。どう?
小原 いいっすね!
玉袋 はい、決定。
小原 今日は聞きたいことがいっぱいあるんですよ。
玉袋 いいよ、何でも聞いてよ。
小原 玉ちゃん、普段はどの辺で飲んでるんですか?
玉袋 俺はね、杉並。荻窪とか、中野とか。
小原 じゃあ下北は来ないですね。
玉袋 来ないよ。こんな田舎臭いところ(笑)。 ちょっと、ママ。これ何?
しょうこママ お通しのロールキャベツ。
玉袋 やるね。下北だからロールキャベツなわけよ。これ、葛飾なんか行ったらキンピラだからね(笑)。こういうところがまた違うところなんだよ。ママ、大好き。綾ちゃん、どうしたらね、こんだけ色気をキープできると思う?
しょうこママ 暗いからよ。
玉袋 照明がね。
しょうこママ 年々暗くしていかないと。そのうちロウソクだよって(笑)。
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